東京物語 | Untitled


東京物語(’53)日本


監督は、小津安二郎


黒澤 明溝口健二と並び、国際的に支持を得ている監督

黒澤、溝口と比べて “薄味” というか、こざっぱりし過ぎているイメージを持っていたのですが・・・



いやいや、久々に涙で映像が見えづらくなりました。

家族って、なんなんでしょうね・・・・

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

尾道、老境に差し掛かった夫婦、笠智衆と東山千栄子が旅支度をしている。

彼らは息子たちが住む東京へ旅行に出発し、一人家に残る末娘の香川京子がそれを見送る。

果たして東京に到着した老夫婦は、まず長男、山村聰の家に厄介になり

続いて長女、杉村春子の家に厄介になりながら東京で過ごす。

東京の子供たちを訪ねる旅を通して、家族についてじっくりと描いています。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

東山千栄子と孫とのシーン

こういう撮り方されると、ぐっときてしまいますね。

こんなに遠くても、東山千栄子の孫を見つめる表情がわかるよう。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

息子たちは、老夫婦に長居されてもなんなので、2人を熱海に行かせるんです。

一緒にいるだけでいいのに・・・・・

熱海でゆっくりできるかと思ったら、別の部屋でドンちゃん騒ぎされて全然眠れない。

翌朝、老夫婦が海辺でぽつんとたたずんでいる・・・・・

美しいなぁ・・・・・

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

「そろそろ帰ろうか・・・」

もう、影まで美しい・・・・

ジム・ジャームッシュ監督や、ヴィム・ヴェンダース監督が

自身の作品で小津監督へのオマージュを捧げているが、あ~なるほどな。と思わされる。



とくかく上品ですね、小津監督は

「お父さん、行って参ります」

「そうか、行っておいで」

なんていう台詞からも感じとれます。

黒澤監督のダイナミックさや、溝口監督の毒々しさとは違う、うまみがある。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

笠智衆が義理の娘、原節子と尾道の情景を眺めながら

「ああ、綺麗な夜明けだった」

「ああ、今日も暑うなるぞ・・・・」

ここが、涙のピークだった。

笠智衆は、72歳の老人という設定だったが、当時の実年齢は48歳

“老け役を早くからやると老けない” と言われているが

ほんとにそうですね。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

終盤の、原節子と香川京子の会話は、考えさせられます。


「親子って、そんなもんじゃないと思う。他人同士でも、もっと温かいわ」

「いやぁねぇ 世の中って・・・」

「そう、いやのことばかり・・・」


ほんと、いやなことばかり(笑)



戦後変わりつつある家族の関係をテーマに人間の生と死までをも見つめた深淵なドラマ
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