自由を我等に(’31)
監督は、ルネ・クレール
大量生産の時代に生きる窮屈さを皮肉っている作品であります。
トーキー映画でありながら、サイレント的であり、ミュージカル的でもある。
※トーキー映画 = 映像と音声が同期した映画のこと。
音声が同期した映画が一般的な現在では、あえて「トーキー」と呼ぶことはない。
ルイとエミールは脱獄を計るがあと一歩のところで発見され、ルイ1人だけが脱走に成功する。
娑婆に出たルイは商才を発揮しレコード会社の社長にまで出世。一方、遅れて刑務所を出たエミールは工員になるが
そこの社長がなんとルイ。2人は再会を喜び合うが・・・・
ルイが逃げて、自転車を拝借するのですが、自転車競技のゴールに着きチャンピオンになってしまったのは笑いました。
ただ、ドタバタ喜劇のノリに、気後れしてしまった感が多少ありましたが、まあそこは温かい目で
工場のベルトコンベアの流れ作業で、エミールがひとつ作業遅れたもんだから、流れない作業の光景なんかいいですね。
実は、このシーン、5年後にチャップリンが 『モダン・タイムス』 で、そっくりそのまま使ってしまい
盗作騒動まで発展したらしいですが、クレール監督は
「私はいつもチャップリンの盗作をやっています。この映画の2人の男もチャップリンです。チャップリンこそ私の師です」
あの、さっきの、ドタバタ喜劇のノリに、気後れしてしまった・・・・のくだり、取り消します(笑)
ミュージカルシーンでは、
「どんなにお金持ちになっても、何より欲しいものは自由だ。金なんかなくっても自由があればいい」
肩の力抜いて、ゆっるゆるな感じで楽しめる映画です。
ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作
ベネチア国際映画祭受賞作
※参考 Wikipedia
刑務所仲間のルイとエミールは、共に脱獄を試みるがルイだけが成功する。ようやく刑期を終えて出所したエミールが働き始めた場所は、出世したルイが社長を務める巨大な工場だった。
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