皆様 こんにちは
台風は大丈夫でしょうか?
 
愛知県瀬戸市で毎年行われている
招き猫展
皆様はご存知でしょうか?
 
 
とても名誉なことに 本年度の招待作家
として
招き猫の製作に携わる事となりました。
 
瀬戸市が毎年 各界の作家や著名人に
依頼し その年の招き猫を製作致します。
作品は瀬戸市の美術館に永久所蔵されます。
 
本来はジュエリーデザイナーの主人ですが、
招き猫を製作したのは初めての事です。
 
過去 とても素晴らしい作品が輩出されており、
まず招き猫として今までにない
題材を探すことより始めました。
(これが大変でした。)
当初は全く違うコンセプトの物を
2パターンほど描きましたが、
 
猫と云うものは人間の生活と密接に
関わっており 世俗的なものが良いと、
そして東京の下町に住んでいることもあり、私どもが選んだのは 
 
花魁・・・ 猫を花魁に変身させました。
 
出来上がりましたのがこちらです。
 
 
 
企画・デザイン・ジュエリー製作: 
   ジュエリーデザイナーせきかず
陶器製作:中外陶園
 
 

 
しなやかな肢体の白猫 
そして魅惑のオッドアイ
 
 
白無垢を着た妖艶な招き猫にしてみました。
 
花魁は 八朔の日に白無垢を着ます。
 
かんざし・キセル 金属部分はすべて
18金ゴールド 
飾りはさんご・ピンクサファィヤを
使用致しました。
 
台座にも天然石(シトリン・アメシスト・ブルートパーズ)が留められております。
 
正面・側面・裏面・上部と四面ほど
デザイン画を描きましたが、
思うとおりに立体に仕上がるかとても
不安でしたが、熟練の職人さんが見事に
再現して下さいました。
 
製作は困難を極め
悩みをともないながら完成に至りました。
 
製作に携わって頂いた職人の皆さま方
無理な注文を具現化して下さり
感謝致します。
 
最終工程のかんざし組み立て・取り付け等は   にゃんクリエイターズ イベント終了後    主人自ら徹夜で行いました。
 
こちらの花魁猫は名前もあり
(ゆき   源氏名 は白雪太夫)
 
独自のキャラクター設定がございます。
 
猫の世界での背景設定も致しました。 
今暫く文章をお読み下さい。
 
 花魁猫 白雪太夫 
冬の寒さや雪の重さを忘れさせてくれるようなこどもたちの声が響き渡る。
春を迎えたばかりの信州の名も知れない山あいの村 
甲高い笑い声、お互いを呼び合い こだまを聞いて又笑い、
新緑の中にぴょんぴょんと駆けまわり色の違う糸で縫った野良着
きらきらと輝いて見えるような 幼子たちの姿。 
寒い冬に産まれたから「ゆき」
色白で明るい笑顔は村中に知れわたる愛らしい少女に育っていった。 
その笑顔が消えたのは六歳の誕生日が過ぎたころ、
 泣きじゃくる「ゆき」の手はあざが出来るほど握りしめられ 
「おっとう おっかあ」の声が小高い山の向こうに消えていった・・・・・。  
そして時が過ぎ・・・   
あの日の「ゆき」は二十歳を過ぎていた。 
重ねた年月は「ゆき」をさらに美しく変えていた。 
今やおしろいの香り 酔っ払いの声が行きかう花街の真ん中を 
鈴の音を響かせ しゃなりしゃなりと 
差し掛けの傘、肩持ちに手を添え  
禿や新造を引き連れての絢爛豪華な花魁道中 
 
ゆきは置かれた場所で見事に華を開かせた。 
さぞや気を張り、見栄を張り過ごして来たに違いない。
   
その艶やかな姿に みな息をのみ感嘆の声をあげる。  
花魁、八朔白無垢の日は 白雪太夫にとって特別な日 
辛い日々、苦労を忘れ、 女同士の熾烈な闘いに勝ち、
力強く生き残ってきた自らを褒めそして笑顔を取り戻す日であった。
 
白無垢振袖には想いを立ち切った「ゆき」の半生が込められていた。
 
そんな時 白雪太夫が詠んだ句 
 
「あでやかや のらをわすれる きぬのおと」
 
 ゆきの身に起きた多くの出来事や歳月を思い浮かべてしまう句である
 
どうですか?彼女の半生のイメージが浮かびましたか?
 
花魁はその時代 知性と教養を身に付け、そしてファッションリーダーでもあった
類い稀な 今でいうとスーパーアイドルのようなものだった様です。
(不快なイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが)
 
もしご興味があれば花魁の事 その時代ををお調べ頂けると面白いと思います。
 
こちらの実物は下記の場所でご覧頂けます。
 

第23回来る猫招き猫まつりIN瀬戸

新世紀工芸館

 

過去のこのプロジェクト作品のご紹介

動画(音声注意!)

 

 

 

この最後に白雪太夫が新たに加わります。

 

お天気に恵まれておりませんが

お近くの皆様どうぞご来場下さいね。

29日(土)・30日(日)に

ジュエリーデザイナー せきかず も

在廊しております。

お気軽にお声がけ下さい。

 

残念ながら私は留守番です。

 

長文で長々とお読み下さり有難うございました。