今日も先輩の同行

暑い日に歩き回るのは結構きつい

 

 

今日はAさん 実際にやってみましょうか

 

 

げ・・・(;'∀')

 

 

何の心構えもしていなかった

 

でもやれと言われたら

やるしか無いのである

 

 

敷地に入る前に一礼をして

 

おはようございまーす!と

 

大きな声で挨拶した

 

 

インターホンを鳴らし出てくれるか・・・

 

 

はーい どなた様?

 

 

おぉ~ 居たいた!!

 

 

家主さんは玄関を開けてくれた

話せる感じのおじいさんだった

 

私は何かお土地の件でお困りのことはありませんか?と尋ねると

息子さんに任せているから分からないとのこと

 

もう少し掘り下げて聞いてみようと話し出そうとしたら

先輩が自分のペースに持ち込んでしまった

 

私に任せてくれるのなら最後まで出来なくても

やってみたかったのは本音

でも このエリアは先輩の担当

私はただの研修員である

 

先輩は補助的な意味で会話を広げてくれたと考えることにした

 

 

私がチャイムを鳴らして最初の取っ掛かりを作って玄関を開けてくれるまで持って行く

 

大抵はインターホン越しで打ち切られる

 

過去にその先輩と回った時には8割が門前払いだった

 

今日は出てきてくれて話せたのなら私の手柄でもあると言って良いと思う

 

結局 先輩に向けておじいさんはずっと話していた

私は横でうなずいているだけだった

 

 

先輩はこの訪問を獲得と報告した

 

 

その後も何軒か訪問するも

ほぼ玄関まで出てきてくれるから

 

ん?私すごくね?と勘違いしてしまった

 

 

でも結果先輩に持って行かれるのなら

私 使われてんのか?

ただ横で相槌を打っているだけの状態は本当に辛いものがある

 

 

そんな気持ちが通じたのか?

午後は9月から私が訪問するエリアで

私主体の訪問をしてくださいとのこと

 

これはラッキーと楽しみにしていた

 

 

そんな中

同じ課のダメ男から

先輩に来て欲しいと連絡が入った

 

昨日 ダメ男はクビ宣言を支店長から受けていた

無断欠勤・遅刻・声が小さい・・・

何度言っても直さず

とうとうブチ切れられていた

事務所に響き渡る怒号が 

ダメ男に突き刺さっていた

 

そんなダメ男が先輩を呼び出したのは

ダメ男の教育係だからだ

見込み客の家へ一緒に行って欲しいとのこと・・・

私も同行した

 

選ぶ家が・・・ダメじゃん

雨戸がどの家も閉まっている

暑さ対策にしても閉めすぎじゃんと思うほどの家ばかり

もしや・・・訪問したくないから留守宅を狙っているのか?と思うくらいに

 

これじゃあ何のために教育係を呼んだのか意味がわからない

私主体の訪問研修の時間が削られてしまった

 

最終的に先輩が強引に再訪の約束を取り付けて

ダメ男の首の皮は切らずに済んだことになる

 

 

いよいよ私のエリアである

時間は既に17時を回っている

支店から車で40分超えの場所なので

数件しか訪問できない

 

 

私はピンチの時だけ お手伝いしますので

 

先輩は言い放った

 

 

 

はい・・・ここの家訪問します

 

 

先ずは一件目

 

お年寄りはエアコンを使わないのか

網戸越しにソファーで横たわっている

おばあちゃんが見えた

 

息子さんに

何だかセールスが来ているみたいだんべ

 

面倒だなぁ~~~と言いながら息子さんは出てきた

 

 

何?おたくはどこの?

 

 

初めの怒り顔が徐々に和らいでくるのがわかった

あぁ相手の顔って鏡なんだなって再確認できる瞬間

 

 

 

結果 やらねぇよ やる予定もないよ 以上

 

 

直ぐに終了してしまった

 

 

こんなもんか・・・でも出て会話してくれただけでもありがたい

 

 

 

次はインターホンでのお断り

〇〇は結構です

 

前に訪問した時の【やっちまった感】がある塩対応であった

 

 

 

支店へ戻る時間に差し掛かってきた

これが今日最後の訪問

 

 

一礼をして敷地に入る

チャイムを鳴らしても誰も出て来ない

 

しばらく待っていると

先輩が庭の畑にいる 

おばあちゃんを見つけてくれた

 

優しそうな人である

私の話も聞いてもらえた

そして再び先輩が切り込む

 

私の回じゃなかったのかい・・・?

 

 

そんなことを思っていると

おばあちゃんが

 

目元や相槌・話し方が

私の知っている〇〇さんにそっくりで

 

私の目をジッと見つめながら話してきた

 

〇〇さんと同じ苗字

私は うちの方に住んでる〇〇さんは

みんな こんな細い眼をしています((´∀`*))ヶラヶラなんて

笑っていると

 

苗字も一緒だし背も高いし

世の中に三人似てる人が居るって言うけど驚いたわぁ

でも彼女は栃木出身なんだよ

 

 

こんなありふれた会話

 

 

多分 この仕事を続けているまでは

ずっと心に残っていると思う

 

 

私だけに向けてくれた会話が

 

すごく嬉しかった

 

 

 

支店へ戻る車の中で

溢れだす涙が止まらなかった

 

 

 

支店に着くと女課長が

 

どうだったの?と聞いてくれた

 

一文字目で涙ぐんで話せる状態では無くなっていた

 

 

女課長は大爆笑して

 

これじゃあ 独り立ちして地主さんと話す度に泣くわね

意外とみんな優しいの

 

 

そう言いながら私に会わすオーナーさんを考えてくれた

なるべく面白い人 そして次に繋がる人・・・

 

 

女課長も結構・・・優しい