入院2日目。

 私は午後の手術の為、前日22時以降、絶飲食を
していた。

 考えていたより飲まず食わずは辛くないまま手術を
迎えた。

 手術室に入って、背中に“硬膜外麻酔”のチューブを
入れられている時に一度目が覚め、そのまますぐに
意識がなくなった。

 気が付いた時には、すでに病室のベッドの上。
 目の前に夫がいた。

 何か話をした覚えがあるが、記憶になく、体中に付け
られた管や酸素吸入器が苦しさを増幅させていた。

 その日は苦しさと気持ち悪さで終り、翌日ベッドから
起き上がれる様になった昼前迄、口には何も入ら
なかった。

 そして更に2日後。
 まだ体がむくんでいるとは知りつつ、体重計に乗った。

 結果は2㎏増。一日に500㏄の点滴3本と200㏄の
点滴2本を3日間打っていれば、排出する量だけでは
足りない。

 体内に残った水分は“むくみ”となって現れていた。

 新陳代謝が間に合わなくなった体は、ブヨブヨと膨らんで
中年を実感するまたとはない機会となった。

 結局、退院迄に1㎏減っただけで、家に帰って安静生活を
送る間に、またきっと太るに違いない。