小学生の頃、私は何時も親友と一緒に下校していた。

 私の家は学校から歩いて5分、親友の家は10分程なので、
まず私の家に寄ってから自転車に2人乗りをして親友の家まで
行っていた。

 ある日、小さな橋の上から川を覗くと、まるでチョコレートの様な
色をしたキタナイ水が流れていた。

 2人して「ウワー!!キタナイ!!」と言いながら通り過ぎて、
いつもの様に親友の家に行くと、田植えを手伝う様に言われ、
少し離れた田圃まで行くコトになったのだが…。

 着いてビックリ!

 途中で観たチョコレート色の川の水を田圃に引いているのだ!!

 否応なしに裸足になり、中に入る…。

 意外にも、一度入ってしまうと気持ちがフッ切れて平気になって
しまった。

 夏が過ぎ秋になると1m程に成長し、沢山の穂を付け始めると、
「これ私が植えたんだ。ほら、こんなに大きい!」「私のだって!」と
言い合う程、自分が植えた稲が可愛く感じた。