みなさんこんにちは!亀吉です。今回は、2025年5月に話題となった「米国の格付け引き下げ」と、それをきっかけにG7各国の格付けや財政事情を比べてみる、ちょっと知的で楽しいブログ記事をお届けします。
米国、ついに最上位格付けを失う!その理由は?
2025年5月16日、格付け会社ムーディーズが米国の長期信用格付けを「Aaa(トリプルA)」から「Aa1(ダブルAプラス)」に引き下げました。これにより、米国は主要格付け3社(S&P、フィッチ、ムーディーズ)のすべてで最上位格付けを失うことになりました。
理由はズバリ、「財政赤字の拡大」と「利払いの増加」。ムーディーズは「米国の財政赤字は今後も減らすのが難しい」と指摘し、政府債務残高の増加を懸念しています。ちなみに、過去には2011年にS&P、2023年にフィッチが米国を格下げしており、今回はムーディーズが最後の砦だったのです。
格下げってどんな影響があるの?市場は意外と冷静?
「米国の格付けが下がったらドルは暴落?株も大暴落?」と心配した方もいるかもしれません。しかし、実際の市場の反応は意外と冷静。なぜなら、すでに他の格付け会社が先に格下げしていたことや、「格付け会社の判断は遅行指標」と見る投資家も多いためです。
NY連銀のウィリアムズ総裁も「米ドルは依然として世界の基軸通貨」と自信満々。とはいえ、米国債の返済負担が増えることや、将来的な投資マネーの動向には引き続き注目が集まっています。
G7各国の格付け、今どうなってる?
ここで気になるのが「他のG7はどうなの?」という点。実は、1990年代初頭まではG7全てがムーディーズでAaa(最上位)でしたが、今やその座を守っているのはドイツだけ。
G7主要国の格付け(ムーディーズ、2025年5月時点)
国名 | 格付け(ムーディーズ) | コメント |
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アメリカ | Aa1 | 2025年5月にAaaから格下げ |
日本 | A1 | かなり前から格下げ済み |
ドイツ | Aaa | 唯一の最上位キープ |
イギリス | Aa3 | EU離脱後に格下げ進む |
フランス | Aa2 | 財政赤字拡大で格下げ傾向 |
イタリア | Baa3 | G7内で最も低い |
カナダ | Aaa | しばらく最上位を維持 |
※一部推定を含む。最新の公式発表は各格付け会社のHP参照。
日本の財政はヤバい?実はバランスシートは改善中!
「日本は借金大国」とよく言われますが、実は最近、政府債務残高/GDP比は3年連続で低下。G7で唯一の快挙です。しかも、日本は政府の金融資産も多く、純債務(債務から資産を引いた額)で見るとイタリアよりも健全な水準にあります。
また、ソブリンCDS(国債のデフォルトリスクを示す指標)でも、日本はドイツに次いでG7で2番目に低いデフォルト確率。つまり、「日本国債は意外と安全」と国際金融市場では見られているのです。
米国とG7各国、財政と格付けの違いをざっくり比較!
国名 | 財政赤字の状況 | 債務残高/GDP | 格付け(ムーディーズ) | 備考 |
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アメリカ | G7最大の赤字 | 上昇中 | Aa1 | 経済成長率はG7最高 |
日本 | 赤字縮小傾向 | 依然高水準だが低下中 | A1 | 純債務はイタリア以下 |
ドイツ | 比較的健全 | 低水準 | Aaa | 唯一の最上位 |
イギリス | 赤字拡大傾向 | 上昇中 | Aa3 | EU離脱の影響 |
フランス | 赤字拡大傾向 | 上昇中 | Aa2 | 財政改革進まず |
イタリア | 慢性的な高赤字 | 高水準 | Baa3 | G7最低の格付け |
カナダ | 赤字縮小傾向 | 低下中 | Aaa | 財政改善進む |
なぜ米国は格下げされても「大丈夫」なのか?
米国の格付けは下がったものの、「米ドルの信認」や「米国債の流動性」は依然として圧倒的。世界中の中央銀行や機関投資家が米国債を保有し続けており、現時点で米国債の信用不安が広がる兆しはありません。
ただし、今後も財政赤字が膨らみ続ければ、金利上昇や投資マネーの流れに変化が出る可能性はゼロではありません。米国も「無敵」ではないのです。
まとめ:格付けは「絶対」じゃない、でも無視もできない!
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米国は2025年5月、主要3社すべてで最上位格付けを失った
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G7で最上位を守るのはドイツとカナダのみ(ムーディーズ基準)
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日本は債務残高が高いが、純債務やCDSでは意外と健全
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格付けは「国の信用力の目安」だが、市場はそれだけを見ていない
「格付けが下がったからといって即アウト!」ではありませんが、財政健全化への努力はどの国にも求められています。私たちもニュースの「格付け」だけに一喜一憂せず、その背景や各国の事情を知っておくと、より賢く世界経済を楽しめるはず!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回も分かりやすく、ちょっと楽しい経済の話題をお届けします!