【序章】源流を訪ねて白峰三山、日本アルプスデビュー戦(8/109 大井川水系・間ノ岳) | 無題ドキュメント

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驚くべき説明を思いついたが、これを記すには余白が狭すぎる。

今回は一級水系源流完全制覇の旅第7夜、8水系目となる大井川水系・間ノ岳を目指し、広河原から奈良田温泉までの白峰三山を縦走してきました。天竜川水系源流・八ヶ岳連峰赤岳に続く甲信地方の源流巡りシリーズ。


大井川は、静岡県の中部に位置し、その源を静岡県、長野県、山梨県の3県境に位置する間ノ岳(標高3,189m)に発し、静岡県の中央部を南北に貫流しながら、島田市付近から広がる扇状地を抜け、その後、駿河湾に注ぐ、幹川流路延長168km、流域面積1,280km^2の一級河川です。

さすがに今のスキルで南アルプス深南部を北上しながら間ノ岳へ到達などできるはずもなく、素直にメジャーコースを選びました。そして、これが南北中央合わせた日本アルプスの記念すべきデビュー山行となりました。


夏山の典型的な天候で、午後早い時間から崩れる予報に直前までヤキモキしつつも、いざ蓋を開けてみれば、大きな天気の崩れには遭わず、最も警戒していた雷にも遭遇せずに済みました。


広河原から北岳までは標高差が約1,600mで、奥多摩のヤマノボラーにお馴染みの鴨沢→雲取山と変わらないのですが、水平距離は雲取山の半分しかなく、ひたすら急登の連続。特に白根御池から小太郎山分岐までの草すべりコースは技術的に難しくないものの体力をゴッソリ持っていかれました。

しかし、その先は農鳥岳まで3,000m級の稜線が続き、抜群の風景に圧倒されながらの山歩き。泊地の北岳山荘から見れた雨上がりの虹、今回の目標間ノ岳からの御来光とまさにビギナーズラックの連続。最高の日本アルプスデビューを飾れました。

そして、この行程最大のポイントは大門沢下降点から奈良田第一発電所までの区間。標高差約2,000mの急坂をひたすら下ります。山と高原地図の実線ルートではあるのですが、急坂ザレ場、岩場、渡渉、丸太橋と表情豊富でそれなりに歩き慣れていないと厳しいルート。最後に南アルプスの洗礼を受けた感じです。


今回のコースは間ノ岳から大門沢下降点までの稜線を除けば、富士川水系の支川流域を辿る山行で、途中の水場も全て富士川水系流域内のもの。大井川水系は特種東海製紙社有林がカバーしていて、その分水界は稜線を辿るにも南アルプス深南部をぐるっと回るものになります。いつかそんな壮大な山行が出来る日が来るのか、山の深さに圧倒されてきた2日間でした。


それではいつもの山行概要から。


山行概要


  山行日程

2021年7月23日(祝)〜24日(土)

  天候

7月23日(祝)快晴 後 曇 一時 雨
7月24日(土)晴 所により 霧

○アメダスデータ
白峰三山に近い観測点として韮崎のデータを気象庁ウェブサイトより引用。

23日は韮崎では降水観測はありませんでしたが、甲府の観測点では16時台に6.5mmの降水が観測。中北地域に大雨警報が発表されていました。また、北岳周辺の稜線はどちらかというと北よりの風だったと思います。雷を伴う雨雲はレーダで南に流れていくのを確認しました。


24日は西農鳥岳を通過する頃までは晴でしたが、農鳥岳から大門沢下降点にかけては霧に包まれました。高度を下げるとまた晴れ模様。


  アクセス

往路:JR中央本線・特急あずさ→JR甲府駅南口1番乗り場→山梨交通バス・快速広河原行き→広河原

※復路は、たまたま下山日が同じで、下山口も同じ奈良田温泉だった知人の車に同乗させてもらいました。


  今回のコース

Day1

広河原インフォメーションセンター→広河原山荘→白根御池小屋→草すべり→小太郎山分岐→北岳肩の小屋→北岳→吊尾根分岐→北岳山荘(テント泊)

Day2

北岳山荘→中白根山→間ノ岳→農鳥小屋→西農鳥岳→農鳥岳→大門沢下降点→大門沢小屋→大古森沢出合→森山橋→奈良田第一発電所→奈良田温泉(白根館)


地図はこちら。広河原から草すべりを経由して北岳、間ノ岳、農鳥岳の白峰三山を縦走し、大門沢を下って奈良田に至る定番ルートです。


1日目は7km弱で↑1700m↓300m、

2日目は約18kmで↑1000m↓3100m

歩行時間は2日間累計の休憩込みの時間です。


  参考コースタイム(休憩除く)

Day1

CT ヤマレコ7:17、山高地図7:20

実測 5:31

ct比 ヤマレコ0.757、山高地図0.752


Day2

CT ヤマレコ10:45、山高地図11:00

実測 7:42

ct比 ヤマレコ0.716、山高地図0.700


総合

CT ヤマレコ18:02、山高地図18:20

実測 13:13

ct比 ヤマレコ0.733、山高地図0.721


テント泊装備14kgを背負ってのタイムとしてはまずまず?


  GPS記録

ヤマレコ

源流を訪ねて白峰三山、日本アルプスデビュー戦(8/109 大井川水系・間ノ岳) - 2021年07月23日 [登山・山行記録] - ヤマレコ



YAMAP

源流を訪ねて白峰三山、日本アルプスデビュー戦(8/109 大井川水系・間ノ岳)



山行記録(山行前夜)



  まずは出発地・甲府へ


出発は山行前日夕方。特急あずさで新宿から甲府へ向かいます。


駅前にはどーんと武田信玄像


甲府駅南口到着です。翌朝はここからバスに乗り込みます。次の日に備えてがっつり晩ごはんを食べたいところでしたが、


選んだのは「おざら」。冷やしほうとうですね。

麺にはかなりコシがあり、武蔵野うどんを食べているような気分。


駅前の「ほうとう おざら ちよだ」でいただきました。


メニューはこんな感じ。馬刺しも食べたかったのですが、ここで頼むとお酒が我慢できない→翌朝に響くということで、泣く泣く我慢


ホテルから見た甲府の夜景。いよいよ明日、日本アルプスデビューに向けて出発です。


  いざ広河原へ

甲府駅南口発の南アルプス登山バスの始発は4:35発。ちょっと早いかなと思いつつも発車1時間前に乗り場に行くと


なんで先客がもうこんなにいるんですか( ๑╹⌓╹ )

結局、発車時間にはバス2台にギリギリ収まるだけのハイカーが並ぶ状態。さすが4連休…


バスは後ろ乗り前降り。SuicaやPASMOが使えます。


バス料金は甲府駅→広河原で¥1,990-。その他に、南アルプスマイカー規制利用者協力金として¥200-を現金で支払う必要があります。


千切られた半券の片方は、バス乗務員が夜叉神峠のゲートでまとめて係員に渡していました。


甲府駅を出たバスは釜無川を渡り、芦安の白峰会館、夜叉神峠、南アルプススーパー林道を経由して約2時間で広河原へ。


あ、これ快速バスだったんだ


バス停は広河原インフォメーションセンターの真前です。


インフォメーションセンター1階はお手洗い。2階はこんな感じです。色々整えて、いよいよ山行スタートです。



中編(北岳山荘→大門沢下降点)


後編&終章(大門沢下降点→奈良田)