幸運に妊娠したものの、妊娠当初は気づかず、ワインを飲んでしまっていたのを思い出す。

ボトル3本のワイン、呑兵衛のわたしを母親に選んだ娘としては承知の上だったのか、逆子という以外は何のトラブルもなく出産できた。

予定帝王切開に決まったときは、ガックリこなかったと言うと嘘になるけれど、外回転術をしても逆子の位置を守るお腹の中の娘が愛しくなったのもまた事実。

それまで身体を大切にしていたから、わたし自身を責めることはなかった。

思い返せば母子ともに健康に生まれたのだから、とても贅沢なガックリだったと思う。


生まれてすぐ低酸素やら胃潰瘍やらあった娘だけれど、退院すると順調で、5ヶ月で歯が生え、6ヶ月でずり這いをし、10ヶ月でハイハイ、11ヶ月でつかまり立ち&つたい歩きをした。

そして、無事に一歳を迎えた。


よく食べ、よく動き、喜怒哀楽が激しく、よく寝る。

3ヶ月から夜9時から朝6時まで寝るのがスタンダードになって、今もそれは続いている。


一歳の誕生日は近くの旅館に一泊。

主人は娘に何かしてやりたかったらしい。

餅踏みと選び取りをした。

選んだのは筆だった。


ポンを患っている主人とはなかなか意志疎通がはかれないところがある。

言葉がまだの娘だけれど、娘の方がわかりやすい。

本当に娘の存在がありがたい。

どうしてもポンを患っている主人の妻というアイデンティティが日常になってしまいがちだけれど、それは本当にもったいないことだ。

わたしは母親であり、一人の女性であり、はたまた娘でもある。


娘はよく笑う。

この笑顔に救われる。

ありがとう。

よくわたしたちのところへ来てくれたね。