登場人物:

佐藤○○

三枝ユキ

三上カナ

白濱亜嵐

小森隼

関口メンディー


では、少し詳細は端折ります笑

ここから本編です!どうぞ!!


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12月になり、街はクリスマス一色になって行く。

私はクリスマスなんて嫌いだった。

「恋人たちのクリスマス」っていうけど、5年も彼氏がいない私からしたら、余計な行事だと思ってた。

だけど、運命の人に出会えた…。今ならはっきり言える、クリスマスが好きだって。

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学校では、みんな浮かれ切ってる。

玄関にリースを飾ったり、小さなクリスマスツリーを各教室に飾ったり…、そういう決まった事をしなきゃならないというのが嫌いだった。

ユキ「○○、ま~たクリスマス嫌い~とか思ってんじゃないでしょうね?まぁ、いいけどさ。」

昼休み、屋上で私に話しかけたのは中学からの親友の三枝ユキ。

クリスマス嫌いの私を受け止めてくれている優しい友達。

『だってさ、彼氏いないクリスマスなんか嫌なんだもん。』

ユキ「去年も一昨年も聞いた。だったらさ、自分から好きな人見つければ?そしたらさ、好きになるもよ?クリスマスを。」

『え?』

ユキ「あ、そうだ!コンパ、セッティングしたげる♪」

ユキは顔が広く、他校の生徒から「コンパ同好会の首領(ドン)」って呼ばれてる。

彼氏彼女がいないクラスメートたちにコンパで恋人を勧めてる力強い恋のキューピッド。

過去、学校にバレて5回も停学処分を受けた。

『げ…。』

ユキ「げって何よ~。言っとくけどね、あたしからの推薦って高いんだからね?○○だから、今回は100円で許す!」

『だって…。』

ユキ「だってじゃない!クリスマス好きになって欲しいの!○○に!ほら、仲間に電話するから、あたしを先公から隠して。」

『うん。…あ、でも、ユキ、彼氏いるんじゃなかったけ?』

片寄涼太っていう人で、私達の学校を今年卒業した、二年先輩。

ユキ「居るよ?でも、一緒に付き合うわよ。」

ユキはホントは校則違反な携帯を取り出し、誰かに電話し始めた。それを私が影を作って隠す。

ユキ「うん、えっと、あんたも入れて三人ぐらい。 あ、イケメンにしてね?」

イ、イケメン…?

ユキはおもむろに電話を切り、私に向き直った。

ユキ「よし!土曜の夜ねっ☆ あ、○○、高校生って分かんない格好で来なよ?迎えに行くからね!」

『う、うん…。』

何故今からドキドキすんだろ…。

間もなく、私の運命の人に出会う事になるなんて、この時思っても見なかった…。


~土曜日~

私は土曜の朝を迎えた。

緊張で寝れなかった。

そんな日、ユキが私の家に来、やっぱり心配だからといい、買い物に行って胸と背中の開いた服を買い、ネイル、髪も整えられた。

完全に勝負に出てる気する。

そして、夜。

大人なお酒を扱うお店にユキと入ると、ユキの知り合いと思われる女性がテーブル席で先に待っていた。

この店にも、ツリーや飾りがたくさんで、うんざりしていた…。

カナ「ユキー!!」

ユキ「カナー!今日はありがとうね?」

カナっていう女性は席から立ち上がり、ユキをハグした。

カナ「ぜーんぜーん!!あ、この子が噂の?」

え?噂になってんの?私…。

ユキ「そっ、佐藤○○。あたしの同級で親友。○○、こっちは三村カナ。コンパ同好会の仲間♪」

カナ「初めまして♪ カナです!カナって呼んでね?」

『どうも。よろしくお願いします。』

ユキ「えー?○○、緊張してるーー?」

『う、うん…。』

本当はこのクリスマスしてる空間が嫌いなだけ…。

カナ「あたし達はもうすぐここに来る男達に興味を示すふりをするから、○○は、好みの男に話しかけたりなんなりしてね?もちろん、気をこっちに向かせるのがコツだから。」

ユキ「ねー、立ち話もなんだから座んない?」

カナ「あ、そうね!じゃあ、○○は、こっち♪男に挟まれる形で笑」

え…こ、ここ…?ユキから遠い…。いやだ…。

『う、うん…。』

私は文句を言わず渋々壁に背を向ける形で真ん中に座った…。

ユキ「で、今回は?劇団員?ダンサー?」

カナ「う~ん、近いー!パフォーマー!!あ、一人俳優やってる子がいるなー…。あ、来た!こっちですぅー!」

カナさんは席から、少し立ち上がり、入り口から入る三人のマスク・サングラスをした男の人たちに手を振ってる。

げ、芸能人??

??「遅くなってすいません!」

1人の背の高い人は腰を低くしながら謝っていた。一瞬黒人かと思った。

??「トレーニングと撮影が立て込んでて…。」

もう1人は柔らかい優しそうな声で髪の色が茶髪で一瞬外人かと思った。マスクとサングラスを取ると綺麗な目をしてることが、ここからでも分かった。

カナ「こちらこそー、ごめんなさい!パパの勝手でー♪」

??「いえいえ…。」

ユキ「あぁ~…。(ボソ」

え?ユキ…なんか知ってる?

男性三人が席に着く。ちなみに私の左側が少しぽっちゃり気味な、髪型が男らしいかわいい顔の男の人。

そして、右が、さっき見た茶髪のハーフみたいな顔の男の人、体ががっちりしてるんだと改めて気付いた。

直視出来ない…笑

ちなみに、前方がト○スト○リーのポ○トヘ○ドに似てる(失礼なw)伊達眼鏡姿の外人の様な男性。好意的かも。

各ドリンクのオーダを済ませた後、ユキが大声で話し始めた。

ユキ「ではー、ドリンクが来るまでここで、自己紹介したいと思いまーす!」

全員「『イエーー!』」

ユキ「では、あたしから。三枝ユキ、17でーす!ヨロシクねん♪」

カナ「あたしはみんなをここに迎え入れた、張本人笑!三上カナでーす!!同じく17です☆よろしくー!」

へー、カナさんって同い年なんだ。それにしても、大人っぽい。

??「みんな若いね!」

私の右隣の人が言った。

カナ「では、メンディーさん!」

関口メンディー「あ、はい。関口メンディーです。あ~21です!よろしくお願いします!」

メンディーさんは少し緊張気味に自己紹介して、イスに座った。やっぱり外人みたいな名前だ。

白濱亜嵐「じゃあ、俺だね!俺は白濱亜嵐!19です!よろしく!」

しら…はま…さん、か…。素敵な名前。

『佐藤○○です。17歳です…よろしくお願いします!!』

私の番になり、普通に自己紹介した。しかも、『します』のところで声裏返って、白濱くんに笑われた。

小森隼「小森隼です!17です!今日はよろしくです!」

隼くんの自己紹介の後、みんなでメルアドの交換をしようとお互い集まった。

意外にも、白濱さんが私に話し掛けてくれた。

赤外線送信してる時、

亜嵐「さっき、声裏返ったの、可愛かったよ笑」

『あ…はぁ…//』

亜嵐「あれ?顔赤くなってる!』

白濱さんは携帯を持ちながら、私を覗き込む体勢になり、くしゃっと微笑んだ。

『み、見ないでください!//』

恥ずかしすぎて横へ体を逸らそうとしたけど、すぐに白濱さんに二の腕を掴まれ、戻された、

『!?』

亜嵐「赤外線切れんだろ?」

『あ…はい…。』

こんなに…力強いんだ…。

赤外線完了すると、

亜嵐「いきなり、ごめんな?」

『あ、いいえ…//』

亜嵐「それに、俺の事、亜嵐って気軽に呼んで?」

『は、はい!』

亜嵐くんは、またあの笑顔を見せてカナとユキのところに向かった…。

私の方にも、隼くんや、メンディーさんが来て、メルアドを交換した。

その後は、他愛ない話をしたり、失敗談で爆笑したり、食べたり、飲んだりして楽しんだ(もちろんお酒じゃない)。

けれど、あれ以来、亜嵐くんからの触れ合いはなくなってた。まぁ、いいけど。

そして、お開きとなり、お店を出た時、しばらく店の前に佇むと、ユキが話し掛けて来た。

ユキ「どう?なんかさ、白濱くんに腕掴まれてたじゃん!」

『み、…見てたの…?』

ユキ「ばっちし!」

ユキは親指を立てて面白がってる顔をしながら言った。

カナさんが私の隣に立って、私はある疑問を聞いてみた。

『カナさん…』

カナ「「カナ」で良いわよ?」

『あ、はい…。カナってあの人たちと関係あるんですか?』

カナ「あー、あたしのパパね、あの人たちの事務所の社長さんのお友達なのよ。だから、無理言って。」

『あー、そう…。え?事務所?』

隼「さ!そろそろ帰ろっか!送ってく相手、誰か決めよっか!」

どこの事務所か聞こうとした時、小森くんが話し出した。

ていうか小森くん、なんでそんなキラキラした目で私を見るの…?まさか…。

カナ「じゃーあ!個々、一緒に帰りたい人の隣に立つ!!始め!」

カナが両手をパンッと叩くと、2人は小森くんの隣に一斉に集まった。亜嵐くんとメンディーさんの隣が空いた。

亜嵐くんは残念そうでも、安心してるとも言えない顔でジャケットのポケットに寒そうに手を入れてた。

メンディーさんは…携帯をいじって見てみぬふりをしている。

私は、すかさず亜嵐くんの隣に立った。やっぱり、どうしても彼が気になる。

でも、当の本人はなんとも思ってないかの様に同じ体勢のままでいた。

カナ「寒い~隼くん!帰ろーよー。」

カナは小森くんの腕を抱き締めながら猫なで声で甘えてた。

ユキ「ほら、メンディーさんも一緒に!電車でしょ?駅まで行きましょ?」

メンディー「イイですよ。僕は…。」

両手を降って遠慮してる様だったがユキは強引にメンディーさんの腕を引っ張った。

ユキ「良いから!ね?じゃあ、白濱くん!○○!お二人でごゆっくり~!」

ごゆっくり?え、え!?

カナ「じゃーねー!メールしてねー!」

四人と別れると、私たちは黙り込んでた。

亜嵐くんはマスクとサングラスをカバンから出し、それを掛けた。やっぱり芸能人なのかな?

…事務所って…。探偵事務所でもなさそうだから、やっぱり芸能かも…。やばい…週刊誌に取られないかな…?←

亜嵐「どうしよっか。」

どうしよっかって…ど、どうするのよ…。すんごい心臓バクバクなんだけど…。

『そ、そうだね…。』

亜嵐「なんか○○ちゃん顔色悪いね、大丈夫?」

亜嵐くんはまたも私に覗き込む体勢で話し掛ける。私はつい目を逸らしてしまう。

『だ、大丈夫だよ…。』

亜嵐「俺ん家近くだけど、行く?」

『え?』

~~~~

来ちゃった…。

今、亜嵐くんのマンション。男女がおんなじ空間にいたら…やばいって聞く…。

私はソファーで待っていた。

ガチャッ…。

しばらくすると、ドアが開き、亜嵐くんが盆に載せた飲み物を持って入ってきた。

亜嵐「飲み物色々持って来た。お茶、お水にコーラ…」

『亜嵐くん。』

亜嵐「ん?」

『私、そろそろ帰るよ…終電なくなるし…。」

亜嵐「いや、顔色悪いから寝て来なよ。俺のベッドふかふかだぜ?」

『い、いいから…。」

亜嵐「ほら、おいで?」

『キャッ!』

いきなり、亜嵐くんに腕を引かれ、彼の胸の中。心音が聞こえるか聞こえないかぐらいの距離まで抱き締められた、私は更に心臓がバクバクと高鳴った。

顔もきっと真赤だな…。

亜嵐「すんごいドキドキ言ってるよ?」

『いや…聞かないで…//』

亜嵐「嫌だ…。」

『え?』

亜嵐「このままでいさせて…?」

『…?』

亜嵐「すごく心臓の音が心地いいんだ。お願い…。」

『う、…うん…。』

私は亜嵐くんに抱き締められながら、そのまま朝を迎えた…。


~つづく