演目発表があったとき、ボニーは夢白さんはまり役だろうなって思ったんですよ。まさに!って感じだった。
彼女はもともと演技力すごいと思ってるけど、なんというか夢の世界の女の子っていうより、現実にいそうな女性を演じるのがうまい。
今回も際どいシーン多かったけど、キスもセックスも当然している、生きているんだからって顔をしながら(娘役さんには珍しい個性だと思う)さらっと演じていていやらしくならないバランスがすごい。
それはそれとして、露出が多いシーンも多かったけど、スタイル素晴らしかったです。とんでもなく細かったけど。
そして、大恐慌時代のアメリカ、20世紀初頭のアメリカは雪組の十八番ですね。ハマりすぎ。
そらくんはなにやらせてもうまいんだけど、今回感心したのはひまりちゃんだな。
まずなんとなく所帯染みた感じが絶妙。そして、ブランチの考えっておそらく大多数の田舎のアメリカ人の考えなんだよね。考えっていうか意識っていうか。なんの疑問もなく神様が救ってくださるって素朴な信仰を持っていて、どんなに困っていても犯罪伯ダメっていうある意味まっとうな考え。
でも、クライドの言う、なにをしようとしても始めからチャンスを奪われ踏みつけられてきた人間には生き延びるには犯罪を犯すしかないっていうのも分かるしそれが現実だったりする。
だから、あす君の牧師は一人の人物っていうより、概念なんだろうな。
ある意味傲慢な揺らぐことない正義という概念。
ブランチはどっちかというとそちら側の人間なんだけど、愛のためだったり心の弱さだったりで巻き込まれるように犯罪者側になってしまう。そして、彼女が一番悲惨なラストだったような。
ボニーとクライドは、冒頭に蜂の巣のシーンを持ってきて、ラストシーンはそこに向かうところで終わっているからなんとなくハッピーエンドに見えるけど、確かに二人にとってはハッピーエンドなんじゃないかな?
自分達が決めた最期なんだから。
特にボニーにとっては夢は叶ったともいえるんだよね。有名になることとクライドと一緒に死ぬことっていうのは叶ったわけだから。
これ、見る度に色んな感想が出てくるスルメ演目だわ。一回しか見られなくて残念。
フィナーレもおしゃれだったな。
男役引き連れる夢白さんカッコいい(舞台写真のウインクもかっこよすぎ。)
デュエダンのブルースレクイエムもよかったな~
あとさんちゃんがかっこよくて、つい追ってしまったよ。歌もよかった。