久々に見た東宝版、やはり面白かったな。
宝塚版は愛の物語だから、愛のヴェールで大事なことを覆い隠しているようでなんかモヤモヤするけど、東宝版は生々しく赤裸々で心をグリグリ削られるような気がする。

花總さん、パパみたいになりたいはさすがに声きついかなと思ったんだけど、演技は16歳というより13歳くらいの少女だった。
嵐も怖くないの時、シシィが私がつかめる!って言ったのを聞いてフランツは嬉しそうな顔をするんだけど、お互いは見ていないのよね🥺
私だけには、歌い終わったあとにシシィが倒れる宝塚版に違和感あるので、毅然と去っていく東宝版のが好みだわ。その分シシィがかなり強いな。
トートも宝塚版は死の擬人化だけど、東宝版は死の概念というか、シシィの心の中にあるものを具現化した存在なんだろうな。

東宝版で好きなのが、精神病院のシーン、ゾフィーの死、憎しみの場面だな。
精神病院のシーンは宝塚版にもあるけど、歌の長さが違うし魂の慟哭のようなものが表現されてると思う。
ゾフィーの死の歌はかなり好きだから宝塚版にないのが残念。あれで要を失ったハプスブルクが皇帝と皇太子の対立に進んでいってしまう流れが分かったような。

花總さんは一幕はちょっと声がきついかなとは思ったけど、私だけにも初演の頃みたいにがむしゃらではなくテクニックで歌っていたし、二幕の歌はどれもよかった。
古川くんのトートは相変わらず麗しかった。
万里生くんフランツはなんかおっさん味が増したような😅青年皇帝の時よりじいさんになってからのがよかった。
黒羽くんルキーニは声がでかいのはいいけど、なんか狂気が足りないような。
うたこさんゾフィーがやはりうまかったわ。厳しいけど慈愛も感じられるような。
トート登場時のピカピカする安っぽい電飾はなんだったの😅