おばさんは、リードをほどいて僕をぎこちなく抱きかかえて歩き出した。

おばさんの心臓がドキドキしているのが、僕の体にも届いていた。

 

オレンジ色の車の助手席に僕を座らせて車は動き出した。

車の中で僕はこれから何が起こるかわからなくて

ちょっぴり怖くておとなしくしていた。

 

薬局の駐車場に男の人がいた。

男の人とおばさんが話していて、

男の人の名前はけんちゃん。おばさんは、あっちゃんだとわかった。

 

けんちゃんは助手席のドアを開けた時、僕はけんちゃんを見上げた。

なんて優しい目をしているんだろう。僕はじっとけんちゃんの瞳を見ていた。

けんちゃんは、僕を抱き上げてチンチンがあるのを見た途端

「男かぁ。。。」

と言って、ちょっと残念な声を出した。

けんちゃんは、やっぱり優しくないやと思った。

(でも後にけんちゃんは、僕のベストフレンドになるんだ。)

あっちゃんは、僕が男の子か女の子かもわからずに連れてきた。

けんちゃんが男だぁと言った時

あっちゃんは、男の子でよかったぁって言ったのを覚えてる。

あっちゃんはいい人だと思ったんだ。

 

けんちゃんと僕を車に残し、あっちゃんは僕のご飯やトイレシートを買ってきてくれた。

どうやらこれからあっちゃんちに行く事になるみたいだな。

僕はこれからどうなるんだろう。。。