【報告】緊急報告会「福島原発震災 ―“いわき”からの報告」
緊急報告会
「福島原発震災 ―“いわき”からの報告―」
4月3日、緊急報告会「福島原発震災 ―“いわき”からの報告―」が東京・総評会館で行われた。主催は原子力資料情報室。
集会では最初に原子力資料情報室の澤井正子さんが地震の概要と福島第一原発事故状況について報告。
福島県いわき市から駆けつけた佐藤和良さん(いわき市議会議員/脱原発福島ネットワーク世話人)が報告した。
佐藤さんは「私は第二原発の立地町の楢葉町出身。おばは津波で行方不明のまま。
この20~30年、福島ネットワークは事故を起こさないために廃炉を目指してきたが、残念ながら起きてしまった。運動の非力さを痛烈に感じる。
いわきを歩いていてもアノラック・マスク・帽子姿が多く、東京に来ると、空気が吸えるという感じ。いわきの線量は東京の100倍だった。
原発震災でパニックがおき、政府の避難指示で20キロ圏内の住民がどんどん南下し、いわきを通って避難していった。
いわき市民も34万人中、3分の1は自主避難した。マスコミも逃げ、ガソリンはストップ。町がゴーストタウンになったのが最初の1週間。
3月18、19日にようやく支援物資が届いた。こういう状況で問われるのは地域力。いわきでも震災直後は2万人が避難所に避難したが、物資が届かなかった。
11日に市長に面会し、39歳以下への安定ヨウ素剤配布と乳幼児へのヨウ素剤シロップ配布を18日にさせた。
国からはなぜ配ったのかといわれた。次いつ爆発するかわからない状況で、当初空間線量は公表されていなかった。県の測定では、福島市の一番高かった。
家の近くの線量は最近で0.6マイクロシーベルト、今後数ヶ月で年間許容線量を越す人が出てくる。
心配なのは子どもたち。私の属する会派では教育長に、2ヶ月の休校と各学校に線量計設置を申し入れた。
教育長は、予定通り4月6日に入学式始業式をやる、線量は専門家が測っているので大丈夫という答え。
既に被曝後の世界。本来子どもは学校に来ない方がいい。
この3月26日で福島第一原発は営業運転40年。私たちは廃炉の時代にどのように向き合っていくかという問題意識で、3月26・27日にハイロアクションのイベントを計画していた。
こういう深刻で過酷な形で廃炉の時代を迎えた。被曝しつつ生きていくしかない。
妊婦、若い人は避難すべきだ。
3月11日以降は被曝が日常になる過酷な現実。その中でどうやって生きていくのか、私たちに重くのしかかっていく。
いつ爆発、被曝するかわからない中で、地震・津波の復興に入っていかないのが現実。
極めて困難な状況に入っていくが、絶望の中でどうやって生きていくのか。そういう状況に人々はあるのかと思っています」
続いて、会場からの質問に佐藤さんが答え、立地町が原発を推進してきた原発依存の構造について話した。さらに、今年の農業の見通しが厳しいこと、普段は学校長を指図する教育長が授業の形態は「学校長の判断で」と責任を預けていることなどを報告した。
佐藤さんは「菅首相は新増設は認めないといったが、福島10機は廃炉に。全原発を止める。
首相官邸を10万で包囲するような運動が必要だ。まず首都圏が立ち上がらないと。
いま全原発を止めないでいつ止めるのか」と訴えた。