【報告】座標塾「社会的正義と公共性の再構築」 | 格差と戦争にNO!

【報告】座標塾「社会的正義と公共性の再構築」

座標塾「社会的正義と公共性の再構築」


2月12日、グローカル座標塾第6期第3回講座「社会的正義と公共性の再構築」を開講された。講師は宮部彰さん(グローカル、みどりの未来)。第6期講座も第3回で終了した。


最近、ブックレット「個人の多様性と社会正義の再生」(工人社)を出した宮部さんは講演で前回(第5期第4回)の講座「ポストモダン思想の功罪」のおさらいをした後
「社会的正義と公共性の再構築」の目的は「幸福の増大」だと定義。
宮部さんは、「まるで幸福実現党の党首みたいだ」と苦笑しながら、「幸福論の復権の必要性」について講演。


幸福の共通する普遍性として、生存権、社会的承認などをあげ、続いて自殺の増加など不正義、不幸感の実態など山田昌弘が「1999年問題」と読む社会変化、社会問題を分析。

そして、幸福を保証するための基礎的ニーズとして公共サービスと料金について。

続いて、所得1万~1万5千ドルを超えると所得増が幸福感を増大しないという図を示した後、幸福の増大に立ちはだかる思い込み・諦念(パラダイム)として
成長神話、グローバル競争、環境問題、政治への切望、国家、グローバリゼーションの6つを挙げ、国家の排他性と対立はなくせないなどの諦念が不幸を増大していることを具体的に検証


続いて、「公共性とは何か」として、①市民からつくる公共性②政府にやらせる公共性③コミュニケーション行為としての公共性に分類。
鳩山が言っている「新しい公共性」を検討し、ただの安上がりな政府論と違う、本当に「官を開く」などの「新しき公共」を目指すのなら、寄付控除の拡充だけでなく「住民投票義務化」「増税に向けた公正な負担」などが必要と指摘。そもそも、民主党政府には公共の担い手である自治体の規模についてのビジョンがなく、強制合併への評価がないと批判


最後に社会的正義と公共性の再構築をめざす4つのプロセスとして①競争的正義=政治運動②闘争的正義=市民運動③連帯的正義=NPO④構想的正義=政策提言について分析。
最近②は全然やっていないとも。


質疑応答では、レギュラー講師の白川真澄さんがコメントし、齋藤純一の言う社会的正義とナショナリズムの関係について問い直す必要性、民主党の政治観が効率的政治観で参加型民主主義を軽視していることを指摘。

今の地方議会は「すべては首長さんのおかげ」という首長派議員の信仰告白の場。地方議会が公共性の再構築を担うのは絶望的だという意見など様々な意見が出された。


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