【声明】成田空港B滑走路の延伸の中止を求めます | 格差と戦争にNO!

【声明】成田空港B滑走路の延伸の中止を求めます

声明――成田空港B滑走路の延伸の中止を求めます


 成田空港では、B滑走路(暫定平行滑走路、2180メートル)を北に延ばして2500メートルにする計画が進められ、成田国際空港会社は今年10月22日に供用を開始すると発表しました。


B滑走路が2500メートルに延伸されれば、大型のジャンボ機が発着することになり、空港会社は年間の発着回数を2本の滑走路を合わせて現在の20万回から最終的には30万回に増やすと言っています。B滑走路の南端には農を営む人びとが暮らしており、いっそうすさまじい騒音と排気ガスが、そしてさまざまの事故の危険性がその人びとを襲うことになります。これは、現地で生活する人びとに対するあからさまな人権や生存権の侵害です。


空港公団を引き継いだ空港会社は、公団が現地や周辺の住民、反対同盟と取り交

わした約束や協定を誠実に守らなければならない立場にありながら、そうした約束を反故にしてB滑走路の延伸を強行し、また全国の一坪共有者に権利返上を求める動きを強めています。


さらに、今年3月にA滑走路で米フェデックス貨物機が炎上し初めての死者を出す事故が起きましたが、空港会社は、この事故を理由にして大型機が飛べるようにB滑走路の延伸を早めたと言っています。本来ならば、この事故を教訓にして、開港前から問題視されていた空港立地の地理・気象条件そのものを根本的に再検討しなければならないはずです。しかし、こうしたことをまったく顧みず滑走路の延伸と発着回数の増大だけを追求するのは、安全性無視もはなはだしい態度です。


いま地球温暖化をはじめ地球環境問題が重要な課題になっているとき、石油燃料を大量消費してCO2を排出し排気ガスを撒き散らす航空機をどんどん増やしてよいのでしょうか。しかも、航空会社は増便すればするほど赤字が増えるという状況に陥り、航空政策そのものの迷走ぶりが大きな問題になっています。こうした視点からも、空港の拡張・新設や滑走路の増設・延伸が問い直されるべきです


私たちは、人権・生存権、安全性、環境の観点から成田空港のB滑走路の延伸に対して重大な疑問を表明します。そして、国土交通省と成田空港会社が10月に供用を開始することを中止し、現地で暮らす住民をはじめとする当事者の意向を聞き、延伸計画そのものを再検討することを求めます。


「いま成田空港で何が起きているのかプロジェクト」(成田プロジェクト)