【報告】「軍隊/基地と女性」国際シンポ(札幌)
「軍隊/基地と女性」国際シンポ(札幌)
7月3日、「軍隊/基地と女性」国際シンポジウムが北海道クリスチャンセンターで開かれた。第一部では、各地各国の基地を巡る状況の報告が行われた。
七尾寿子さんが基調報告に続いて、各地からの報告が行われ、丹羽雅代さん(アジア女性資料センター)が女性自衛官人権裁判について報告。自衛隊に対する外からの監視の必要性を指摘した。
続いて、昨年十月に起きた岩国基地米兵による強姦事件が起きた広島とイラク派兵違憲高裁判決が出た名古屋から報告。山口響さん(ピープルズプラン研究所)は日本の軍事費について報告。日本の軍事費は年間五兆円プラス後年度負担三兆円に達すること。米国の軍事予算は国務省予算に組み込まれている分など含める。その米国を思いやり予算で支えているのが日本。
イラク、グアムの映像上映の後、高里鈴代さん(沖縄/基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表)が報告。95年少女強姦事件、2000年沖縄サミットと、基地・軍隊の現状と沖縄の運動について報告した。
ファナイ・カストロさん(グアム/チャモロネーション)は「人間には先住民族性がある。チャモロの西欧社会との出会いはマゼラン。彼らは暴力的で物を壊したり、人々を殺したりした。
日本軍からグラムを解放=再占領した米軍は、基地のためにグアムの土地を接収した。 日本とグアムの関係では“ミリツアリズム”という新語ができている。日本企業の開発は観光ホテルと軍隊のためにだけ役立っている。
日本軍(自衛隊)と米軍は共同演習で着たマリアナ諸島の島に爆弾を投下した。私たちはやってほしいといった覚えはない。新基地の建設で人口17万のグアムに55000の米軍関係者が増える。
JALの関与しているホテル建設で予定地にあったチャモロの墓地を発掘して倉庫に収めてしまった。私たちは世界の先住民族同様、先祖を敬っており、将来世代にとって重要な問題だ。先住民族の歴史・知識が失われれば、カネをつくるマシーンに取り込まれる」
高維京(コ・ユギョン)さん(韓国/在韓米軍犯罪根絶運動本部事務局長)は「平澤、群山では米軍再配置による基地拡張のための土地接収・強制移住が行われている。性暴行など中間米軍の凶悪事件が増えている。加害米兵の裁判過程ではイラク参戦の後遺症が指摘されており駐韓米軍の柔軟戦略が推進されるなら、事件は引き続き起こらざるを得ない」。さらに汚染された米軍基地が浄化されないまま一方的返還されている問題を報告した。
第2部では国際シンポジウムが行われた。
高里さんが「軍事的安全保障から女性、子どもの安全保障-真の安全保障へ」と題して基調報告を行った。基地・軍隊による女性・子どもに対する暴力の歴史について述べ、軍隊は構造的暴力と指摘。真の安全保障に向けたネットワークの皇室区を訴えた。「人権・平等の点では韓国の方が先んじている。米国に国際刑事裁判所条約を批准させなければならない」。そして、軍隊が人権と相反する存在であることを指摘した。
高さんは駐韓米軍基地による被害と問題点について報告。基地拡張、基地被害、駐留費用支援に対する運動について述べ、今後の課題として、アジア地域で米軍の活動が強化されていることに対する共同の認識と対応が必要と連帯を呼びかけた。
ファナイ・カストロさんは、スライドを上映しながら、米軍によって軍事化でグアムと破壊される先住民社会について報告した。
七尾さんはまとめとして、それぞれがそれぞれのたたかいをつなげていくことを呼びかけた。
最後に「しなやかに、したたかに、粘り強く『軍隊と基地を無くす運動』を続けていく」宣言文が出された。