【報告】2月15日 新自由主義(ネオ・リベラル)って何だ?
【報告】2月15日 グローカル座標塾第4期
第4回講座「新自由主義(ネオ・リベラル)って何だ?」
2月15日、グローカル座標塾の第4期(07年10月~08年3月)の第4回講座「新自由主義(ネオ・リベラル)って何だ?」が開かれた。
この日の講座でも、講師の白川真澄さん(ピープルズプラン研究所)がレジメをもとに講演。
まず、新自由主義が台頭してくるに至る歴史的過程として、世界恐慌に代表される「市場の失敗」とケインズ主義の登場、新自由主義の逆襲、新自由主義台頭の背景にあったグローバリゼーション、新自由主義の思想としての「自由・自立」、そして、新自由主義政策の帰結・行方について講演。
最後に、世界的にも日本でも新自由主義は明らかに行き詰っている。新自由主義と決別するために、国家に全面的に依存するケインズ主義にも戻ることなく、個人の自由・多様性と社会的連帯を結びつけるオルタナティブな社会の創造へ向かわなければならないと結んだ。
講演を受けて、休憩後、討論が行われた。
新自由主義政策の結果、労働・医療・医療・生活の場がいかに破壊されたかが、実感を持って発言された。また、推進したグローバル企業の経営者(オリックスの宮内など)たちはいかにぼろもうけし、ブレーンである学者たちが新自由主義政策を無邪気に信じていることなど新自由主義のさまざまな側面について議論され、オルタナティブとしてのトービン税・国際連帯税などが紹介された
講師の結論に対して、BRICsなど新興国の経済は新自由主義的で米国型と違わず、オルタナティブな経済モデルではない。講演の結論は楽観的過ぎるのではないかという意見が出された。
講師からは、新興国の成長は米国への輸出によって成り立ってきた。サププラムローン危機が示すように、基軸通貨ドルへの信認が最も失われた時代だ。米国にお金は行かない。米国経済が沈没しても、新興国がうまくいくのかいかないのかはまだわからない。
地産地消のもうひとつの経済のありかたが世界の危機に間に合うのかどうかのせめぎあいだと指摘した