反天皇制は「改憲」状況にどう向き合うのか―12・23討論集会 | 格差と戦争にNO!

反天皇制は「改憲」状況にどう向き合うのか―12・23討論集会




12月23日、反天皇制運動連絡会の討論集会〈反天皇制は「改憲」状況にどう向き合うか〉が東京で開かれた。集会では、天野恵一さん、鵜飼哲さん(フランス文学)、伊藤晃さん(日本近現代史)が報告。
鵜飼さんは「国民統合手段は利益誘導、ポピュリズム、排外主義の三つ。バブル後、利益誘導型は無理になった。
天皇制はポピュリズムという点でフランスなどと比べて限界がある。共和制はポピュリズムでない時はない。ポピュリズム、排外主義と天皇制は隙間が開いてきている。皇室典範改正問題を見ても何を守ろうとするのか右派の間でも隔たりがある。
安倍は改憲を革命とする復古的革新。世界的に見ると、サルコジの五月革命憎悪もそう言える。権力がイデオロギー論争を臨んできている。日本型新保守主義に見合う天皇制の形は未定だ。一木一草の天皇制は今も生きているとも、ほころびてきているとも言える」
天野さんは「記者会見を使って家族けんかしているのが天皇家。社会党左派系学者が多かった護憲派のテキストは、憲法の基本原則を三原則とした。実際は三原則+象徴天皇制主義の四原則ととらえるべき。このため、憲法学界が左から天皇制を補完する構造になったのが不幸。
自民党の改憲大綱は天皇祭祀権の復活を謳っていた。憲法問題で重要なのは戦死者問題。戦死者に感謝するイベントをずっと政府で行っている。そこで言われるのは『戦争で死んだ人は平和のために死んだ』。国家のために戦争で死んだ人は平和のために死んだのではない。このロジックと闘わないと政教分離を定める憲法二十条も意味がない。
自己決定としての民主主義が天皇制批判。その時、護憲という言葉を使うのか。護憲運動は九条が大事ならば、なぜ天皇制なのか議論をやっていくべき」