【報告】グローカル座標塾「働くということ」
11月16日
グローカル座標塾第4期
第2回「働くということ」
11月16日、グローカル座標塾の第4期(07年10月~08年3月)の第2回講座「働くということ」が開かれた。
前回の「格差と貧困の現在」に続いて、格差・貧困の原因となっている雇用・労働問題がテーマ。
この日の講座でも、講師の白川真澄さん(ピープルズプラン研究所)がレジメをもとに講演。
労働法制改悪=労働契約法が国会上程され、成立させられようとしている状況(その後成立)を踏まえて、現在の「働くということ」=雇用労働状況、働かせられ方について講演。
講演では、人間にとっての労働、マルクスの労働観、現代における労働の変質、非正規雇用・長時間労働・過労死・不払い残業が拡大・横行し、多数のワーキングプアに生み出されている現代の日本で働くつらさ、「多様な働き方」「自由な働き方」という謳い文句で進められてきた新自由主義の労働市場「改革」について講演。最後に、オルタナティブとしてのベーシック・インカム=「基本所得」について話した。
講演を受けて、休憩後、討論が行われた。
そもそも請負労働・偽装請負というのはどういう形態の労働か、直接雇用、派遣労働との違いに関する質問に始まって、交通機関などで請負労働で働いている人など受講者が直接・間接に体験する深刻な「働くこと」=非正規雇用・労働の実態について発言が相次いだ。労働契約法反対運動について報告などについて発言が続いた。
ベーシック・インカムを導入して全員に所得保障をしたら働く人がいなくなるのではないかという質問に関しては、白川さんはベーシック・インカム賛成の立場から、むしろ自分の好きなことができることが保障されることによって働く人は減らない、勉強・技術取得ための所得が補償されることが経済発展につながるという説を紹介。
むしろ、財界が年金問題で企業負担を軽減する目的で全額税方式賛成に最近転じたように、ベーシック・インカムに企業がただ乗りするのを封じ込める制度設計にしなければならないと指摘した。
次回の第3回講座は、08年1月18日(金)に「「安全」を守る」のテーマで行われる。
グローカル座標塾
http://www.winterpalace.net/zahyoujuku/