9・27 沖縄県民大会プレ集会@首都圏-大江・岩波沖縄戦裁判と教科書検定
9月27日
沖縄県民大会プレ集会@首都圏-大江・岩波沖縄戦裁判と教科書検定
9月27日、沖縄県民大会に先立ち今回の検定の根拠とされた「大江・岩波沖縄戦裁判」支援の3団体共催で「沖縄県民大会プレ集会@首都圏-大江・岩波沖縄戦裁判と教科書検定」が都内で開かれた。大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会、大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会(大阪)、沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会(沖縄)が主催した。集会には会場いっぱいの260人が集まった。
集会では山内徳信さんの連帯あいさつに続いて、小牧薫さん(支援連絡会)が大江・岩波沖縄戦裁判について経過報告。「裁判についての裁判所の呼び方は出版停止等請求訴訟。原告と文科省だけが『沖縄戦集団自決冤罪訴訟』と呼んでいる。原告弁護団には小泉チルドレンの稲田朋美がいる。小泉・安倍政権の下だから、今回の裁判は起された。今回の検定は、決して一人の教科書調査官が考えたのではない。政治介入そのものだ。
九月十日の裁判で『集団自決』の生き証人である金城重明さんは、血のにじむ思いで家族を手にかけた体験を沖縄出張法廷で証言した。最初、原告側が証人申請した宮城晴美さんも私達の証人として、軍命で集団強制死は起きたと証言した。
まもなく結審で、来年判決の予定だ。沖縄戦の真実を踏まえた判決を求める」
山口剛史さん(沖縄から平和教育をすすめる会/琉球大学准教授)はおきな派手のと運動について。
「昨年12月にすすめる会を結成。3月に検定結果が明らかになった。翌々日には抗議声明を出した。歴史歪曲を許せない。被害者を二度苦しめるものだ。
県議会代表の申し入れに対する政府の無残な仕打ちは、怒りを増幅させた。八二年の教科書問題では日本軍の住民虐殺が削除され、大きな怒りを呼んだ。軍隊そのものが抑圧する組織。これをなくすことは沖縄戦そのものの否定。
教科書から加害の記述が削除されている。歴史の事実を曲げさせない戦いを」
次に沖縄戦研究者である林博史さん(関東学院大学経済学部教授)が発言。林さんは、著書の趣旨とは全く逆に、著書の一文を日本軍関与否定の口実に使われた、今回の検定の被害者である。
「私の著書を理由に日本軍の『集団自決』への命令・強制・関与を否定する検定が行われた。住民は生きる選択はないと思いこまされた。日本軍によって、『集団自決』を強いられ、追い込まれた。
ここ何十年の沖縄戦研究から観れば、今回の検定意見はおよそナンセンス。日本軍がいなかった島では、住民は米軍に投降し助かった。日本軍がいた島では『集団自決』が起きた。日本軍の存在が決定的。
住民が投降しようと出て行くと日本軍に虐殺された。日本軍がいなければ生きるという選択ができた。住民は、形は米軍の攻撃で殺されたが、日本軍によって死を強いられたのだ。
こういう検定を許してはならない。この問題を日本人がきちんと見る契機にしよう。この力の大きさを撤回・記述復活から、もう一歩踏み込もう」