3・1朝鮮独立運動88周年 日韓連帯集会 | 格差と戦争にNO!

3・1朝鮮独立運動88周年 日韓連帯集会

 3月3日、3・1朝鮮独立運動88周年~許すな!制裁・在日コリアンへの人権侵害~今こそ対話で平和の実現を!3・3集会」が都内で開かれた。


 集会では「東北アジア情勢と平和実現への課題」と題して武藤一羊さん(ピープルズプラン研究所)が講演。


 武藤さんは「安倍政権は極右の代弁者が総理・閣僚を占めている。だが、この状況は崩壊する。

02年ブッシュ政権は先制攻撃の権利があると打ち出しし、03年イラク攻撃を始めた。

 だが、5年経ってブッシュ戦略は完全に破綻。イラク戦略は行き詰まっている。ブッシュは正当化のための新しい論理も、撤退の決断も出せない。一方、ネオコンはイラン攻撃を主張している。


 アメリカは、アジアでは北朝鮮に対して、銀行口座を凍結し核攻撃も辞さないという瀬戸際戦略をとった。対抗して、北が核実験を行った。ブッシュ政権は、中間選挙敗北による国内基盤喪失と二箇所で戦争する余力はないため、ネオコンが主張してきた北朝鮮体制変更路線を貫徹することができない。


 米戦略の世界的な破綻の結果、6カ国協議が再開されることになった。これは私たちにとって、利用しうる状況。安倍政権は完全に蚊帳の外だ。

 最近出されたアーミテージリポート2を作った連中は、クリントン外交を担った人脈でネオコンではない。その彼らも日米の軍事一体化を進め、『米日同盟がアジアを正しくさせる』としている。


 安倍はポピュリストで、拉致問題を利用しているが、解決する気はない。近代の悪=侵略を合理化するのが安倍政権。安倍は極右だが、自分からの正統性の根拠を公然と言うことができない「弱い政権」。米日韓の政権全てが、正統化言説の崩壊・動揺、正統化言説なしでの政策強行、大衆からの孤立、反対勢力の無原則性(若しくは反動性)という点で共通している。


 アメリカに頼るのではない民衆側の正統性が必要だ。政権側の建前の破綻と正統化原理なしの政策の強行に対して、この亀裂を利用し、民衆側が国境を越えた正統性を形成し、共同で立ち向かう時期が到来した。



東アジア民衆で新しい正統性・方向性を確保していくことが問われている。アメリカを撤退させて自分たちで自主的な東アジアの秩序を作り出す。一国では見えないビジョンを作っていく。米「帝国」の支配を世界的連帯で突き崩し、民衆の側の正統性を作っていく」


 東海林路得子さん(VAWW―NETジャパン共同代表)が、勝訴したNHK番組改ざん問題裁判控訴審判決について報告。

 平和・国際教育で不当解雇され、都教委と闘っている増田都子さん(元九段中学校教諭)とノレの会が処分された経緯を扱った寸劇。ノレの会が韓国民衆歌謡を披露。


 韓国の市民・社会団体から集会へのメッセージの商会に続いて、在日への弾圧実態のビデオを上映。

 金東鶴さん(NPO法人同胞法律・生活センター)が「在日コリアンへの人権侵害・弾圧実態」について講演。


 「朝鮮総連関係者への家宅捜索が相次いでいる。昨年11月からでも10の事件で強制捜査が行われた。

これらの事件では、微罪にも関わらず、大規模な強制捜査を行っている。全くのこじつけ、こじつけでガサ入れしており、不起訴率が高い。


061127日薬事法違反でガサ入れされた事件は、在日朝鮮人のおばあさんが北朝鮮に帰国した息子を訪ねる際に数ヶ月の滞在を考えて携行していた自分用のガンの薬と息子用の肝臓病の薬が薬事法の制限を越えていたという『事件』。


この事件でも、まず警察がマスコミにリーク。一週間前に産経が薬品入手はBC兵器のためかなどという記事掲載。更にテレビ朝日が放射能障害のための薬品入手かという報道を行った。

そして、警視庁外事課270人を動員し7箇所の家宅捜索を行った。これほど大規模な強制捜査を行ったのに、薬事法違反『容疑者』となる薬を処方した日本人医師、薬事法違反幇助『容疑者』の在日朝鮮人女性は、逮捕も送検もされていない。


漆間警察庁長官は「北朝鮮が困る事件の摘発が拉致問題を解決に近づける。そのような捜査に全力を挙げる」(118日)と、国策捜査であることを認めている。

これらの強制捜査は法の名を借りた人権侵害であり、刑事訴訟法や国際人権規約に違反している。在日朝鮮人への人権侵害は、日本の市民社会をも脅かしている」と講演。


 枝川裁判支援連絡会が都による土地取り上げに抗する枝川朝鮮学校の闘いについて報告。

 大統領選を控えた韓国の動向について宋世一さん(在日韓国民主統一連合) が報告。

 

 行動提起として「対北朝鮮制裁と在日コリアンへの人権侵害の中止と対話による戦争も核もない平和な東北アジアの実現を求める共同声明」への賛同・協力が呼びかけられた。