大阪市による長居公園テント村強制撤去に抗議を! | 格差と戦争にNO!

大阪市による長居公園テント村強制撤去に抗議を!

 昨年十二月二十七日、大阪市は長居公園のテント村に対し、強制撤去の行政代執行の手続きに入ると発表した。昨年一月三十日の大阪城公園・靭公園ではガードマン・市職員六百名と大量の警察官を動員し、全国各地からの抗議の声にもかかわらず行政代執行が強行されたが、今年もまた同じことがくり返されようとしている。


 一月五日は弁明機会付与の通知がなされ、四人の当事者が弁明書を提出した。そこには自分たちが人間として生き、生活するためにテントが必要なこと、また自分たちのことだけでなく、テントのある人にはシェルターを強制し、テントがない人は頼んでもシェルターに入れてくれないといった行政の不当性もつづられている。大阪市は当事者の切実な思いと不当性への指摘などがたくさんつづられたそれを「不当占拠を正当化するものではない」として、十五日除却命令書を交付した。期限の二十一日には毎年テント村でおこなわれている市民を交えての「大輪まつり(夏祭り)」の「冬の陣」バージョンが行われ、十数組のライブ・パフォーマンスや昨年末の大晦日もちつきでも披露されたテント村当事者と若者との共同の芝居などが催された。この日は、強制排除に反対し行政に話し合いと代替地を求めるという訴えがあらためて多くの人々が集う中でなされた。


 大阪市は、今回の代執行の理由のひとつを工事のためとしているが、今年予定されている世界陸上もその理由となっているであろうと思われる。弁明書でも、「過去に遡りオリンピック誘致、ワールドカップ前夜と、長居公園のホームレスが暮らすテントが撤去される段には、必ず説明会がなされてきました。その都度、話し合いでもって互いに譲歩し頼まれごとは引き受けてきたものです。」とある。当事者は話し合いでの解決を求めているのである。


 また、大阪市は「市民からの苦情」をもうひとつの理由に挙げているが、情報公開でわかった「撤去を望む住民の声」で文書でそこに寄せられているのは六件にすぎなった。これに対して、現在三千筆を越える代執行反対署名があり、日によっては二時間足らずで二百筆もの署名が長居公園内で市民からなされている。大阪市のいう「市民の苦情」というものがいかにも根拠が薄い。にもかかわらず、リアリティがありそうに聞こえるという野宿者に対する差別・偏見の蔓延の恐ろしさを感じる。野宿者は怖い、教育上問題などといった物言いが、実のところは若者による襲撃を助長させていることをもっと私たちは知らないといけない。


 現在テント村には七人の当事者が暮らしているが、十月以降これまでに十人の当事者が生活保護の申請をするなどしてテント村を離れた。行政は「説得に応じて自主退去した」というが、強制排除をちらつかせての、説得というより脅迫に近い強いられた選択だった。テント村を離れた今もたびたびテント村に顔出したり、連絡を取ったりして、大阪市に対する怒りの気持ちを共有しているという。


 テント村の当事者たちは自分たちの思いをこめた芝居を、強制排除にきたガードマン・市職員の前でやりたいと思っているという。どこまで成功するか・何が成功なのかはわからないが、当事者の培ってきた仲間との支えあいや若者や地域の人々とのつながりの中で代執行当日の抗議の意志表示は貫徹されるだろう。


 署名はぎりぎりまで募り続けます。以下の釜ヶ崎パトロールの会のページからダウンロードすることもできますし、連絡いただけたら郵送いたします。


http://kamapat.seesaa.net/article/29791212.html


 また、釜パトのブログには長居の仲間が大阪市に提出した「弁明書」や、「抗議文」もアップしています。「立ち退くことができない理由」を当事者の自筆で、あるいは聞き取りを通じて伝えています。ぜひごらんになってください。


要請

 みなさまにはそれぞれのスタンスから、大阪市に抗議を寄せていただくことをお願いします。また、九月二十七日にでっち上げの事前弾圧により逮捕されたうちの四人の仲間はいまだ大阪拘置所の中におり、保釈の目処も立っていない状況です。(略)


大阪市経営企画室              

06-6208-9720


大阪市ゆとりとみどり振興局        

06-6615-0614 FAX:06-6615-0659


大阪市市民局市民部 広聴相談課    

06-6208-7333 FAX:06-6206-9999


大阪府警察本部                

06-6943-1234


 よろしくお願いします。
 また、代執行当日には長居公園現地での抗議に駆けつけてください。最寄り駅は地下鉄御堂筋線「長居」3番出口、JR阪和線「長居」です。


 長居公園仲間の会では、これまでの取り組みの中で積み上げてきたたくさんの多様な人々とのつながりを、抗議行動にも生かしていきたいと考えています。うた、芝居、絵を描く、詩を読む、などなど、多様で多彩な活き活きとした表現で、強制排除への抗議を展開できたらと考えています。


 おれたちはゴミじゃない!ガードマンや市職員の前で、人間としての表現をしていきたいと思います。


長居公園仲間の会