『ダメだ!!ダメだ!!ジョンミン、何してるんだ!!』
スタジオのガラスの向こうで
プロデューサーが叫ぶ!
ジョンミンは
ヘッドフォンを外しながら
唇を噛む…
『この歌詞の意味が分からないなら、韓国語でもう一度勉強し直してくれよ!!』
プロデューサーは
机を叩く!
通訳者が間に入ろうとする…
ジョンミンは下を向いたままだ…
『今、日本でのK-POPの波に乗り遅れたら
ジョンミンの未来は無いんだ!
真剣にやれよ!!』
プロデューサーは、スタジオから出て行ってしまった…
ジョンミンは…悔しさに震えた…
『ジョンミンには少し難しい歌詞なのかも…違う曲を考えた方が…』
マネージャーがため息をつく…
『大丈夫デス!
ボク、歌ッテミセマス…!!』
『でも…叶わない恋なんて…
そんな恋…ジョンミンは経験ないだろう…』
『……』
ジョンミンは言葉を返せない
通訳者が
『マネージャーさん、ジョンミン、徹夜続きで、目が…!』
ジョンミンの顔を覗き込んで言う
『え!!
ジョンミン、目を見せて!』
『大丈夫デス!!』
『ダメだ!!真っ赤を通りすぎてる!
ひとまず、病院へ行こう!』
スタジオの前にはファンが出待ちしている…
マネージャーはファンに見つからず行ける病院を探した
スタッフの1人が
結構眼科の名医が池袋から
30分ほどで行ける所にあると教えてくれた
『よし!連絡を取ってくれ!内密に頼む!』
ジョンミンはマネージャーと案内人と共に
タクシーに乗り込んだ
ジョンミンは
タクシーの窓から
日本の夜景を見ていた…
『叶ワナイ恋…叶ワナイ恋…』
ジョンミンは
呪文の様に唱えていた…
目より胸が苦しかった…
タクシーは病院に着いた…
つづく…