小学生から高校生までの間で、勉強ができるようになるには、どうすればいいのか?大きく三つの要素が重要だと思います。

一番大事なのは、勉強時間。なんといっても勉強時間の長さは、成績に、もっとも関連する要素です。勉強時間を長くすれば、必ず成績は伸びます。

もうひとつは、集中力。だらだらやるより集中してやったほうが効果があるのは確かです。ただ、集中力の出し方は、人によって違うし、どういうタイミングで集中できるかは、大人でも難しいので、そうそう集中しなさいといっただけでは、できるものではありません。だから、これは、あまり気にしないようにしています。集中させるよりは、勉強時間を確保した方が明らかに効果が高い。(別の機会に、また書こうと思いますが、だからといって睡眠時間を削るのは愚の骨頂。今は、睡眠をきちんと取る方が明らかに効果的で、睡眠時間がちょっとでも足りないと勉強効率に大きく影響することが科学的に証明されています。「睡眠負債」という言葉を最近よく耳にするようになりました。)

もうひとつ大事なのは、勉強のやり方です。同じ時間をかけても、どう勉強するかによって、その効果は大きく変わります。いくら勉強時間を増やしたところで、勉強のやり方が間違っていれば、その効果は限定的です。勉強のやり方が正しいのと間違っているのとでは、どちらも勉強時間さえ増やせば成績はあがるけれど、その伸びはまるで違う。例えば、一生懸命10時間勉強したとしても、独自の勉強法で頑張っていたら、ちゃんと勉強法を指導してもらっている子どもの2時間の勉強にはかないません。独自に勉強している子は、徒歩で、勉強法を指導してもらっている子は、車で進んでいるようなものだからです。じゃあ、勉強法を指導してもらっている子が10時間勉強したらどうなるだろう。その結果は、目に見えています。勉強法というのは、子どもによってそれぞれ効果的な方法が、まったく違いますし、その時、その時でも違う。また、学習全体を見渡して、その子の位置づけをしなければならないので、子ども自身が自分できちんとした勉強法が出来る子はかなり希です。どうしても塾や家庭教師といった別の視点が必要になってきます。それらをうまく活用することで効果が出るのは、ある意味、当たり前です。ただ、上手く活用するというのも、なかなか難しいという問題もありますが・・・
 

日本の科学者でつくる国の特別機関「日本学術会議」は、高校で学習する「生物」について、学ぶ用語が多く、いわゆる「暗記科目」になっているとして、学ぶべき重要な用語を4分の1ほどに絞り込むよう求める指針を初めてまとめました。専門家は「暗記ではなく、考える力を養うような科目にしてもらいたい」としています。

ことし行われた大学入試センター試験では、受験科目として化学を選んだ人は延べ20万9540人、物理は延べ15万6842人だったのに対し、生物は半分以下の延べ7万4714人でした。
そこで今回の指針では、学ぶべき重要な用語を4分の1ほどの512に絞り込んで、「暗記科目」から抜け出すことを目指しています。

高校「生物」 暗記から考える科目へ 日本学術会議 | NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170927/k10011158381000.html

 

高校生物分野で習う用語を4分の1に減らす指針が出た。確かに私が生物を習っていたころと比べると、特にゲノムな知らない名前がたくさん出てくる。たぶん、一番、変わった教科が生物なのではないでしょうか。ヒトゲノムの解析が、こんなに早く終わるとは思っていなかったし、今では、1万円くらいの装置で、人のゲノムの解析はできるようになったらしい。山中先生のiPS細胞だって、私が習った頃には、一度、分化した細胞は、もう元に戻ることはないと教科書に書かれていたように記憶するから、今では、まったく逆になっている。遺伝子操作だって、私が習っていた頃は、試験管の中で遺伝子をグルグルまぜて、その一部の遺伝子が入れ替わっていることがあり、それを使って、というような世界だったのが、数年前からはクリスパーキャスを使って、もうタイプライターのように遺伝子編集ができてしまう世の中になってしまった。(クリスパーキャスも、もう古くなりつつあるらしい。)もう、デザイナーベイビーだって、やろうと思えば、できる世の中だし、世界のどこかではやられているかもしれない・・・そんな、進歩が、めちゃくちゃ早い世界なので、それに追いつこうとする教科書もたいへんだろうと思う。でも、それで生物を敬遠する子どもが増えても困る。やはり、それだけ大きな変化が起きているのは、生物の分野だし、日本人のノーベル賞だって、最近は、この分野だ。ぜひ、将来の日本を担う子ども達には生物が好きになってもらいたい。

勉強を教える、特に、家庭教師や個別教室だと、その教科に精通していなくても教えることがあります。特に大学受験の勉強を教える場合、ひととおり勉強していることですし、内容を教えるというよりは、目標とする学校に受かるための勉強には何が必要かを抽出して、それを入試までにきちんとこなせるようなスケジューリングと進行管理、また、過去の勉強の定着率を適宜確認しながら、入試本番までに、その学校に合格するだけの学力つけることがもっとも優先されるべきことになります。また、どれだけ楽して効率的に勉強できるかの方法論を、その子に合わせて見つけてあげるのが、もっとも大事な仕事だと思います。

子どもから質問を受けたとき、わからないところは、そのまま教えられたら教えますが、難しい問題については、どういう方法で教えた方がいいのか、それも考える必要があるので、いったん持ち帰らさせてもらうほうが良い場合もあります。その上で、きちんとその問題を吟味して、その子がわかりやすい効果的な教え方で次回に教えた方が、その子にとっても効果的です。特に大学受験、中学受験の対策中には、すぐに答えられない問題、そもそも解き方すらわからないといったことが多くあります。学校の先生は、知っていることを教えるのが主になりますが、入試対策を個別に教える場合は、その子、その子でレベルも違うし、解く問題も違う、やっていく方法も違うので、先生は、どちらかというとコーチのような役割を果たすことのほうが多いのです。

結局、勉強は、子供自身がやらなければならないことで、先生は、それをどう上手くできるかをサポートする仕事なのです。スポーツのアスリートのコーチが、そのアスリートより速く走れる必要はないのと同じ。そのくらい受験対策は、バリエーションに飛んでいるので、すぐに先生が質問に答えられるわけではないのです。そのところはご理解いただき、先生が質問に答えられなくてもビックリしないでください。
 

ITを使った子ども達の「学び」「教育」「遊び」などの研究をしています。
また、その成果を活かすために東京都町田市で家庭教師もしています。

このブログでは、今の学習の中で、どのようにITを活用すれば、効果的な学習ができるかについての私見を少しずつですが書いていきたいと思っています。

特に、Ankiアプリを使った暗記法が、非常に効果的だったので、その方法や効果について紹介したいと思っています。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。