Q

家庭教師をしています。

思いこみが強い子どもが増えた気がする。

自分がこうと思うと、それに固執する。

他の方法を提案してもなかならやってみない。

やっても、はじめから、できないという前提でやるからうまくいかない、

特に大学受験勉強の場合、効率的な勉強が大事.

でも、まわり道しがち.

そうすると志望校を下げることにも。

なるべく嫌なことはさせないようにしたい。

どうすれば良いのか?


O

「思いこみの強さ」や「新しい方法に対する抵抗感」がある生徒さんには、以下のようなアプローチを段階的・継続的に取り入れてみると効果的です。ポイントは、「やりたくないことを無理に押し付けず、しかし現状を少しずつ動かしていく」ことです。


1. 安心感を与える

● 否定ではなく肯定から始める
生徒さんが何か意見を述べたときに、それをいきなり否定すると“受け入れてもらえない”という気持ちになりがちです。まずは「なるほど、それも考え方のひとつだね」「その方法でやりたい気持ちはわかるよ」というように、受けとめ・肯定するところからスタートしましょう。「自分の考えをちゃんと聞いてもらえた」という安心感が、次の一歩を踏み出す土台になります。

● 小さな成功体験を積ませる
「これならできそう」と思えるくらいの、簡単な目標・ミッションを設定して取り組ませます。すぐに成果を実感できるような形にすると、「自分にもできるんだ」という肯定感につながり、新しい方法への抵抗を和らげる助けになります。

  • 例:「今日だけ、この部分の復習を5問解いてみようか」など

2. “思いこみ”をほぐすための対話

● “理由”を言葉にさせる
「自分が〇〇だと思っている理由は何か?」を会話の中で引き出し、論理的に整理してあげます。

  • 例:「どうしてその勉強法が一番だと思うの?」「今までやってきた中で良かった点は?困った点は?」
     → まずは今のやり方・主張を言語化してもらうだけでも、“頭の整理”になります。

● 比較(他のメリット・デメリット)を一緒に検討する
今のやり方以外を検討するときに、「自分が否定される」という印象を持たれないよう注意しながら、別の方法のメリット・デメリットを「一緒に」考えます。

  • ポイントは 押し付けではなく、あくまで選択肢 として提案すること。
  • 「あなたがこの別の方法を試したらどうなるだろうね」「今のやり方と比較するとどう感じる?」など、生徒さんに考えを尋ねながら進めましょう。

3. “実験”という発想を取り入れる

● 短期間の“お試し”期間を設ける
大きくやり方を変えるのは抵抗がある生徒さんには、「実験的に一週間だけやってみよう」と提案すると比較的受け入れられやすいです。

  • 「実験的にやってみて、ダメだったら戻してもOK」という形にすることで、生徒さんも納得しやすくなります。
  • “やってみた結果”を一緒に検証するプロセスを通して、成果を共有することがポイントです。

● 結果のフィードバックを一緒に振り返る
「一週間やってみてどうだった?」「前のやり方と比べてどう思う?」など、必ず最後にフィードバックを行いましょう。

  • 「点数が上がった/時間が節約できた」などポジティブな点があれば、「良かったね、この方法結構いいんじゃない?」と前向きに評価する。
  • うまくいかなかった点がある場合でも、「じゃあここをもう少し工夫してみたらどうかな?」というように改良するアプローチをすると、“失敗”を“学び”に変えやすくなります。

4. 自己効力感を高める

● 小さなゴール設定と見える化
勉強効率化には、短いスパンで成果を確認できる仕組み が有効です。例えば、1日の目標→1週間の目標→1か月の目標などを設定し、達成できたらチェックを入れて可視化する。

  • 達成感を味わいやすくなり、「自分もやればできる」という自己効力感につながります。

● 失敗体験に対する考え方を変える
思いこみが強い子ほど、「できなかった=自分はダメだ」という極端な結論に陥りやすいです。そこで、できなかった原因を「不足しているのは何か?」と要素分解し、“学習プロセスの改善”という形に切り替えます。

  • 例:「今回の解けなかった原因は、単語不足?読解スピード?演習量?」「じゃあそこを補強すれば解決しそうだね」というように具体的な解決策を示す。

5. 志望校の設定やモチベーションの再確認

● 将来のビジョンと志望校との関連づけ
大学受験の目標が「将来何を学びたいか?」と結びついているかを、改めて対話の中で整理してみましょう。

  • 目先の「苦手な勉強」よりも、「こうなりたいから頑張る」というイメージをもたせることで、多少の嫌なことでも前向きに取り組もうとする意欲が高まりやすいです。

● 志望校の情報をイメージしやすく伝える
オープンキャンパスや説明会などの情報、実際のキャンパスライフの様子(SNSや動画など)を共有することで、「ここに行ってみたい」という気持ちを膨らませます。

  • イメージがリアルになるほど、「効率的に勉強して合格を目指そう」という動機づけにつながります。

6. “嫌なことをさせない”ための工夫

● 選択肢を与えたうえで選ばせる
「嫌だからやらない」ではなく、いくつかの方法の中から「どれなら取り組めそう?」と選択させると、自発的に動きやすくなります。

  • 例:「英語のリスニングは動画学習でも、音声教材でも、会話練習でもいいよ。どれでやってみる?」

● 勉強法に“遊び心”や変化を加える

  • 友達と問題を出し合うクイズ形式
  • スマホアプリやゲーム感覚の教材を活用
  • いつもと違う場所やシチュエーションで勉強する(図書館、カフェ、自習スペースなど)

「少し変わったことにトライする」だけで意欲が上がったり、気分転換につながることがあります。


7. 信頼関係が土台

思いこみが強く、新しい方法をなかなか受け入れてくれない生徒さんほど、「この先生(家庭教師)は自分のことを理解してくれている」「押し付けてこない」という信頼感が重要です。

  • 普段の雑談や成功体験の共有など、小さなコミュニケーションの積み重ねによって安心を育む。
  • “指導者と学習者”の上下ではなく、“伴走者”として接する意識をもつ。

相手の思いこみを徐々にほぐして、効率的なやり方にも柔軟に取り組める状態にしていくためには、時間と根気が必要になる場合も多いです。そのため、「できることから、少しずつ」変化を促していくことが大切です。


まとめ

  1. まずは受けとめて肯定する
  2. 思いこみの背景を言語化させ、一緒に整理する
  3. “実験”として短期間だけ試す提案をする
  4. 小さな成功体験を積ませ、自己効力感を高める
  5. 志望校や将来のビジョンを再確認し、モチベーションを上げる
  6. 選択肢を与えて自主性を尊重し、嫌なことをなるべく避ける工夫
  7. 信頼関係の上に小さな変化を積み重ねる

嫌なことはできるだけさせず、なおかつ効率的な学習法へ導くには、「一緒に試してみようか」というスタンスが鍵になります。時間はかかるかもしれませんが、一歩ずつ思いこみをほぐしながら“自分で選んで進めている”感覚を育てていくことが大切です。


O-DR

思い込みが強く新しい勉強法を受け入れない高校生への指導法

高校生、とくに文系科目において「自分のやり方」に固執し、新しい勉強法を拒む生徒には、心理的特性を踏まえた指導アプローチが有効です。以下、心理学的背景と具体策を整理し、最後に大学受験で重要な文系科目の効率的勉強法も紹介します。無理強いではなく、生徒が自然と新しい方法を受け入れられるよう支援することが目標です。

思い込みが強くなる心理的背景とメカニズム

1. 確証バイアスと信念の固定化: 人は自分の信じることを裏付ける情報ばかり集め、矛盾する情報を無視しがちです​

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。これを確証バイアスといい、その結果、たとえ新しい有効な勉強法を示されても**信念の持続(Belief Perseverance)**によって「今までの方法で十分」と信じ続けてしまうことがあります​

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。例えば、「自分はノートまとめが一番効率が良い」と思い込んでいる生徒は、それに反するデータや先生の助言を受け入れにくくなります。

 

2. 固定マインドセット: 心理学者キャロル・ドゥエックの指摘する固定マインドセットでは、「自分の能力は変わらない」という考えが強く、新しいやり方で失敗することを恐れる傾向があります​

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自己効力感(自分はできるという感覚)が低い生徒ほど、難しい課題を避け、努力をあまり払わず、すぐ諦めやすくなることが知られています​

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。そのため、「新しい勉強法に挑戦してもうまくいかない」と感じて、最初から試そうとしない場合があります。

 

3. 過去の成功体験と慣性: 今までの勉強法である程度の成果を経験していると、その方法に固執しがちです。長年繰り返した学習習慣は無意識で労力も少なく実行できる自動化された行動になっています​

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。一方、新しい方法を身につけるには意識的な努力と時間が必要であり、そのギャップが「自分には無理だ」という思い込みを生みます​

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。特に試験前などプレッシャー下では、生徒は効果が薄いと分かっていても慣れ親しんだ方法に戻ってしまいやすいのです​

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。これにより「やっぱり新しい方法なんて意味がない」と誤った確信を深めてしまいます。

 

4. 心理的リアクタンス: 思春期の生徒は自我が芽生え、大人から強制されると反発心(心理的リアクタンス)が生まれやすくなります。無理に「この勉強法をやりなさい」と押し付けると、かえって逆効果で、口論になったり最悪勉強そのものを放棄してしまうこともあります​

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。恐怖や不安で脅したり締め付ける動機づけは小学生までしか通用しないとも指摘されており、思春期以降はむしろ勉強への嫌悪感や抵抗を強めるリスクがあります​

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以上のように、生徒が思い込みを強める背景には認知バイアスや自己効力感の低下、習慣の固定化、反発心など複合的な心理要因があります。これらを踏まえ、以下で柔軟な思考を促す方法と指導アプローチを述べます。

思考を柔軟にするための働きかけ

1. 認知行動療法的アプローチ: 認知行動療法(CBT)の考えを応用し、生徒の非合理的な思い込みに気づかせて書き換える手法です。例えば「新しい勉強法なんて意味がない」という信念に対し、「それは事実か?試した回数は十分か?」と問いかけ、客観的な視点で検証させます。行動実験として、短期間でよいので新しい勉強法を実際に試してもらい、その効果を自分で確かめさせるのも有効です。「やってみたら意外と覚えられた」「点数が少し上がった」という実感は、思い込みを和らげる強力な薬になります。小さな成功体験を積ませることで、「方法を変えれば成果が変わる」ことを本人に腑に落ちさせるのです。

2. 成功体験の重視と自己効力感の向上: 新しい方法で成功体験を積むことは、生徒の自己効力感を高め、挑戦を前向きにします。難しい方法をいきなり押し付けるのではなく、易しいステップから始めて「できた!」という感覚を持たせましょう。例えば、暗記が苦手な生徒に対しては5分間だけ新しい記憶術を試させて1つでも単語を覚えられたら称賛する、論述が苦手なら短い段落を書く練習から始めて良い点をフィードバックする、など段階的に達成を経験させます。こうした小さな成功の積み重ねは「自分にも変われる」という認識につながり、固定化した思い込みを柔らげます​

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3. ロールモデルの提示: 生徒と年齢の近い先輩や、有名な人物のエピソードを紹介してロールモデルにする方法です。「以前は勉強法にこだわって伸び悩んでいたが、あるきっかけで方法を変えて成績が向上し志望校に合格した先輩がいる」など具体例を示すと、生徒は自分にも当てはまるかもしれないと感じます。社会的学習理論において、自分に近い他者の成功を見ることは大きな動機づけになります​

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。例えば、過去に学年最下位から勉強法を改善し東京大学に合格した指導者がいるという話を聞けば、「その人にもできたなら自分も変われるかも」という希望を抱かせることができます。ロールモデルは「新しいやり方への抵抗は誰にでもあるが、乗り越えれば成果が出る」ことを生徒に納得させる助けとなります。

 

4. 成長マインドセットの醸成: 日頃の声かけや指導の中で成長マインドセット(努力により能力は伸びるという考え方)を育むようにします。例えば、生徒がミスをしたり成果が出なかったとき、「才能がないからダメなんだ」ではなく「今のやり方が合っていないだけ。別の方法を試せば伸びるよ」といったフィードバックを与えます。「頑張った過程」に注目して評価し、結果が出なくても努力を認めることで、生徒は失敗を学習の一部と捉えやすくなります。失敗や試行錯誤をポジティブに捉える安全な心理的環境を整えることで、生徒は新しいアプローチにも抵抗感が減り、柔軟に挑戦しようという意欲が高まります。

効率的な勉強法を受け入れさせる指導アプローチ

柔軟な思考を促す土壌ができたら、具体的に効率的な勉強法を試させ、抵抗なく受け入れられるよう指導します。以下のアプローチが効果的です。

1. 対話を重視し、生徒の意見を尊重する: まず生徒自身に現在の勉強法の良い点・悪い点を言語化させ、対話を通じて問題意識を共有します。頭ごなしに否定せず、生徒の話を最後まで一旦すべて聞くことで信頼関係が生まれます​

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。生徒が「このやり方でやってきたから変えたくない」と言った場合も、「どうしてそう思う?」「成績が伸び悩んでいる原因は何だと思う?」と問いかけ、一緒に考える姿勢を示します。生徒自身が「もしかして今の方法に問題があるかも…」と気づけるよう誘導することが大切です。こちらの提案は**「伴走者」**の立場で行い、押し付けがましい正論は避けましょう​

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。例えば「○○さんの努力は知っているよ。さらに伸ばすには別のやり方も試してみない?きっと今より楽に覚えられると思うよ」など、生徒のプライドを尊重しつつ提案します。

 

2. 小さな変化から始める: 抵抗の大きい生徒には部分的な変更から試させます。いきなり勉強法すべてを変えるのではなく、例えば「一日の勉強の最後の10分だけ新しい復習法をやってみよう」「週1回は別の問題集を使ってみよう」といった具合に、現在の習慣に少し付け足す形で始めます。これはスモールステップ戦略であり、生徒は心理的ハードルを低く感じます。実際に研究でも、自分の学習行動を少しずつ記録・観察し、目標設定して新しい戦略を導入・モニタリングする4段階の方法(セルフモニタリング→計画→実行→結果評価)により、学習習慣の改善に成功した事例があります​

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。まずは試行期間を設け、「合わなければ元に戻していいから」と伝えると、生徒も安心して取り組みやすくなります。

 

3. 客観的なエビデンスやデータを示す: 生徒が理屈で納得しないタイプの場合、科学的根拠や他者のデータを活用します。「実験では〇〇という勉強法で成績が上がった人が多い」「記憶の研究によれば、人は一晩で約半分以上忘れるが復習すれば忘れにくくなる​

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」など、客観的な数字やグラフを見せると効果的です。例えばエビングハウスの忘却曲線を見せて、「人間の記憶は放っておくと急速に薄れる。でも適切なタイミングで復習すれば記憶保持率が上がる​

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。だから今回提案する復習法には意味があるんだ」と説明します。論理的に理解できれば、生徒も「試してみようかな」という気持ちになりやすいものです。

 

4. 競争心やゲーム性を利用する: 生徒によっては競争心が原動力になる場合もあります。ライバルやクラスメイトとゲーム感覚で新しい勉強法を試させ、「誰が一番多く暗記できるか競争しよう」「新しいノート術で模試の記述答案がどれだけ改善するか比べてみよう」などと働きかけます。勝敗やランキングなどを取り入れると集中して取り組み、新しい手法にも前向きになります。ただし、競争がストレスになりすぎないよう留意し、公平で励まし合える雰囲気作りが重要です。うまくいけば、生徒は競争の中でいつの間にか新しい勉強法に慣れ、それを自分の武器として受け入れるようになります。

5. フィードバックと称賛を欠かさない: 新しい方法に挑戦したら、必ず教師側から丁寧なフィードバックを与えます。結果が出たときはもちろん、出なかった場合でも努力した姿勢や工夫した点を具体的に褒めてください。「前より単語テストの点が上がったね、この調子!」「今回うまくいかなかったけど、ノートの取り方を変えた工夫は素晴らしかったよ」などの称賛と励ましは、生徒の自己効力感とモチベーションを高めます​

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。フィードバックの際には生徒自身に「以前の方法と比べてどうだったか」「何が効果的だったか」を振り返らせると、気づきが深まります。第三者(他の教師やチューター)からの講評をもらうのも客観性が増し、「先生だけでなく他の大人も推奨している方法なんだ」と受け入れやすくなるでしょう。

 

実際に効果があった指導事例

セルフリフレクションを促した大学の事例: アメリカの大学で行われた学習戦略コースでは、成績不振の学生に対し自分の学習習慣を見直させる課題を与え、行動変容を促しました​

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。学生たちは自分の問題点を分析し、目標設定と計画、新しい戦略の実行とモニタリング、結果の評価という4段階のプロセスで自己改善に取り組みました​

eric.ed.gov

。その結果、多くの学生が自分に必要な変更点に気づき、学習行動を改善した報告があります。このように、生徒自身が気づき→計画→実行→検証というサイクルを回すよう指導すると、主体的に勉強法をアップデートできるようになります。

 

予備校での添削指導による論述力向上: ある予備校では、記述式・論述式答案の指導において、生徒の書いた解答を徹底的に第三者が添削し、模範解答との比較をさせました。「解答に必要なキーワードが抜けていないか」「論理の流れは妥当か」を生徒自身にチェックさせ、何が足りないかを理解させる指導です​

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。最初は我流の書き方に固執していた生徒も、点数が伸び悩む中でプロの添削を受け入れ、書き直しを経験するうちに答案作成のコツを習得しました。実際に、自分の答案とモデル答案を見比べて分析・修正するプロセスを繰り返すことで論述力が飛躍的に向上したケースがあります​

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。これは、生徒が新しい書き方(論述のテンプレートや構成法)を「身をもって学ぶ」機会となり、最終的には当初のこだわりを捨てて効率的な記述方法を受け入れた成功例です。

 

学習支援塾の段階的アプローチ: 不登校や勉強嫌いの高校生を支援するある学習塾では、「興味を引くところから始め、最後に正しい勉強法の大量実践に導く」という4階層モデルの指導をしています​

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。まず生徒の話にじっくり耳を傾け(第3階層)、信頼関係を築いた上で、好奇心を刺激する教材や活動で勉強に興味を持たせる(第4階層コツ1)ことから着手します​

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。その上で締切や目標を設定して主体的に取り組ませ(第4階層コツ2)、徐々に学習量と効率を上げていきます​

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。この過程で決して強制せず、寄り添い型で指導した結果、多くの生徒が自発的に勉強する姿勢を取り戻し、成績向上につながったと報告されています。「嫌だからやらない」生徒に対して、いきなり勉強法を叩き込むのではなく、心理面から準備を整え徐々に正しい習慣に移行させる実践例といえます。

 

大学受験に向けた文系科目の効率的勉強法

新しい勉強法への抵抗を和らげつつ、具体的に大学受験レベルで成果を出しやすい勉強法も指導しましょう。文系科目では暗記量が多く論述力も求められるため、以下のような効率的手法が有効です。

  • 効率的な暗記法: 重要事項の暗記には、繰り返し思い出す学習(想起練習)間隔を空けた復習(間隔反復)が科学的に効果的とされています​

    pnas.org

    。人は新たに覚えた内容の多くを24時間以内に忘れてしまいますが​

    shingakunet.com

    、適切なタイミングで復習することで記憶の定着率が高まり、忘却曲線の低下を緩やかにできます​

    shingakunet.com

    。具体策としては、一問一答や過去問演習で自分にクイズを出す習慣を取り入れることです。教科書を読むだけでなく、自分で問題を作って解いたり、単語カードをめくって意味を言う練習を繰り返すと良いでしょう(テスト効果の活用)。また、スモールステップ&スパイラル法として、一度に大量の範囲を詰め込むのではなく、小分けにした範囲を暗記→テスト→少し時間を置いて復習…を繰り返し、範囲を徐々に広げていきます。例えば世界史なら時代ごとに区切って暗記テストを行い、数日後にまた前回部分も含めテストする、といった方法です。こうすることで常に記憶が新しく強化され、抜け漏れを防げます​

    shingakunet.com

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    。さらに五感を使った暗記も効果的です。声に出して読む(聴覚)、図や年表を書く(視覚・運動覚)など複数の感覚を使うと記憶に残りやすいとされています​

    yozemi.ac.jp

    yozemi.ac.jp

    。自分の言葉で説明し直したり(言語化)、人に教えるように話してみるのも記憶の定着に繋がります​

    shingakunet.com

  • 論述力・記述力の向上法: 論述問題や小論文対策では書く練習フィードバックが要です。まず基本となる解答の構成力を養うため、お手本の答案を研究します。過去問集や参考書の模範解答を読み込み、なぜその解答が高得点なのかを分析させましょう。「どのキーワードが使われているか」「どんな論理展開か」「字数制限内でどう簡潔に述べているか」などを見ることで、求められる解答の形を掴めます​

    std-ie.jp

    。次に、自分でも答案を書かせ、第三者に添削してもらう or 模範解答と突き合わせて自己添削させます。特に主観が入りやすい国語の記述や小論文では、他者の視点で添削されることで客観性と言葉の洗練度が増します​

    toshintimes.com

    toshintimes.com

    。「根拠が曖昧」「論点がずれている」などの指摘を受けながら何度も書き直すプロセスが、論述力を鍛えます。加えて、語彙力と背景知識の強化も欠かせません。日頃から新聞記事や評論文、歴史の解説書などを読ませ、多角的な知識と適切な用語を蓄積させます。そうすることで文章に厚みが出て、説得力のある記述が可能になります。最後に、本番を想定して時間内に書く練習も重ねましょう。どんなに内容が良くても書き終わらなければ得点になりません。徐々に制限時間を短く設定して訓練し、スピードと構成力の両立を図ります。
  • 科目別のポイント: 文系科目と言っても、現代文・古典・英語・社会科それぞれで勉強法のコツがあります。例えば現代文では本文の根拠探しを習慣づけることが重要です。設問に答えたら必ず本文のどこに根拠があるか確認し、筋道立てて説明する練習をすると論理的読解力が高まります​

    dialo.jp

    。英語では長文読解の際に段落ごとの要旨をメモし、自分なりに和訳や要約をしてみると内容把握と表現力の向上に役立ちます。社会科(地歴公民)では年号や統計数字の丸暗記に頼りすぎず、因果関係や背景を物語のように理解する勉強をすると記憶に残りやすく記述問題にも強くなります。例えば日本史なら、「なぜその改革が必要だったのか→結果どうなったか」を自分の言葉で説明できるようにする、といった学習です。いずれの科目でも、**「理解した上で覚える」**ことを徹底すると暗記効率が上がり、応用も利くようになります​

    shingakunet.com

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まとめ:自然に新しい方法を受け入れさせるために

思い込みが強く新手法を拒む生徒には、心理的な壁を取り除き、自発的な納得を引き出すことが肝心です。押さえつけるのではなく、生徒自身が「このやり方の方が良さそうだ」「挑戦してみてもいいかな」と感じられるように仕向けます。教師は黒子に徹し、時にコーチやカウンセラーのような立場で寄り添いましょう。恐怖や不安で動かすアプローチは思春期には逆効果であり​

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、むしろ好奇心や承認欲求といった前向きな感情を刺激する方が有効です。生徒の話をよく聞き、小さな成功体験を積ませ、適切に競争心も活用しながら、新しい勉強法のメリットを実感させてください。そうすれば、生徒は「やらされている」から「自分で選んでいる」状態に変わり、新たな学習法を自然に受け入れて身につけていくでしょう。最終的には、生徒自身が柔軟な思考を獲得し、自ら効率的な勉強法を取捨選択できるようになるのが理想です。そのための根気強いサポートと環境づくりが、教師に求められる効果的指導法と言えます。生徒の可能性を信じ、伴走者として新たな一歩を後押ししていきましょう。​

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