最近、AIが急速に発達してきました。文章や画像はもちろん、授業の解説まで、自分が「こんなものを作ってほしい」と思った瞬間にサッとAIが手伝ってくれる時代です。私は「教育におけるAI活用」こそ、これからの社会を大きく変える可能性を秘めていると考えています。
たとえば、学校の授業はこれまで一律に「一人の先生が何十人もの生徒に同じペースで同じ内容を教える」スタイルが基本でした。ですが、生徒の得意・不得意は十人十色。英語が得意でも文法を体系立てて学ぶのが苦手な子、逆に“ルールとしての文法”は得意でもコミュニケーションが苦手な子――それぞれバラバラですよね。私は、ここにAIが力を発揮できると思うのです。
具体的には、たとえばZoomでの個別指導やオンライン家庭教師のレッスンを録画し、文字起こししてAIに分析させます。すると、生徒が「どの単元でつまずきやすいか」「どういう解説をすると理解しやすいか」をAIが瞬時に提案してくれる。さらに、その子専用の問題を自動生成し、個別最適化された解説まで提示してくれるのです。実際にこうした指導を試してみると、同じ60分でも圧倒的に“濃い”学習時間になります。生徒も「自分のためだけに用意された問題」だから、やる気がぐんと上がる。保護者の方からも「短い時間でここまで成果があるのか」と驚かれることが多いんです。
では、先生の役割はどうなるのでしょうか? 一見、「AIが教えてくれるなら、先生はいらないのでは?」と思うかもしれません。けれども、私はそうは思いません。むしろ“教師や教育の存在価値”がより明確になると感じています。AIが生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムや問題を作ってくれるなら、人間の先生はそこに「人としての関わり」や「新しい発想への導き」を提供すればいい。たとえば、生徒の興味や将来の夢を引き出し、その好奇心を掘り下げるような対話をしてあげる。あるいは「これから社会がどう変わるのか」「知識を得たら何ができるか」を一緒に探求する。AIにできない“0から1を生む力”や、生徒の心を動かすコミュニケーションこそ、先生が担うべき重要な役割だと思うのです。
また、そもそもなぜ私たちは「英語」や「数学」を学ぶのでしょう。これからのAI時代、翻訳や計算はあっという間にこなしてくれます。にもかかわらず、学びの意義が消えるわけではありません。知識そのものを身につけることが、未来の社会でどのように価値を発揮するのか、先生と生徒が一緒に理解を深めていくのは、とても大切だと感じます。
今の教育制度は「受験に合格する」ことが主要なゴールになりがちです。しかし、社会で本当に求められるのは、AIの助けを上手に活用しつつ、自分の頭で“次の一手”を考えられる力。まさに“イノベーションを起こす力”だといえるでしょう。学校での学び方や先生の役割は、これから変わる必要があるし、むしろその変化は楽しみでもあります。
教育とAIが手を組むと、わたしたちの学習体験は想像以上に豊かになります。私自身も、最初は「AIにできるの?」と半信半疑でしたが、実際に使ってみると成果を実感でき、ワクワクが止まりません。もちろん、AIをそのまま過信するのではなく、情報の正確性をチェックしつつ、人間だからこそ与えられる視点や情熱をうまく補い合うことが大切ですね。これからの教育は、子どもたちにとっても大人にとっても、思っている以上に新しい可能性を切り開いてくれるはずです。