小学生の頃
あの頃の女子は
恋愛のジンクスに
どっぷりハマっていた
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消しゴムに
好きな人の名前を書いて
使い切れば
両思いになれるだとか
校庭に相合傘を書いて
消されなかったら
両思いになれるだとか
根拠のないジンクスに
人生を振り回されていた気がする
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例に漏れず私も
同じクラスの田中くん(仮)と
両想いになりたいと
漠然と考えていた
きゃぴ
数あるジンクスの中で
検討に検討を重ねてゆく
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四葉のクローバーを煮るだとか
チョコに爪を混ぜるだとか
めんどくさい上に
衛生的に悪そうなものは
除外して
最終的に
消しゴムに好きな人の名前を書くことの
手軽さに落ち着いた
ただわたしは
勉強をしない子だった
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いつまでも減らない消しゴム
授業中飽きて
消しゴムに鉛筆の芯を埋める始末
おびただしい数の
鉛筆の芯が埋められ
消しゴムがドット柄になった頃
消しゴムは真っ二つになり
田中くんの名前は
真っ二つになってしまった
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正直
田中くんは呪われた
と思った
これじゃダメだと
他の方法を探してみたら
ノートの全ページに
好きな人の名前を
赤ペンで書きまくると
両想いになれるジンクスを見つけた
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少し大変だと思ったけど
すでに 消しゴムで
田中くんを呪ってしまったので
マイナスを取り返すには
努力が必要だった
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その日から何度も
田中くんの名前を書き続けた
めちゃくちゃ時間がかかったし
この作業をしてる間に
爪を整えるなり
髪型を整えるなり
穴あき靴下を
どうにかしたほうが
よかったんじゃないかと
ずっと考えが巡っていた
描き続けてく中で
赤ペンのインクが
全く減らないことに感心して
いつまで使えるのかばかり
考えていた
正直
田中くんの事は全然考えてなかった
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数日かけて
ノート1冊書き終えた時
やり切った達成感と
時間を無駄にした罪悪感で
田中くんと両想いになるとか
どうでも良くなってた
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オカルトにもハマっていたわたしは
ガラケーのフィルタリングを
かいくぐり
怖い話の掲示板を見るのが好きだった
ジンクスというのは
怖い話界隈にも沢山あって
ある1つの投稿に目を奪われた
赤いペンでノートいっぱいに
嫌いな人の名前を書くと
呪うことができます
田中くんは呪われた