和名:コルクガシ
英名:Cork Oak
学名:Quercus suber
分布:地中海西部沿岸・アフリカ北部・ヨーロッパ南西部。
樹高:20m 直径:1.5m 常緑高木
地中海地方西部の丘陵に自生する。日本では1879年(明治12年)に、日本に来たポルトガル船によって導入され、3本が神奈川県横浜市・元街小学校に植栽されたのが最初である。本州(関東南部以西)・四国・九州の太平洋沿岸の暖地に僅かに植栽される。
葉は葉身7cm。長楕円形で鋸歯があり、裏には毛が生えている。地中海性気候地域では冬に一定の雨が降るが、夏は雨が少ない。小さくて硬い葉は乾燥への適応と考えられており、このような樹種を硬葉樹という。硬葉樹には他に、オリーブやユーカリなどがある。日本の瀬戸内海沿岸地域は降水量が少なく、乾燥するという点で地中海性気候と類似している。この地域で多く見られるウバメガシを、硬葉樹の一種とする見方もある。
堅果は大形で細長く、長さ3~4cm。殻斗は鱗片状で反り返る。堅果は食用となり、炒ってコーヒーの代用とする。また、ヒツジ・七面鳥・ブタの飼料に利用される。
樹皮は灰色で、コルク質が厚い。種小名のsuberはコルクの意味である。コルクは火事から木を守るために進化してきたもので樹皮は燃えにくく、防火・断熱効果がある。ポルトガルやスペインではコルク生産用として栽培され、樹皮の形成層を残して外層を剥ぎ取る。剥ぎ取った跡は暗赤色である。樹皮は剥がしても徐々に再生し、生きている組織を傷めることはない。樹齢25年ほどでコルクが採取できるようになり、9~12年周期で厚さ4~5cmのコルクが採れる。1本の木から10回ほどコルクが採取される。
幹は通直せず、低い所から枝分かれする。寿命は約250年である。葉はウバメガシ、幹はアベマキに似た印象がある。日本では植物園、農業試験場・研究所、ワイナリー、コルク会社などに植栽された場所がある。
神奈川県横浜市中区・元街小学校のコルクガシ。1879年(明治12年)に3本が当地に植栽されたが、2本は枯死し、現存はこの1本のみである。気候が合わないのか、日本では枯れてしまうことも多い。樹高11m・幹周1.8m・枝張り16.5m・樹齢約150年である。
【変種】
・学名:var.occidentalis
半落葉性の変種。耐寒性があり、栽培されるコルクガシの大部分はこの変種である。
【交雑種】
・ヒスパニカナラ 学名:Quercus×hispanica
コルクガシとトルコナラの天然種間雑種。ヨーロッパ南西部に分布する落葉高木で、樹高30mになる。‘Lucombeana’が最もよく普及した品種である。




