見附市のナラガシワと柏崎市のカシワを訪ねました。
【見附市・耳取遺跡周辺】
耳取遺跡にナラガシワがあると知って訪ねました。見附駅東口にある無料レンタサイクル(24時間利用可能)を利用して訪ねました。
ナラガシワは小面積ではありますが、水田に接した林縁で優占種になっていました!成木から若木まで見られました。
ナラガシワはコナラやミズナラよりも陽樹的性格が強いようで、林縁に生えていることが多いです。
見附駅に戻ろうとしたところ、小丹生神社でナラガシワを4本発見しました!周囲は水田になっていますが、神社が鎮座する場所だけ伐採を免れ、沖積低地の原植生であるナラガシワが残されてきたものと思われます。
境内にはキハダの大木もありました!キハダはブナ帯で見ることはありますが、ここまでの大木は私は初めて見ました!樹皮はコルク質です。
さらに、西蓮寺にもナラガシワが1本ありました!幹が太いです。このナラガシワも自然植生の名残かもしれません。
【柏崎市・宮川神社】
宮川神社の最寄り駅は西山駅ですが、電車の本数が非常に少ないです。バスは平日のみ運行していますが、昼の運行はありません。非常にアクセスが悪い場所ですが、柏崎駅から徒歩12分のマエカワ自転車(営業時間10~18時、月曜日定休)にレンタサイクルがあったので、これを利用することにしました。
この社叢は、海岸から約1km離れた標高100mの山の南西斜面にある面積5.4haほどの森林です。境内入口の林縁にカシワが沢山生えています! しかも、ナラガシワも混生していました!
林縁ではカシワが優占種・ナラガシワが第二優占種となり、コナラ・クリ・オニグルミ・ホオノキ・ヤマグワ・ケヤキ・エノキ・イタヤカエデ・ネムノキ・ニガキ?・モミなどが混生していました。境内中央部はシロダモが優占する照葉樹林で、スギも多いです。ミズナラは見られませんでした。
ナラガシワ。カシワは海岸・火山・原野、ナラガシワは川沿いに生えるイメージがあるので、両者の混生は意外でした!交雑種であるチョウセンコナラも出現するかもしれません。
巨大な葉をつけたカシワ。葉身30cmくらいありました。
宮川神社反対側の日本海沿いには、カシワが海岸林を形成していました!
柏崎という地名も、カシワに由来するそうです。
カシワは樹高20mくらいまで育ちますが、海岸では強風のため低木状です。
カシワの海岸林は、日本海沿岸の冬季季節風を受ける北西向き斜面に成立するそうです。太平洋沿岸ではウバメガシが海岸林を形成します。
稲荷神社の周辺には、まとまったカシワ林が残っていました!一部、クロマツも混ざりますが、純林に近いです。カシワ海岸林は現在、急速に減少していますが、宮川神社や稲荷神社のカシワ林は、鎮守の森として守られてきたのでしょう。やはり、神社には自然植生が残っていることが多いです。
帰りに、柏崎刈羽原発の南の道路沿いでナラガシワの成木を1本発見しました!富山・石川県ではナラガシワは少ないそうですが、新潟県では珍しくないのでしょうか?
また、柏崎市では荒浜にもカシワが分布すると文献に書かれていましたが、クロマツばかりで見つかりませんでした。
珍しいナラガシワと初めて見るカシワ海岸林に大興奮しました!