群馬県富岡市の神成山(富岡アルプス)のフモトミズナラを見に行きました。ここもフモトミズナラの観察で何度も訪ねている山です。神農原駅~南蛇井駅を結ぶコースで、3時間20分以上あれば十分に観察できると思います。今回は神農原駅から南蛇井駅へ歩きました。


見晴台姫天狗からの眺め。フモトミズナラ・コナラ・アカマツ・リョウブ・ツツジ類などが混生しています。岩盤が剥き出しになっており、土壌は浅いです。足尾山地や東海の自生地よりも林の構成種が少ないです。
神成山のフモトミズナラは、樹皮がミズナラに似ています(2020年8月29日撮影)。痩せ尾根に生えているフモトミズナラは樹高が低いですが、土壌のある場所では樹高15~20mくらいに育っています。
群馬県桐生市吾妻山のフモトミズナラの樹皮(2018年6月8日撮影)。通常、フモトミズナラの樹皮はコナラに似ています。足尾山地と神成山の個体群は利根川を挟んでやや隔離分布になっているため、遺伝的な違いがあるのかもしれません。
崖や斜面ではアラカシも混ざりますが、痩せ尾根では足尾山地と同様にフモトミズナラが土地的極相のようです。
神成山から南側の眺め。田畑が広がる光景が美しく、時々電車の音が聞こえます。 
崖にはフモトミズナラが沢山生えています。
神成山は大部分が天然林です。 
北関東特有の葉の切れ込みが深い個体。よく見ると二重鋸歯になっています。

昨年9月に訪ねた時はカシナガ被害が見られましたが、現時点では枯死木はありませんでした!しかし、北関東でもナラ枯れは拡大している上に、夏以降になると症状が現れるようになるため、枝葉が枯れていない光景が見られるのは今夏までになるかもしれません。
 
上信電鉄沿線では高崎市観音山丘陵~吉井、富岡市大塩湖周辺、下仁田町浅間山~中小坂などにもフモトミズナラが分布しているそうです。上州富岡駅・上州一ノ宮駅には無料レンタサイクルがあるそうなので、大塩湖周辺や群馬県立自然史博物館にも行ってみたいです。