茨城県笠間市の吾国山(標高518.2m)に市指定天然記念物のブナ林があると知ったので訪ねました。

アクセスは、福原駅から吾国山山頂まで徒歩約1時間40分です。以下に笠間市と笠間観光協会公式ホームページのリンクを貼ります。

 

 

笠間市は栗の栽培面積と経営体数が日本一です。福原駅から暫くは、栗畑の中を歩きました。

 

やがて植林地帯に入り、その後、コナラが優占する二次林になりました。シラカシの若木が混生していたので、潜在自然植生はシラカシ林です。

 

ブナ林は、標高400~500m付近の北側斜面にあります。規模は35959平方メートルです。

いきなり巨木が現れました!枝にはヤドリギが寄生していました。
筑波山のブナ林よりも大木が多いです。また、筑波山と違って林床にササがありませんでした。
茨城県の低山とは思えない光景です。地面には沢山の実が落ちていたため、昨秋は豊作だったようです。
太平洋型ブナ林としては優占度が高いです。ブナの密度が高いため、健全種子率(受粉成功率)も高いのではないかと思います。しかし、積雪が全くないため、ブナの種子は乾燥死してしまうのではないかと思います。
このブナも見事な巨木です。目通り幹囲3m以上のものが10本あるそうです。樹名板もつけられています。
枝を横に広げたブナの巨木。存在感があります。
山頂からの眺め。山頂には田上神社があり、高尾山や筑波山と同様に社寺林として保護されてきたようです。やはり、人工林や二次林に転換されなければ、太平洋側でも低山にブナがあったのではないかと思います。山頂より先にもブナは少数ありましたが、ここではササが生えていました。今回はここで折り返しましたが、この先の難台山にも数本のブナがあるそうです。
市指定文化財の石碑。植生はブナが優占し、コナラ・アカガシ・イヌシデ・アカシデ・ホオノキ・カスミザクラ?・オオモミジ・ヤマボウシ・ハリギリ・スギ・イヌガヤなどが混生していました。イヌブナ・ミズナラは見られませんでした。暖温帯上部~冷温帯下部といったところでしょうか。茨城県では他に、八溝山・花園山・奥久慈男体山・加波山にもブナがあるそうです。
 
福原駅~吾国山の往復でも約3時間10分と、手軽にブナが観察できて良い山でした!新緑の時期や、秋の栗の時期にも来てみたいと思います。