静岡県御前崎市の比木賀茂神社を訪ねました。社叢は県指定天然記念物になっていて、以前から気になっていた場所です。

<アクセス>
菊川駅または掛川駅から浜岡営業所行きバスに乗り、終点下車。浜岡営業所から比木経由・御前崎海洋センター行きバスに乗り、勝佐下車。バスの本数が非常に少ないので、浜岡営業所からタクシーを利用しても良いと思います。
 
比木賀茂神社は、奈良時代の和銅元年(西暦708年)に、京都の上加茂神社から勧請されたと伝えられています。社叢は、鎮守の森として700~800年以上も自然のまま大切に保護されてきたことから、極相林になっていて古代のこの付近の林相を示しています。
本殿南東にあるイチイガシ。イチイガシにしては大粒のどんぐりが少数落ちていました。
御神木のスダジイと天然記念物の説明板。
本殿西側のイチイガシ。樹高20m・幹径75cmくらいの大木です。本殿裏手には散策路があり、林内を一周できました。
本殿東側のイチイガシ。イチイガシにしては珍しく、幹が曲がっています。イチイガシは成木が計3本ありました。
植生はスダジイを優占種として、アラカシ・イチイガシ・ウラジロガシ・アカガシ・ウバメガシ・ヤマモモ・タブノキ・クスノキ・オガタマノキ・ホルトノキ・ヤマビワ・ルリミノキ・ミミズバイ・タイミンタチバナ・トキワガキ・イヌマキなどが混生していました。イチイガシは内陸の低地に生育することが多いので、当地はかなり海岸寄りの生育地になると思います。
植生区分は、ミミズバイ-スダジイ群集(ホルトノキ亜群集)や、ルリミノキ-イチイガシ群集に位置づけられています。ルリミノキ-イチイガシ群集は、東海地方以西のミミズバイ-スダジイ群集分布地に接した沖積地や山足部に認められるそうです。
 
大木が多く、しかも樹名板がついているので、樹木観察に適していました。今年はイチイガシのどんぐりが少ないので、来年以降また訪ねてみようと思います。