ハナガガシを見に、宮崎・大分県を訪ねました。まずは大分県佐伯市の2箇所の天然記念物を訪ねました。

 

【堅田郷(かたたごう)八幡社のハナガガシ林】

社叢全体が「城八幡社の自然林」として県指定天然記念物になった後、ハナガガシが生育する西側斜面が「堅田郷八幡社のハナガガシ林」として国指定天然記念物になりました。
ハナガガシを近くで観察できるのは西側参道沿いのみでした。ブナ科はハナガガシの他に、アラカシ・イチイガシ・コジイ・スダジイ・シリブカガシ(若木)がありました。イチイガシは鳥居付近に1本あるのみで、植栽起源ではないかと思いました。ハナガガシは豊作でしたが、タイミングが少し遅かったようでした。ここでは11月下旬~12月が落果最盛期かもしれません。
 
【八坂神社のハナガガシ林】
県指定天然記念物です。本殿裏手にハナガガシ林がありますが、林の中に立ち入ることはできませんでした。八坂神社ではハナガガシが樹林の約70%を占め、幼木もかなり見られるそうです。高木層はハナガガシ・ツクバネガシ・コジイ、亜高木層はクロキ・ヤマビワ・ヤブツバキ、低木層はミサオノキ・ツルコウジなどで構成されています(「森林ネットおおいた 大分県の名樹 2019年」より)。
 
現存するかは不明ですが大分県では他に、弥生町植松(現:佐伯市弥生大字大坂本)の愛宕神社、日出町藤原の牧峯神社(分布の北限)でもハナガガシの記録があるそうです。