山梨県の鶴寝山~大マテイ山のブナ林に行きました。鶴寝山・大マテイ山は三頭山に比べると知名度は低いですが、ブナ・イヌブナ・ミズナラ・クリの大木が多く、見応えがあります。

「岡田真次・近藤博史・磯谷達宏 山梨県松姫峠付近における太平洋型ブナ林の立地と更新 国士舘大学地理学報告No.27 2019年」によると、松姫峠~大マテイ山ではブナが更新順調とのことです。何回も来ている山ですが、今回はブナの更新に着目しながら歩いてみました。
 
松姫峠~鶴寝山は二次林ですが、幹径5~10cm程度のブナ若木も多数見られました。鶴寝山を過ぎて巨樹の道に入ると、大木が増えます。
幹径80cmくらいのブナの大木。
幹径30cm程度のブナ。
左の個体から順に、幹径25cm・15cm・15cm程度でした。
幹径8cm程度のブナの若木。
ブナの大木が3本並ぶ場所。この辺りは東京都の水道水源林になっています(2021年10月撮影)。
幹径40cm程度のブナ。比較的若いブナは樹皮に苔が少なく、滑らかです。
山沢入りのヌタ~大マテイ山間にあるブナの大木。幹径90cm・樹高25mくらいあり、鶴寝山~大マテイ山で最大と思われる個体です(2019年5月撮影)。
この個体もかなりの大木です。
大マテイ山北にあるブナの大木。
 
松姫峠~大マテイ山の尾根ではブナ・イヌブナ・ミズナラ・クリを優占種として、ウダイカンバ・クマシデ・ホオノキ・オオヤマザクラ?・ミヤマザクラ?・ナツツバキ・オオモミジ・ハウチワカエデ・コハウチワカエデ・ヒナウチワカエデ・オオイタヤメイゲツ・エンコウカエデ・ウリカエデ・ウリハダカエデ・カジカエデ・ヒトツバカエデ・ヤマボウシ・マンサク・ハリギリ・ツガなどの樹種が見られました。
ブナは、大木から幹径5~10cm程度の若木まで見られました。しかし、林床に稚樹が殆ど見られない点は三頭山と同じで、素人の私には三頭山と同程度の更新具合に見えました。やはり、日本海型ブナ林に比べると稚樹は圧倒的に少ないです。ブナは寿命が200~300年なので、暫くはブナの優占状態は変わらないと思いますが、今後若木が増えるのか気になるところです。