2022年11月21日掲載
2024年8月5日改訂・再掲載
10月30日に、青梅市の御岳山(標高929m)にイヌブナを見に行きました。
今春、高尾山ではイヌブナが開花したそうで、豊作年かもしれないと期待したためです。高尾山では近年では2011年、2018年が豊作年でした。
国指定天然記念物の「御岳の神代ケヤキ」。幹囲8.2mあります。
長尾平から見た奥の院(写真右上)。長尾平にはモミが多かったです。高尾山(標高599m)よりも標高が高いため、ミズナラも多いです。
天狗の腰掛け杉。ここから綾広の滝にかけて、モミ・イヌブナ・ミズナラが優占する林が広がります。ミズナラは豊作で、沢山のどんぐりが落ちていました!
綾広の滝。ロックガーデンにはブナ科樹木は殆どありませんでした。
武蔵御岳神社裏手の神苑の森。不伐の地として古来より守られてきた自然林です。モミ・ツガ・イヌブナ・ミズナラ・シデ類・イタヤカエデ・ホオノキ・ケヤキ・トチノキなどが混生しています。ブナの若木も1本ありました。規模はあまり大きくありませんが、典型的な中間温帯林が残る場所として貴重です。ミズナラはナラ枯れも見られました。
御岳山は東京では有名な山ですが、人工林が多いため植生観察には向かず、私にとってはあまり面白い山ではありません。高水三山も同様です。
イヌブナの実は幾つか落ちていたものの、私が見つけた限りでは全てシイナや虫害種子で、健全種子は全く見つかりませんでした。開花したからといって必ずしも豊作になるわけではないようです。今年の玉原高原のブナもそうでした。
11月19日には高尾山にもイヌブナを見に行きましたが、結実状況は御岳山と同様でした。イヌブナは中々どんぐりを拾える機会がなさそうです。
【2024年8月】
夏の御岳山といえばレンゲショウマ!キンポウゲ科の多年草で、太平洋側の山地に生えます。御岳山には5万株ほどが群生しており、日本随一の規模と言われています。
夏の神代ケヤキ。
今まで気づきませんでしたが、長尾平にブナが1本ありました!沢山の実をつけていましたが、今年は豊作なのでしょうか?奥の院にもブナが1本ありました。
夏の神苑の森。2年前よりもミズナラのナラ枯れが拡大しており、殆どのミズナラが枯死していました。