【要約】

・往時の首里城は、沖縄在来のイヌマキ(チャーギ)とオキナワウラジロガシが主要樹種であったと推定される。

・前回(1992年)の復元時は材の調達に苦労し、宮崎や鹿児島から僅かに入手できたイヌマキ4本とオキナワウラジロガシ6本を使用した。

・今回の復元では、首里城正殿の小屋丸太梁にオキナワウラジロガシを6本使用。イヌマキは長崎県産で向拝柱に4本使用。正殿の大部分は国産ヒノキを使用。

・国頭村で1本・石垣市で5本のオキナワウラジロガシが、2021年11月~2022年2月の間に伐採される。

・オキナワウラジロガシの伐採跡地には、後継木となる30cm程度のオキナワウラジロガシの苗木を植栽。

・沖縄本島の北部地域では、オキナワウラジロガシの植栽を1994年度から約3ha行っており、約2000本以上(2021年4月時点)の樹木が生育しており、継続して保育管理を行っていく。

 

オキナワウラジロガシは生長が遅いうえに、種子散布を重力と水流に委ねているため、一度皆伐された林で再生することは殆どありません。沖縄本島では皆伐のため激減していると聞きます。

最初はオキナワウラジロガシの伐採に疑念を抱きましたが、伐採後に後継木を植栽すると聞いて少し安堵しました。火災が起きなければ伐採されることはなかったという点では、無念な気持ちは残りますが…。