相模原市緑区(旧津久井郡城山町)に樹木観察に行きました。城山地区には樹木観察に良い場所が幾つかあります。

 

まずは小倉諏訪神社。アクセスは橋本駅からバスで諏訪の森下車ですが、本数が少ないので私は久保沢から歩きました。

鳥居の両側にスダジイの巨木があります。

鳥居を見上げると、スダジイの枝葉が鬱蒼と茂っています。

御神木のスダジイは「かながわの名木百選」に選ばれています。昭和59年の選定時には、樹高25m、胸高周囲6.2m、推定樹齢約600年とされています。

境内にはスダジイ、アラカシ、カゴノキ、コナラ、イヌシデ、ケヤキ、ヤマザクラ、モミなどがありました。カゴノキは植樹された若木もありました。 狭い境内ではあるものの、自然植生が見られて良い感じです。

 

次は「小倉の大カゴノキ」です。新小倉橋の相模川右岸にあります。

小倉の大カゴノキも「かながわの名木百選」に選ばれています。樹高20m、胸高周囲3.2m、推定樹齢約300年です。関東では珍しい樹種なので、テンションが上がります。

太い枝の分かれ目に、シュロが生育しています。

鹿の子模様の樹皮が特徴的なので、成木であれば簡単に識別できます。

葉も近くで観察できました。タブノキより小形の葉で裏は白いです。当年枝はタブノキと違って黒いです。

反対側の歩道から撮影した写真です。逆光になるので、電柱の影から撮影しました。

 

新小倉橋から見た相模川です。川沿いの急斜面に生えている常緑樹はアラカシです。アラカシは岩場でも生育できるイメージがあります。

 

最後に、川尻八幡宮に行きます。

写真のスダジイは推定樹齢500年以上とのことです。反対側にウラジロガシが合体しています。午後だと逆光になるので、撮影は午前がおすすめです。

また、社殿右裏には津久井の名木に選ばれたホソバタブ(アオガシ)がありますが…。

本当にホソバタブ?

葉と樹皮を見る限り、ツクバネガシでは!?

ホソバタブの分布は東海地方以西ということもあるので、ツクバネガシでしょう。ツクバネガシ・オオツクバネガシ・アカガシが混同されることはよくありますが、ホソバタブと誤認されるとは…。ツクバネガシは関東にも分布しますが、認知度が低いような気がします。

境内はスダジイが優占種で、アラカシ、ウラジロガシ、ツクバネガシ、クスノキ、シロダモ、イヌシデ、ホオノキ、ケヤキ、ヤマザクラ、ミズキ、ヒサカキ、ハリギリ、モミなどが生育しています。スダジイの巨木が多数あり、自然林も残っているため天然記念物に指定しても良いんじゃないかと思います(旧城山町保存樹林にはなっています)。

 

城山地区には他にも、日本最大のウラジロガシである「城山のウラジロガシ」や、ナラガシワ自生地(3本のみ)もあるので、樹木観察には良い場所です。