神奈川県相模原市緑区中沢のナラガシワ自生地に行きました。

橋本駅北口からバスに乗り、都井沢で下車。高速道路に沿って北西へ向かいます。

途中には、日本最大のウラジロガシである「城山のウラジロガシ(相模原市指定天然記念物)」があります。

写真は2017年撮影のものです。

 

城山のウラジロガシからさらに高速道路に沿って北西へ向かうと、沢に降りられる場所があり、沢沿いにナラガシワが生えています。

 

沢の下流側のナラガシワ。この個体は今までアオナラガシワだと思っていましたが、裏が白い葉が落ちていたので、普通のナラガシワだったようです。普通のナラガシワでも、日影の枝やひこばえにつく葉は裏が緑色です。この個体はナラガシワにしては葉が小形で、鋸歯も浅いです。

 

沢沿いを下流側へ向かったところ、新たにナラガシワを1本発見しました。しかし、シイナが多く、まともなどんぐりは見つかりませんでした。

 

沢の上流側のナラガシワです(写真右上)。どうやら中沢には3本のナラガシワがあるようです。しかし、私はこの後、異変に気付きました!

なんと、枝が折れているのです!先日の台風で折れたのでしょう。希少な樹種なだけに、非常に残念です。

 

沢のさらに上流にも行ってみましたが、ナラガシワはありませんでした。周囲は殆どがスギの植林帯です。前述の3本のナラガシワは沢沿いの急傾斜地に生えていたため、人工林化する際に幸運にも伐採を免れたのでしょう。

神奈川県では他に、大和市下和田町上ノ原、足柄上郡山北町山神峠でもナラガシワの記録があるようです。「大和市の植物」という文献によると、大和市のナラガシワは段丘斜面の林縁に1本だけあるそうです。関東ではナラガシワは分布するといっても、このように少数が稀に見られる程度で、東京都八王子市小田野中央公園のような群落は特殊な例なのでしょう。

 

中沢ではどんぐりが拾えなかったため、小田野中央公園を再訪しました。

今回は北浅川左岸(北側)でどんぐりを採集しました。

細長くて大きいどんぐりで、長さは約3.5cmもあります。京都・大阪では丸くて毛の生えたどんぐりもありましたが、小田野中央公園にはありません。

また、チョウセンコナラ(ナラガシワ×カシワ)を新たに2本発見しました。

花柱と殻斗の鱗片が長いです。葉は1本はカシワの葉柄を長くしたような形で、もう1本はナラガシワと殆ど同じ形をしていました。同じ雑種でも、個体によってかなりの変異があります。

 

東京では奥多摩町日原にもナラガシワがあるとの情報があります。詳細な場所はわかりませんが、非常に気になります。