5月4日・5日に、岐阜県・愛知県の計3箇所のヒトツバタゴ自生地を訪れた。

 

【5月4日】

まずは岐阜県土岐市白山神社(国指定天然記念物)。

土岐市のホームページによると、境内には5本のヒトツバタゴが自生しているようだ。

写真の株立ちの個体が最も大きかったが、木全体を写すことはできなかった。

白山神社には樹齢1000年のハナノキの老木もあったが、2007年に枯死したという。

境内には他に、アベマキ、ツクバネガシ、アラカシが生育していた。

愛知県・岐阜県の丘陵地ではツクバネガシ・アラカシ・ツブラジイが極相林、アベマキ・コナラ・フモトミズナラが二次林を構成するようである。

東京ではシラカシ・スダジイが極相林、クヌギ・コナラが二次林の主要構成種なので、関東と東海では植生が大きく異なる。

 

土岐市駅から中央本線で釜戸駅に向かい、瑞浪市釜戸町のヒトツバタゴ(国指定天然記念物)を見に行った。

樹齢150年以上といわれるヒトツバタゴがあり、根元からは清らかな湧水が湧いていた。

瑞浪市のホームページによると、天然記念物指定区域内には3本のヒトツバタゴが自生しているようだ。

他にも数本のヒトツバタゴがあったが、これらは植栽されたものなのかもしれない。

 

【5月5日】

愛知県犬山市のヒトツバタゴ自生地(国指定天然記念物)を訪れた。

7本の自生株があり、樹齢200~300年、樹高15~18mといわれている。

犬山の自生地が、東海地方では最も有名なのではなかろうか?

ヒトツバタゴは、尾張(愛知県)の本草学者である水谷豊文(1779~1833年)によって、江戸時代末にこの地で発見されたという。

近くではヒトツバタゴの苗木も販売されていた。

 

今年は暖かいため、ヒトツバタゴの開花が2週間ほど早く、名古屋市内の街路樹は既に散っていた。

ところで、私は愛知県のヒトツバタゴ自生地は犬山市だけだと思っていたが、「瀬戸の名木(1997年・瀬戸市教育委員会)」によると、瀬戸市下半田川町にも1株(雄株)の自生株があるらしい。しかし、雄株が1株あるだけでは繁殖できないので、現存の自生株が寿命を迎えれば、瀬戸市でも絶滅ということになるだろう。

岐阜県中津川市の自生地にもいつか行ってみたい。