東京の葛西臨海公園にはアラカシが多数植栽されているのだが、その中にアマミアラカシと思われる個体が幾つか紛れている。

私が葛西臨海公園のアマミアラカシ?に気づいたのは2015年2月、同園にニホンズイセンを見に来た時のことであった。

 

アマミアラカシはアラカシの琉球固有変種で、葉は基本種のアラカシよりも細長く、縦に二つ折りになり、どんぐりは大粒で細長いという特徴がある。

そこで、今回は通常のアラカシ、アマミアラカシ、葛西臨海公園の個体を比較して検証したいと思う。

 

まずは通常のアラカシ。

葉。葛西臨海公園にて。

どんぐり。東京都世田谷八幡にて採集。

 

続いて、アマミアラカシ。

葉。高い枝につく葉は縦に二つ折りになっていた(1枚目)。沖縄県宜野座村漢那ヨリアゲの森にて。

葉。高知県牧野植物園にて。

どんぐり。漢那ヨリアゲの森にて。

 

そして、葛西臨海公園の個体。

葉。通常のアラカシよりも細長い。

高い枝につく葉は縦に二つ折りになっている。

葛西臨海公園の個体の葉。左は通常のアラカシ、中・右はアマミアラカシと思われる個体である。

どんぐり。細長くて大きい。写真は過去のもので、今年は乾燥して割れたどんぐりばかりだった。

 

葛西臨海公園の個体は、葉はアマミアラカシと同じように見える。

どんぐりは沖縄で見たアマミアラカシの方が細長いが、個体差の域なのかもしれない。しかし、アラカシの変種にホソミノアラカシというものもあるようなので、その可能性も否定できない。

葛西臨海公園の個体がアマミアラカシである可能性は80%くらいだろうか?

奄美・沖縄地方にお住まいの方、葛西臨海公園の個体についてコメント頂けると嬉しいです!

 

葛西臨海公園の個体がアマミアラカシであるとしたら、琉球地方から苗木が持ち込まれたことになる。

同園にはスダジイも多く植栽されており、これらも琉球地方から一緒に持ち込まれたのならオキナワジイなのかもしれない。オキナワジイはスダジイよりもどんぐりがやや大粒で丸みを帯びるという。同園のスダジイのどんぐりは未確認なので、秋に検証してみたい。