2017年10月15日掲載

2022年10月6日改訂・再掲載


和名:コナラ(小楢)

別名:ナラ、ナラシバ、ハハソ、ホウソ、ホソ

学名:Quercus serrata

分布:北海道(十勝・日高以南)・本州・四国・九州(種子島が南限)。朝鮮・中国。

樹高:15~20m 直径:60cm 落葉高木 陽樹

 

低地~山地帯下部の二次林に生える。クヌギ・アベマキ・クリ・アカマツなどと混生し、雑木林で優占種になる。本来は山地のやや乾燥した土地に生えるが、各地に植林された。現在のコナラ林の殆どは二次林で、天然林は東北地方の太平洋側などに僅かに残る程度である。

 

葉は葉身6~15cm、葉柄0.5~2cm。鋸歯は浅いが、先端は鋭い。葉は上半分が幅広だが、変異が大きい。葉裏は灰緑色。

ナラの語源は「鳴る」であるとされ、風で葉がふれあい、音を出すことに由来する。コナラの名は、葉がミズナラより小形であることに由来する。

 

花。4~5月に開花する。

 

どんぐり。堅果は細長く、長さ2~2.5cm。10月に熟し、2~3年周期で豊凶を繰り返す。

 

樹皮は灰褐色で、縦に割れ目が入る。樹液が出やすく、カブトムシ・クワガタムシ・スズメバチなどが集まる。萌芽力旺盛で、生長は早い。材はシイタケ栽培の原木に用いる。

 

樹形。薪炭利用のために萌芽更新されてきたため、株立ちの個体も多い。東京都では2019年以降、ナラ枯れの拡大で大木は激減している。ナラ枯れについては、以下の記事を参照されたい。


【変種】

テリハコナラ 学名:Quercus serrata var. donarium

葉は厚く光沢があり、基本種より小形で鋸歯が鋭く、幅が狭い。本州・四国・九州(対馬を含む)・朝鮮に分布する。

テリハコナラと思われる個体。変異は連続的と感じる。