2017年5月29日掲載
2024年9月17日改訂・再掲載
英名:Common Beech
学名:Fagus sylvatica
別名:セイヨウブナ、ビーチ
分布:ヨーロッパ・イギリス諸島からロシア
樹高:45m 直径:2m 落葉高木
スウェーデン南部以南のヨーロッパ全域とトルコに分布し、石灰質土壌の森林に自生する。「森の母」とも呼ばれ、ヨーロッパの落葉広葉樹林を代表する樹種である。種小名の「sylvatica」は「森の」という意味である。
日本では植物園などに植栽される他、苗木が流通することもある。
葉は長さ6~10cm。日本のブナよりも丸みを帯びる。秋に黄葉する。
花は5月に開花し、果実は9~10月に熟す。
果実は長さ2.5cmで、殻斗の中に2個の堅果を含む。果実は油を搾って灯油、ブタの飼料に利用された。
樹皮は灰色で、割れ目はない。
材は建築材・家具材に利用される。刈り込みに強いため、生垣に使われることもある。
写真は東京都昭和記念公園で撮影したもの。同園のヨーロッパブナは、1985年にオーストリアのウィーンから寄贈されたものである。
【園芸品種】
・ムラサキブナ
葉が濃い赤紫色の園芸品種。
他にも園芸品種は多く存在し、葉が深く切れ込むもの、黄金色のもの、束になってつくもの、大形で幅広のもの、丸いものなどがある。枝垂れ性の品種もある。
【交雑種】
・ヨーロッパブナ×コーカサスブナ
ヨーロッパブナとコーカサスブナの雑種で、バルカン半島で見られる。