広島 4 - 1 福岡
寿人
柴崎 浩司
航平 柏
アオ カズ
ミズ 野上 シオ
卓人
前半、今シーズン一番の試合だった。
全員の気持ちが前に向かっていて、でも落ち着いていて、ワンタッチで繋がるパス。繋がらなくとも意図のあるパス。ひさしぶりのサンフレらしいサッカー。
ただ純粋に楽しかった。
その楽しいサッカーを作り出していたのは、紛れもなく浩司なんだ。
引退うんぬんではなく、森崎浩司というサッカー選手が体現してきたサッカーが、ひいてはサンフレッチェのサッカーが、ただただ楽しかったんだ。
浩司は前半から飛ばしに飛ばして、最高のプレーを魅せてくれた。
やっぱり浩司はシャドーのマエストロ。シャドーの選手たちには浩司のすべてをお手本にしてほしい。
周り(特にカズ)がわかりやすく浩司に点を取らせようとしていたなか先制ゴールを奪ったのは、後輩の今季最高クロスをさすがの駆け引きで仕留めたエース。
現状寿人へのクロスは航平が一番かもしれないね。
我らがエースは浩司に捧げるゴール、さすがですね。
迎えた33分。誰もが期待した、けれども起こるはずがないとも思ったことが現実となった。
シオのパスは、覚えていない。
らしい動きから浩司がボールを持った。
少しモタついたけどまだある。
心で打て!!と念じながら、思わず浩司と叫んだ。
両手を突き上げて立ち上がった。
が、すぐに口元を押さえた。
感動で言葉が出なかった。
感動がスタジアムを包んでいた。
歓声とコールが鳴り止まなかった。
あれだけ期待されて、明らかにそれがわかっていて、しっかり期待に応える。
やっぱり浩司はすごいよ。
後半に入って7分が経過した頃、盟友寿人と共に浩司はピッチを退いた。
「ぽいちさん早いよ。」そう言ったけれど、
前半から飛ばしに飛ばした浩司はきっともう限界だったのだろう。
あんなプレーを魅せられると「もっとできるんじゃないか。」そう思うけど、
やり切った。悔いはない。
浩司がそう言ったから、これでいいとも思うんだ。
二人が退いてから選手もサポーターも明らかにテンションが下がって、福岡ペースの時間帯。
私はというと下がっていく浩司と寿人ばかりが気になって試合をほぼ放棄した←
カズがやる気をなくしたところだけはバッチリ見ていたが(笑)
城後に素晴らしいゴールを決められて目が覚めたか、その後ロペスの初ゴール含む2ゴールで結果4-1。
浩司の引退試合を勝利で飾ることができた。
*
引退試合は、みんなができるものではない。
しかも公式の引退試合でゴールするなんて、とても簡単にできることではない。
それを本当にやってのけてしまうから、浩司は浩司なんだよね。
今までもたくさん奇跡のようなことを起こしてきた浩司らしい最後だったのかもしれない。
やっぱり、持ってるね。
寿人、カズ、浩司がスタメンで、サンフレらしい面白いサッカーをして、最後に寿人と浩司のゴールが見られるなんて、こんな幸せはない。
選手のみんな、ありがとう。このメンバーでやらせてくれた監督、ありがとうございます。
そして引退セレモニー。
辛い闘病のこと、家族のこと、カズのこと、夢。
寮長寮母さんやユース時代からの盟友駒野からの花束贈呈。
浩司もそうだったけど、みんなが泣いていた。
真面目で、仲間想いで、でもお茶目な浩司らしい素敵なセレモニーだった。
私の想いは中野さんが素晴らしい文章にしてくれたから、それで充分です。
今私から浩司へ言える言葉はたったひとつ。
ただただ、
ありがとう。