シエルたちが戻ってくると、アグニは一瞬で殺されてしまっていた。そして、ソーマは錯乱してシエルに向かって殴りかかってきた。「だから言ったでしょう、僕に関わらないでって…ッ!!」とシエルは言った。シエルは復讐が起きることを予測していたのかもしれない。アグニをサリヴァンの元へ届け、再び屋敷に戻ると、使用人たちは混乱していた。
その時、階段から「ただいま」と言いながら、なんと死んだはずのシエルの兄・本物のシエルが帰ってきたのだ。本物のシエルだと兄シエルは主張し、弟シエルはもう一人の双子だと真実を明かす。この事実を知っていたのは、使用人の中でセバスチャンとタナカのみだった。
そして、双子が生まれてからファントムハイヴ家の事件が起きるまでの過去が明かされる。兄シエルは優しい性格で社交的な人だったが、弟シエルは病弱で内向的な性格だった。しかし、2人はとても仲良く育てられた。そして、双子の10歳の誕生日である12月14日に、ファントムハイヴ家の皆殺し事件が起きた。双子は誘拐され、売られてしまった。悪魔を呼び出す儀式の生け贄として使われたのは兄シエルだった。弟シエルは非常に悲しみと怒りを感じ、兄シエルを嫌悪した。すると、そこに現れたのは悪魔だった。それがセバスチャンだ。弟シエルは兄シエルを生け贄にしたことで悪魔と契約し、兄シエルの姿を借りて生きることを決めた。
血を採取していたことが弟シエルによって明らかにされた。警察が到着すると、兄シエルによって犯人は弟だと嘘をつかれてしまい、弟シエルは追われる身となった。劉の助けを借りて、弟シエルは警察から身を隠すが、兄シエルを許せない気持ちで「シエル・ファントムハイヴ伯爵」という名前を取り戻すことを誓った。兄シエルが生きていくためには、自分に合う血が必要だった。そのため、血を採取する場所を断つことを優先し、2人は4つの班に分かれて怪しい場所に潜入調査を開始した。
