思いつくまま、運命学に関するあれこれ
透派十代王文澤が残したという子平推命の秘伝です。一部を紹介します。忌財受制亡羊補牢(ぼうようほろう) 命中の財干が忌神で、行運から制されたら、この年は思わぬ手 抜かりから金儲けに失敗するが、それが良い教訓となって、そ の後同じ失敗を繰り返さなくなる。 問題が発生した後でも、それを反省し対策を講ずれば役に立 つし、そうすべきであるということ。羊が逃げたあとで、その 囲いを修繕する意から。 出典は、『戦国策』楚策(そさく) 戦国時代の楚の襄王の家臣荘辛は諫言により、遠ざけられた。 後に、襄王は秦に攻められ荘辛のもとへ逃げ、対策を求めたが、 その時の出だしの言葉 「見兎而顧犬未為晚也 亡羊而補牢未為遲也 兎にまみゆに 犬を顧みる、未だ晚しとせず。羊を亡いて、牢を補ふ未だ遲し とせず。」 兎を見つけて、犬のことを思い出したとしても、まだ手遅れで はありません、羊が逃げて、檻を補修してもそれでも遅くない のです。 9月より月1回5000円にて授業を開始します。 興味のある方は、ブログ「陽政道の五術的日常」をご覧ください。
透派奇門遁甲の秘伝です。一部を紹介します。熒惑入白格・陰宅九日絶句禁苑秋來爽氣多昆明風動起滄波中流簫鼓誠堪賞詎假橫汾發棹歌宮廷の庭にも秋が訪れてさわやかな気分に多く恵まれました。(城の)昆明池に風が吹き大きな波が立っています。池に浮かべた船から聞こえてくる笛太鼓の音は素晴らしく、何で横に流れる汾河で(民間人によって)歌われる舟歌を許すことができましょうか。この詩は、俺の方が偉いんだという傲慢な態度を示しているわけです。民間人が舟歌を歌ってお祝いしているのに、宮廷の池でどんちゃかどんちゃか音を鳴らしているわけです。つまり、強引で、無理強いで、押し込んだ側は加害者意識がないけれど、やられた方は非常に迷惑で、この格を使うと、何か知らない間に他人に危害を加えてないか気を付けないといけないわけです。知らず知らずのうちに、自分はそうしているつもりではないかもしれないが、人に迷惑を与えているかもしれない。だから、気配り、今でいうと空気を読むということが大事で、そうしないと、知らないうちに恨みを買って、いつか復讐されて、酷い目に遇わされるということが出てくるわけです。自分でもそういう事は考えれば注意できるわけですから、常に、何か自分は人に対して痛い目に遭わせていないかということをよくよく注意していきなさいよということです。遁甲40格についての注意点が、七言絶句の詩で書かれています。9月より月1回5000円にて授業を開始します。興味のある方は、ブログ「陽政道の五術的日常」をご覧ください。
盟友:陽政道氏から、新規科目開講の連絡をいただきました。こちらのブログでも、宣伝してくれとの事なので、転載いたします。詳細は、氏のブログ「陽政道の五術的日常」をご覧になって、pxi15106@nifty.ne.jpへお問い合わせください。**************************************2024年9月開始の新授業の内容についてお知らせします。今年もオンライン教室は、原則第3日曜日に行います。都合の合わない方は、音声データでの配布(通信)もご利用ください。1.紫薇26秘星科と紫薇家訓科(AM10:30~11:30) 前半は、香草社でやっていた「紫薇二十六秘星の象意とその活用法」を、後半は「紫薇家訓科」をやります。そう頻繁には行われなかった授業ですので、未受講の方もいらっしゃると思います。 2年分の授業が1年で受けれる内容となっています。内容は、そんなに難しくはありませんが、上級クラスとなりますので、紫微斗数が初めての方は、拙著「紫微斗数推命術・初等科篇高等科篇」をお読みになったうえで受講ください。2.子平流年象意大秘伝と子平悟真歌(13:15~14:15) 前半は、張耀文師の講義録から子平の流年象意の見方をやります。 命中の六親の喜忌と行運の作用について、7文字で纏められた秘伝です。 例えば、忌奴受扶孤恩負徳:命中の奴干が忌神で、行運から強められていたら、こ の年は部下に裏切られたり、陥れられたりするので注意しなければならない。 後半は、王文澤が残した、干関係に関するテキスト「子平悟真歌」をやります。 「甲甲は両木 林に成るべく、三木は森に成り 月の中に尋ねよ」 いずれも、子平の強弱・格局・喜忌を理解した方向けの授業になります。3.遁甲秘伝・薫徳賦科(14:30~15:30) 講義は、張耀文師が晩年になるまで、誰にも教えないと言っていたという透派にお ける遁甲の最大秘伝です。 構成としては、格局ごとに陰宅(墓相・印相)として七言絶句が一詩、陽宅(家 相・名相)として、一詩、それぞれに注釈がついています。 奇門四十格の秘伝書ではありますが、内容は理解しやすいものとなっています。 作盤・方位の使用方法等基本的な事は理解できている前提の授業となっています。 初心者の方は、拙著「奇門遁甲方位術」をご理解の上、受講ください。4.現代断易実践科2(15:45~16:45) 本年も引き続き現代断易の実占例を見ていきます。 現代断易が初めての方は、別途個人授業となりますのでご相談ください。いずれも、上級コース(1科目5000円)となります。もう少し初歩の内容からという方は、お問い合わせください。
さて、最終回です。 1.四課三伝と人相の十二宮の関係 一課を顔の中心ライン(額・印堂・顎の縦ライン) 二課を一課の両横のライン(眉・目・顴骨・頬の縦ライン) 三課を更に両外側 四課を最外側(耳のライン)とします。 初伝を上停、中伝を中停、末伝を下停とします。 表にすると、人相の十二宮は下記の通り、配置されます。 一課 二課 三課 四課 ************************************* 初伝(上停) 官禄 父母 福徳 中伝(中停) 命宮 兄弟・田宅 夫妻 財帛 男女・奴僕 疾厄 末伝(下停) 遷移 2.占断 占う事柄を十二宮に割り当てて判断します。 例えば、「取引の儲けの如何」は、財帛宮を見て判断します。上図で言うと、一課と 中伝にあたりますから、中伝と一課の十二支関係を見て判断します。 十二支関係は、刑冲破害会合生剋比和等で見ますが、詳細は一般六壬書を参照ください。 ざっと、まとめてみると、以下の通りとなります。 占的 占断 父母の事 初伝と二課の関係を見て吉凶を判断する。 兄弟の事 中伝と二課 友人の事 中伝と二課 配偶者の事 中伝と三課 子女の事 中伝と二課 求財 中伝と一課 疾厄 中伝と三課 裁判 初伝と一課 完
いよいよ占卜に入ります。 金面で占卜を行う場合は、六壬の四課三伝を作成します。 通常の占卜としての六壬は、以下の順で四課三伝を決めます。 (詳細は一般の六壬書をお読みください) ①日干支を求める ②月将支を求める ③時支を求める ④月将支と時支から天地盤を求める ⑤日干から寄宮支を求める ⑥寄宮支と天地盤から一課・二課を求める。 ⑦日支と天地盤から三課・四課を求める ⑧四課から三伝を求める。 ⑨占時支から昼貴人・夜貴人の区別を求める ⑩夜昼貴人の別と日干から貴人位置(貴人となる十二支)を定める ⑪天地盤と貴人の十二支から順貴人か逆貴人かを求める ⑫各十二支に十二天将を割り振る 金面における占卜の四課三伝は以下の通りとなります。 ①日干支の代わりに時干支を用います。 ②~④は欠 ⑤時干から寄宮支を求める ⑥~⑧は後回しです。 ⑨男性は昼貴人、女性は夜貴人とする。 ⑩夜昼貴人の別と時干から貴人位置(貴人となる十二支)を定める ⑪男性は、時干が陽干なら順貴人、陰干なら逆貴人とする。 女性は、時干が陰干なら順貴人、陽干なら逆貴人とする。 ⑫各十二支に十二天将を割り振り、金面のタイプの十二支を求める ⑬⑫の十二支を一課の十二支とします。(つまり干上神がタイプの十二 天将となる) これで天地盤の関係を逆算して、二課~四課、三伝も求めます。 なお、今回は書きませんが、占時干支を生年干支に読み替えて、四課三伝 と十二宮を作成し、人相の部位判断に加えて、理気の判断をするというのもあり ます。 行運判断などは、細かく見ることができます。興味のある方は、古書店で「金面 玉掌(香草社刊)」を入手してみてください。 次回に続く
⑩玄武と決まった場合 ・貴人的破れ 気品がありすぎる、目の光が清らかな感じ ・騰蛇的破れ 目が一点を凝視する、頬の肉が多くない ・朱雀的破れ 声が濁らない、目が濁らない ・六合的破れ 近づきやすい親しい感じ、押しが強くない感じ ・勾陳的破れ 顔に滑稽味がある、目の大きさが不足、目の動きが速すぎる ・青龍的破れ あまり太っていない、背が高すぎる ・天空的破れ 太らない、目が宙に浮く、皮膚がカサカサする、声が濁らず高い ・白虎的破れ 体があまりにも小柄、頬がこける ・太常的破れ 恐い感じがしない、目が大きくない ・太陰的破れ 太らない、淋しそうな顔 ・天后的破れ ネチネチした感じ、脂肪の塊のような不潔感 ⑪太陰と決まった場合 ・貴人的破れ 気品がありすぎる、貴族的な感じ ・騰蛇的破れ 目が鋭い、鼻や口が整っていない ・朱雀的破れ 派手な感じ、冷たい感じ ・六合的破れ 柔らかすぎる感じ、下唇がゆるい ・勾陳的破れ しまりのない感じ、面白い感じ、淋しさに欠ける ・青龍的破れ 声に哀調がうすい、体が丈夫すぎる ・天空的破れ 体が弱々しい、目が宙に浮いてうつろ ・白虎的破れ 体に弾力がありすぎる、体が丸すぎる ・太常的破れ 愛想が良すぎる、体が柔らかすぎる ・玄武的破れ 太りすぎる、顔が恐すぎる、体が大きすぎる ・天后的破れ 下三白眼になる、色っぽすぎる ⑫天后と決まった場合 ・貴人的破れ 色気がなさすぎる、品が良すぎる ・騰蛇的破れ 目が鋭すぎる、異性にとって可愛さが不足 ・朱雀的破れ 冷たさを感じる、唇の形が良すぎる ・六合的破れ 性的魅力が淡すぎる、色気がなさすぎる ・勾陳的破れ 目鼻や口が整っていない、目の動きが速すぎる ・青龍的破れ 女らしさが足りない、体が丈夫な感じ ・天空的破れ 体の柔らかさが足りない、目が宙に浮く ・白虎的破れ 声が重すぎるか太すぎる、体に弾力と丸みが多すぎる ・太常的破れ 中性的、頬に肉がつきすぎる ・玄武的破れ 媚びが足りない、体が大きすぎる ・太陰的破れ 淋しい表情、体つきが硬すぎる 次回に続く
⑦天空と決まった場合 ・貴人的破れ 中肉中背に近づく、目があまり上を向かない ・騰蛇的破れ 目の焦点が明確過ぎる、目に水含む、痩せない ・朱雀的破れ 声が高くない、中肉中背に近い体 ・六合的破れ 下唇がゆるい、臥蚕がふくらむ ・勾陳的破れ 動作が速すぎる、目が動きやすい ・青龍的破れ 弱々しさが不足、目があまり虚ろに見えない ・白虎的破れ 体に弾力的な丸みを感じる、皮膚にカサカサ感なし ・太常的破れ 目が小さすぎる、あまり痩せていない ・玄武的破れ 太り気味、目の焦点が明確過ぎる、目が左右に動く、皮膚にカサカサなし ・太陰的破れ 体の弱々しさが足りない、老けて見える ・天后的破れ 体が柔らかそうに見える、不潔感 ⑧白虎と決まった場合 ・貴人的破れ 体の弾力的な丸みが不足、異性的意識が弱い ・騰蛇的破れ 背が高すぎる、目の光が鋭すぎる ・朱雀的破れ 冷たい感じ、額が奇麗すぎる ・六合的破れ 異性的魅力が弱すぎる、老けて見える ・勾陳的破れ 異性的魅力に欠ける、滑稽味を帯びる ・青龍的破れ 体がごつごつした感じ、老けて見える ・天空的破れ 体に弾力と丸みが欠ける、皮膚カサカサする ・太常的破れ 顴骨が低い、頬がふくらむ ・玄武的破れ 体があまりにも大柄、目が恐い ・太陰的破れ 骨が細すぎる、痩身、老けて見える ・天后的破れ 不潔感、媚びが多すぎる ⑨太常と決まった場合 ・貴人的破れ 目鼻が整いすぎる、気品がありすぎる ・騰蛇的破れ 目がきつい、親しみにくい感じ ・朱雀的破れ 派手な感じ、飾り気有、勿体ぶった感じ ・六合的破れ 中性度が薄い、体が大きすぎる ・勾陳的破れ 滑稽味が滲み出る、目鼻や表情に顕著な欠点 ・青龍的破れ 厳しさを感じる、非庶民的 ・天空的破れ 目が大きすぎる、痩せている ・白虎的破れ 顴骨が高い、頬がこける、頽廃的 ・玄武的破れ こわい感じ、目が大きい ・太陰的破れ 無愛想、愁いを含んで淋しげ、体が硬い感じ ・天后的破れ 下唇がいつも濡れている感じ、媚びが多い 次回に続く
金面相法 第7回 ④六合と決まった場合 ・貴人的破れ 気品があり過ぎる、貴族的な感じ、距離感 ・騰蛇的破れ 目がやや鋭い、親和性が足りない ・朱雀的破れ ずばりものを言う、お節介さが足りない ・勾陳的破れ 話し方がはやい、動作がいそがしい ・青龍的破れ 柔らかみが欠ける、ぎこちなさ ・天空的破れ 上目使いになる、目の焦点がぼやける ・白虎的破れ 体が弾力に富む感じ、頽廃的な感じ ・太常的破れ 中性的な感じ、太る ・玄武的破れ 優しさが足りない、体が大きい ・太陰的破れ 淋しい感じ、きりっとした感じ ・天后的破れ 不潔感がある、媚びが多すぎる ⑤勾陳と決まった場合 ・貴人的破れ しまりがある感じ、気品が滲む ・騰蛇的破れ 目が大きい、目が動かない ・朱雀的破れ 滑稽さが足りない、目にやや滑らかさがある ・六合的破れ 話し方が遅い。動作がゆっくりしている ・青龍的破れ 少し威厳がある、苦味走った感じ ・天空的破れ 目玉の動きが少ない、あまり動作が早くない ・白虎的破れ 性的魅力が少しある、声が重い、声がかすれる ・太常的破れ 目と口が正常、言行におかしさが少ない ・玄武的破れ 顔がちょっと恐い、目が大きい、目玉の動きが大きくて遅い ・太陰的破れ 淋しげな感じ、しまりのある感じ ・天后的破れ 顔が整っている、不潔感 ⑥青龍と決まった場合 ・貴人的破れ 表情に厳しさが不足、意志の強さが足りない漢字 ・騰蛇的破れ 体の強さが不足、若すぎたり老けすぎて見える ・朱雀的破れ 冷たさを感じる、カラ元気で内実は不安な感じ ・六合的破れ 堅さが足りない、あまりにも順応的 ・勾陳的破れ 威厳に欠ける、頼りなげな感じ ・天空的破れ 体格の頑丈さが不足、目がややうつろ気味 ・白虎的破れ 若く見える、体に弾力的な丸みを感じる ・太常的破れ 庶民的、平凡的な感じ ・玄武的破れ 体が太りすぎる、目が大きすぎる ・太陰的破れ 動作がきびきびしない、寂寥感、声に哀調 ・天后的破れ 男らしさが不足、体の頑丈さに欠ける 次回に続く
金面相法 第6回 結果的に決まったタイプについて、どれだけ破れがあるかを見ていきます。 破れが多い程、人相としては貴でないということになります。 ①貴人タイプと決まった場合 ・騰蛇的破れ 目に鋭さ、目に水を含む、目がじっと凝視 ・朱雀的破れ 冷たさを感じる、慈しみの感じが薄い ・六合的破れ 下唇がゆるい、いつも微笑んでいる感じ ・勾陳的破れ ソワソワした感じ、動作が軽すぎて多すぎる ・青龍的破れ 表情が厳しい、決断の強さ感じる ・天空的破れ 目がうつろ、痩せている、やや上向きの表情 ・白虎的破れ 体に丸み多い、異性的意識を強く感じる ・太常的破れ 気品が目立たない、気軽な感じ ・玄武的破れ 太っている、目が大きく、目玉の動きが遅い ・太陰的破れ 淋しげなところがある、田舎くさい ・天后的破れ 異性的不潔感、色っぽい ②騰蛇と決まった場合 ・貴人的破れ 目の鋭さが欠ける、体の動きがきれい ・朱雀的破れ 目の熱っぽさが弱い、落ち着きがありすぎる ・六合的破れ 優しさがある、微笑みの表情を何時もする ・勾陳的破れ 目が小さい、目に鋭さがない ・青龍的破れ 体ががっしりする、中年的に見える、実務家らしい ・天空的破れ 目が宙に浮く、痩せている ・白虎的破れ 異性にもてる感じ、体に丸みがある ・太常的破れ 太っている、目の鋭さが足りない ・玄武的破れ 太っている、声が濁る ・太陰的破れ 淋しそうな表情、目鼻が整いすぎる ・天后的破れ 瞳が上向きになる、玩具的な感じ、可愛がられる感じ ③朱雀と決まった場合 ・貴人的破れ 目に冷たさが足りない、慈しみのある感じ ・騰蛇的破れ 熱っぽい目、目と各部の均整がとれていない ・六合的破れ 親切な感じ、くどい感じ ・勾陳的破れ 滑稽味がある、知性的に欠ける感じ ・青龍的破れ 冷たさが足りない、堅実すぎる感じ、老けた感 ・天空的破れ 声が甲高い、顔全体が上向き ・白虎的破れ 動作の中に異性に対する誘惑力あり、知性度に欠ける ・太常的破れ 一見平凡、気儘で勿体ぶった感じなし、飾り気なし ・玄武的破れ 体が大きい、目に清らかさを欠く ・太陰的破れ 田舎くさい、古めかしい ・天后的破れ 知性度が足りない、色っぽさが滲み出る 次回に続く
金面相法 第5回 前回の4グループです。 ①木局三合 生:亥:勾陳 旺:卯:太常 墓:未:貴人 ②火局三合 生:寅:白虎 旺:午:天后 墓:戌:六合 ③金局三合 生:巳:太陰 旺:酉:朱雀 墓:丑:天空 ④水局三合 生:申:騰蛇 旺:子:青龍 墓:辰:玄武 まず、次の4タイプに強引に分けます。(三合の旺の支) ①太常 平凡桃 平凡、やさしい、慈しみがある、親しやすさ ②天后 艶与妖 色気がある、性的魅力の強いタイプ ③朱雀 秀清格 賢そう、奇麗 ④青龍 沈与定 しっかりしている。落ち着いた、恐い感じ、威厳、声に重みといったタイプで す。 選んだタイプを含むグループから、タイプを絞り込みます。 同一グループの中で、剋の関係になっているタイプ同士は分けやすいとされてい ます。 1.木局三合 貴人と勾陳、太常と貴人は剋の関係で分けやすい。勾陳と太常は分けにく い。 貴人と勾陳:貴人はしまりがある。勾陳はしまりがない。 太常と貴人:貴人は貴族的感じ。太常は庶民的感じ 勾陳と太常:勾陳は目鼻口に静的動的欠点。太常は鼻の他に欠点なし。 2.火局三合 白虎と天后:白虎はべっとりした嫌らしさなし。天后はあり。 天后と六合:六合は女らしさに不潔感なし。天后はあり。 六合と白虎:六合は悠長な魅力。白虎は強烈な魅力。 3.金局三合 太陰と朱雀:太陰は隠遁的古典的知性。朱雀は都会的現代的知性。 朱雀と天空:朱雀:声はやや低い。天空は声が甲高い。 太陰と天空:天空は体が弱々しそう。太陰は弱々しく見えない。 4.水局三合 騰蛇と青龍:騰蛇は小柄。青龍は大柄。 青龍と玄武:青龍は縦に長い。玄武は横に長い。 玄武と騰蛇:騰蛇は目が動かない。玄武は左右にゆっくるギョロリと動く。 次回に続く
金面相法 第4回 十二天将のタイプ別特徴を述べてきました。 ノートでは、この後、区別するためのタイプの共通点やら、相違点が のべられています。 例えば、 ・目に特徴のあるタイプ・・・騰蛇、六合、勾陳、太陰、天后 ・目に特徴がないタイプ・・・忌神、朱雀、青龍、太常 ・慈しみのある感じ・・・貴人、六合 ・慈しみが絶対ない・・・騰蛇、玄武、天后 というのが、種々長く続きます。 しかし、この区別に使った観点が、破れだったりすると堂々巡りになります。 決め手に欠けるというのが、正直な感想です。 別の師には、勝ち負け表でトーナメント方式で判断する方法も習いましたが、 これも、判定に困るものでした(私の未熟さは棚に置いといて・・・) 一番使えそうなのは、十二支法という方法です。 (正式には、「十二天将旺剋墓法」というらしいです。) まず、十二天将を十二支に配分します。 貴人:未、騰蛇:申、朱雀:酉、六合:戌、勾陳:亥、青龍:子、 天空:丑、白虎:寅、太常:卯、玄武:辰、太陰:巳、天后:午 冲のなっている十二支のタイプは、共通点の無いタイプです。 三合になっている十二支のタイプは似ている部分が多い。 そこで、これを三合会局を使って、4グループに分けます。 ①木局三合(亥卯未) 生:亥:勾陳 旺:卯:太常 墓:未:貴人 ②火局三合(寅午戌) 生:寅:白虎 旺:午:天后 墓:戌:六合 ③金局三合(巳酉丑) 生:巳:太陰 旺:酉:朱雀 墓:丑:天空 ④水局三合(申子辰) 生:申:騰蛇 旺:子:青龍 墓:辰:玄武 次回に続く
金面相法 第3回 9.太常・・・平凡が特徴 ①頬がこけない ②平民的で、ぶらない ③優しい感じ ④山根が低い ⑤実際的・現実的な感じ ⑥鼻先が丸い ⑦俗っぽい ⑧小鼻に肉が多い ⑨表情に変化が少ない ⑩下唇が豊か 有名人:市原悦子 10.玄武 ①目がぎょろっとしている ②目の光が鋭い ③気難しそうに見える ④肩に弾力的な丸みがあり、痩せていても臀部が大きい ⑤声に重みがある ⑥退廃的な感じ ⑦俗っぽい ⑧骨格が太く、声が濁っている ⑨顴骨が出やすく、頬が張り出しにくい ⑩色っぽい 有名人:勝新太郎、鳳蘭 ここは、季刊五術の内容とかなり異なっています。 11.太陰・・・悲しそうな憂いのある目 ①五官の形や配置が当を得ている ②なんとなく影がある ③知性的な感じがする ④なんとなく影が薄い ⑤年齢より老けて見える ⑥痩せている ⑦顴骨が出て、頬が出ない ⑧表情に変化が少ない ⑨無表情でぶっきらぼう ⑩山根が通って小鼻がはらない 有名人:全盛期の藤圭子 12.天后・・・色っぽい目 ①容姿端麗 ②異性に近づきたがる ③美男美女 ④男女を問わず、女らしい ⑤三枚目 ⑥華奢な感じ ⑦色っぽい感じ ⑧下唇が豊か ⑨強引さを思わせる ⑩山根が通って小鼻がはらない 有名人:坂東玉三郎、山田五十鈴 以上、十二分類しましたが、このタイプが純粋であればある程、 運勢が良いとします。通常は3種くらい混合しており、平凡な 運勢というのが普通ということです。 次回に続く
金面相法 第2回 5.勾陳・・・三枚目 ①表情に緊張感がない ②目鼻口のいずれかに品を壊す静的・動的な欠点がある。 静的:形など、動的:表情・癖 ③食禄が長い ④親しみやすい ⑤誠意のある感じ ⑥滑稽な目、よく動く目 ⑦肩に弾力性があって丸みを帯びている ⑧山根が低い ⑨五官の形や配置がバランスを崩している ⑩三枚目タイプ 有名人:渥美清、研ナオコ(目に騰蛇的崩れがある) 6.青龍・・・大石内蔵助の役のできる人 ①威厳がある ②背が一般より高い ③落ち着いている ④一枚目(美男美女ではない) ⑤誠意のあるような感じ ⑥唇が整っている ⑦声に重みがある ⑧実際的、現実的 ⑨男女問わず、男らしい ⑩年齢より老けて見える 有名人:三船敏郎 高橋英樹(男前すぎるのが欠点) 7.天空・・・うつろな目 ①虚無的な言動 ②声量が豊か ③眉がやや薄くカーブを描く ④目が今どこを見ているのか、他人にわからない ⑤唇がきれい ⑥退廃的な感じ ⑦鼻先が丸い ⑧肌が奇麗にならない ⑨痩せている ⑩華奢な感じ 有名人:仲代達也(青龍が混じっている) 由紀さおり(肌のきれいなのが欠点) 8.白虎 ①年齢より若く見える ②二枚目タイプ ③表情・挙動に性的魅力がある ④肩に弾力性があって丸みを帯びている ⑤声に重みがある ⑥頽廃的な感じ ⑦俗っぽい ⑧骨格が太く、声がハスキー ⑨顴骨が出やすく、頬が張り出しにくい ⑩色っぽい 有名人:八代亜紀 次回に続く
金面相法 第1回 以前、玉掌(手相)について書きましたが、今度は人相です。 人相では、顔のタイプを十二天将に分類しますが、書籍に書かれている内容で は、分類が困難です。 それを比較的要領よくまとめたのが、昔、香草社の大阪教室で山内久司先生にな らった内容です。 山内先生は、朝日放送の副社長までなった人ですが、自分では遁甲をうまく使っ たからだとは言っていました。「必殺」シリーズを作った名プロデューサーとして 有名で。今でも再放送の中村主水シリーズの最後のタイトルバックに名前が出てく ると懐かしさでいっぱいになります。 香草社の季刊五術の最後何冊かに載っていた内容とほぼ同じでしたので、何か元 ネタはあるんだと思います。 まず、人相を貴人、騰蛇、朱雀、六合、勾陳、青龍、天空、白虎、太常、玄武、 太陰、天后の十二タイプに分類します。 1.貴人・・・貴族的 ①中肉中背で、それ以上に肥らない。 ②目が清らかである。 ③慈しみのある感じがする。 ④表情に緊張感がない。 ⑤威厳がある。 ⑥年齢より若く見える。 ⑦頬がこけていない。 ⑧威圧感を感じる。 ⑨五官、特に目・眉・鼻の形が非常に標準的である。 ⑩容姿端麗である。 有名人:若いころの美智子上皇后 三浦友和 2.騰蛇・・・悪役のできる人 ①中肉中背で、それ以上に肥らない。 ②目の光に温かみがない。 ③下唇がゆるい ④目鼻口に静的な欠点、または動的な欠点がある。 動的な欠点・・・しゃべりながら口を歪めるなど ⑤背丈がやや高い ⑥虚無的な挙動をとる(投げやり的) ⑦庶民的、平民的 ⑧目の光が鋭い ⑨陰のある感じ ⑩異性に近づきたがる 有名人:松本清張 小沢一郎(目に破れがある) 3.朱雀 ①目が清らか ②目の光に温かみがない ③額が広い ④食禄(鼻の下)が長い ⑤落ち着いている ⑥声量が豊か ⑦二枚目タイプ ⑧気難しそうに見える ⑨知性的な感じがする ⑩美男美女 有名人:雅子皇后 若いころの石坂浩二 4.六合・・・平凡な顔 ①慈しみのある感じ ②下唇がゆるい ③額が広い ④親しみやすい感じ ⑤一枚目タイプ(主役タイプ) →季刊五術では二枚目と書かれていましたが、一枚目の誤りです。 ⑥肩がやや薄い(肉がついていない) ⑦表情や挙動からおこる性的魅力 ⑧やさしい感じ ⑨影が薄い(目立たない) ⑩女らしい(男女問わず) 主役タイプと影が薄いは矛盾しますが、これは後程解決されるそうです。 他も同じ。 有名人:倍賞千恵子 島倉千代子 実例は少し古い人ばかりです。これは何十年も前に習ったので仕方ないですね。 次回に続く
【五術における六親】 佐藤六龍著(会報誌:季刊「五術」平成18年12月号掲載文から抜粋)「六親」は、五術上では子平術の変通星、六壬・五行易の虚星(五類)をさしますが、一般では親族の意にとって使用しています。両親・兄弟姉妹・子女・配偶者を六親と言います。ここでは、一般の親族の意です。中国は昔から、この六親を大切にする風習があり、特に先祖を祭る、家を守るという考えから、男の子を重要視します。そこから、命が占術では、この六親をみる方法が必ず入っています。しかし、これがしっかりした定義なり、占術上の原則なりが明確にされていないのです。さらに困った事は、中国はいざ知らず日本で は、まったく家族制度というものが、昔にくらべて崩壊してしまっています。故に、よほどしっかりした常識をもって、この五術上の六親を考えないといけません。最近にいたっては、この六親の障害事件が数多くあります。子は親を、親は子を、夫は妻を、妻は夫を――という現状です。子供の障害事件の場合、障害された子、した者、その子の親の三者の運の吉凶。夫が妻を殺害した時、夫の運、妻の運――を云々しています。いったい六親のこうした吉凶の事象は、命の上ではどうか?――ということです。まず、ここではっきり言えることは、「六親の吉凶、良悪は命には出ない」ということです。つまり、ある命式をみた時に、そこに出ている六親は、六親そのものの吉凶良悪ではない、ということなのです。そこに出ているのは、「六親とその命式の人との緑の厚薄のみ」なのです。ですから、六親の運の吉凶は一切出てないのです。命の占術で、子女運がよいということは、頭のよい子、出来のよい子、というのではなく、子女縁がある、ということですから、拡大解釈して、自分から(命式の人)見てよく見える子、頭がよいと感じられる子、というのはありますが、本当によい子なのか、本当に頭の よい子なのかは、その子の命を見なければわからないのです。これは、両親でも夫妻でも兄弟姉妹でも同じです。それを一般の人は勘ちがいしているのです。その勘ちがいから、親が死んだ。子が殺された、すべて自分の運の凶さのように思っているのです。親が死亡するのは親の命で あって、子供の命式に親の死が出たら大変です。子供が殺された場合、殺される事が運の凶さかどうかは、別にして、親の命式には何の関係もないのです。中国の命書を見ていますと、何歳の凶運に親に死にわかれた。何歳の凶運で子が死んだ――とありますが、これはすべて前述の六親のあらわす事象の定義を理解していない誤りなのです。この事について透派の張耀文師は、「五術家は常識のないバカばかりだから、六親の生死吉凶を自己の命式で云々している、少し考えればそんな事はあり得ない、もしそれが真実だとしたら、その六親の命は何をあらわすのだ!」と言っていました。まったくそのとおりです。ただ世の中の生活上では、親が死亡して学校をやめなければならなかった。夫が死亡してその日から生活に困った、――という、生活に大変化があるため、自己の 命式上で六親吉凶があるように考えるのです。しかしその変化は命の変化ではなく、常識上の生活の変化と考えねばなりません。張師が言われたように、もし夫が死亡して生活に困った妻の命式に、夫の凶事があらわれるとしたら、いったい、その夫の命には何が出ているのだ、ということです。もう一度言いなおしましょう。ある命式に出ている六親というのは、その人(その命式)からみた六親、その人(その命式)がうける感じの六親、というにすぎないのです。日支(配偶者)が喜神でしたら、一言ではよい夫(又は、妻)と判断しています。がそれは、その夫なり妻なりがみた配偶者、その夫なり妻なりが肌で感じた配偶者、なのです。本当によい(吉運)配偶者なのかどうかは、その配偶者の命式をみなければなりません。自分からみたらよい夫(その妻の日支が喜神)でも、他人がみたら、いやな男だ!かもしれません。これを、アバタもエクボ、と昔から言っているのです。すべて六親というのは、こういう事です。近世中国推命の大家と言われる袁樹珊が、李鴻章の命式が曲直格(透派では従旺)なのに、金の大運に西太后の引き立てがあり、順調に過ごしたのを、「金の凶運ゆえ、親が死んだ」と書いているのを、張耀文師が、小生に話してくれました。「困っ たものだ。こんな大家と言われる人でも、このような非常識な事を言うのだから! テイノウとしか言いようがない。李鴻章の命式に親の死が出てたまるか、 じゃあ親の命式は何をあらわすんだ。バカバカしい。李鴻章が金の大運でも無事に過ごせたのは、西太后の男メカケだからだよ。あの権力者にかわいがられた ら、凶運なんか毛一厘の作用もしないよ。こんな常識もわからないのだから、易者はいやになるよ!」この時、小生は「凶運だったら西太后から引き立てを受け られないはずだが?」とやったのです。そうしますと、張師は、「佐藤先生も袁樹珊と同じバカだなあ! 引き立てを受ける事と人から可愛がられる事は別だ よ。まして男女の感情のこもった関係は趣味嗜好の範囲で、吉凶成敗とは別だよ。引き立て援助は吉凶、好き嫌いは趣味、まったく別個のもの。李鴻章が凶運で も西太后からの引き立ては、吉凶ではなく趣味の範疇、引き立て、と言うから凶運云々が出てくるのだが、愛された(性云々とは別)と言えば、好き嫌いの趣味 範囲で吉凶とは別さ、こんな事もわからないのでは……」と言われてしまいました。占術上では、この六親や親族を云々する時は、こうした常識上のことを十分に考慮することが大切です
五術の中で「ト」と「命」は非常に占術的性格がちがうものです。このちがいを十分に知っていないと、命・トの使いわけができません。もちろん、占事と占的が命とトではちがうのは当然ですが、そうした表面的なものではなく、占術の本質としてのちがいがあるという点です。第一に、占事占的における吉凶と良悪の定義が、命と卜では根本的にちがうという点です。第二に、占事占的における難易と苦楽の度合いが、命でははっきりあらわれますが、トではまったくあらわれないという点です。第三に、命は、個人差を中心に考えられる占術ですが、トは一般的な平均の感覚で占術をとらえているという点です。以上の三点が、「命」と「ト」における大きなちがいです。これらは非常に重要な事なのですが、案外、見すごされています。第一の定義のちがいは、第二と第三に関連があります。つまり占的占事の度合いがトでははっきりしない上に、第三の一般的な感覚から吉凶良悪をとらえるため、命とは非常にちがってくるのです。例えば、求財占の命の場合、その人の生活環境に応じた財の吉凶良悪が出ますが、トはそうした事とはまったく関係なく求財占における吉凶良悪があらわれるのが卜です。一千万の投資をして、一千五十万の収入を得る人に、財富の命とは絶対に出ません。この人は一千万の財を動かす生活環境があり、それによって利(財運)があるとしたら、少なくとも一千三百万以上の収入がある場合に、初めて財富の命と出るのです。ところがトでは、一千万投資した仕事で、一千五十万の収入があっても、利あり、と出るのが普通です。(極端な例)つまり、定義的にいえば、一円でも利があれば卜では吉、一円の利であれば命では凶、という事になります。そして第二の度合い、つまり利益の度合い、幅がトでは出ないという事です。さらに第三の個人を基本にしているから一千万の投資可能の人に五十万の利では吉とはいわないし、一般的、平均的金銭の感覚から五十万をいえば、吉であり利であるとするのです。以上のような事を具体的に実占上はどう使いわけるか、といいますと、占的占事のいかんを問わず、次のようになります。1、トをみる場合、占的占事の吉凶・良悪を、占前に具体的に設定し、こまかくその吉凶良悪の定義づけをして、それが可能か不可能かをトに問うことです。五行易や六壬で、占的を細かくしぼり、時間設定をきちんとしなければならない、というのは、ここらあたりを指すのです。同じ卜でも遁甲方位においては、その吉凶良悪の応期をきちんとすべきです。遁甲において、応期に出た吉兆凶兆以外は、偶発作用である、として切り捨てるぐらいの見識は持っていてほしいものです。2、命の場合、占的占事の吉凶良悪は、定義と同時に高度の常識性が要求されます。さらにその人の生活環境と命の関係、命の定義とその人の現状との関係、を十分に見きわめるべきです。例えば、富命でなくても、開業医の子息は、一般人の富命と同じかそれ以上の富命的生活を送っています。開業医の子息という生活環境と命、次に命における財とは自己が稼ぎ出すものをいう、という命の定義と医師の子供という現状、― をみないと、現代日本における医師の子息の命理判断は、狂ってしまいます。貧命の医師の子息がたくさんいますが、その現状は豪勢をきわめたもので、今回ここで説いた点を頭に入れておかないと誤断になります。また、土地などの売買による一時的な財富の人なども前述の医師の子息と同じで、不適中となります。3、トの場合、占的占事によってトの占術の理論法則を、前述の三点を参考にして設定しなおさなければなりません。占的占時の吉なり凶なりの条件(状態というべきか?)とトの占術の吉凶の条件が本当に一致しているか、どうかということです。吉凶はたんに二者択一のようにみえても、その確率が極端にちがう場合があります。例えば、商売が繁昌するのを吉、繁昌しないのを凶、受験に受かるのが吉、不合格が凶、どちらも1/2ですが、その条件の度合いは大変にちがいます。つまり、入学試験の場合は吉の条件(占術の理論、法則)を厳重にしぼって、すこしの凶もないのを吉としなればなりませんし、商売繁昌に吉は、吉と凶の条件をくらべて、結果的に吉になっていればよいということになります。五行易の原則に、吉と凶の条件は、寡は衆に敵せず、というのがあり、吉なり凶なりの条件は多いほうのを少いほうより用いる、その判断の結論は衆である、という意です。しかし、これを用いられるのは前述の三点を十分にのみこんだ人のみが使えるのであって、すべての占的占事に用いることはできません。商売の吉凶いかんの占には用いられますが、合格いかんには用いられません。身体安否占には、この吉の条件と凶の条件の多少できめる方法は用いられますが、飛行機が落ちるか?という安否占には絶対に用いられません。ジャンボ機は落ちない、という設定のもとに作られ、飛行しているのですから、それが落ちる凶条件というものは、たんに吉条件と凶条件の多少ぐらいできめられるものではないのです。ようするに、占的占事の吉なり凶なりのおこりうる条件と、トの占術の吉凶条件が一致、または似かよっていなければならないということでしょう。象意のことになりますが、トには難易と苦楽を断ずる度あいが非常に不明瞭です。占卜の六壬と断易は、吉の条件、凶の条件の多少で結論を出しますから、その多少で難易なり苦楽なりは判断できないという事はすぐ了解できることと思います。ところが命になりますと、象意としての難易や苦楽が実に明瞭にでるように設定されています。特に子平などは、苦命楽命・横財・直財・楽財・苦財などとわけられるという特徴もあります。以上、命とトの本質的なちがいに留意して五術を応用するのが正しい占術究明といえるでしょう。
六壬には「大六壬」「小六壬」にさらに「六壬金口訣」というものがあります。現在、我々が一般的に六壬と呼んでいるのは大六壬のことです。今回ご紹介する李淳風時課は、中国の唐代の司天監(天文台長官)で、「麟徳暦」という暦法の撰者であった李淳風(りじゅんほう)(西暦 602 年~670 年)によって考案された占術ですが、主に宋・元の時代の民間に利用されました。この占いは、何か気になることを思い立った日時(つまり時間立卦)で占う占術です。○占い方占機の月日時を旧暦に変えて占います。大安 → 留連 → 速喜 → 赤口 → 小吉 → 空亡(次はまた大安に戻ります。)この順番で常に循環します。・先ず、上図の内、大安の位置を正月の場所として、時計回りに当月まで数えて至っ た場所をその月の一日の場所とします。・次に、その月の場所から当日まで時計回りで数えて至った場所をその日の場所とし ます。・最後は、その日の場所を子刻の場所として当刻まで時計回りに数えて至った場所が 答えとなります。・そしてこの六曜で吉凶を占います。例旧暦3月5日の辰刻に失せ物を占う場合先ず、大安を1月として当月の3月まで数えると、1月(大安)2月(留連)3月(速喜)となり、速喜に至ります。次にこの速喜を1日として5日まで数えると、1日(速喜)2日(赤口)3日(将吉)、4日(空亡)5日(大安)となり大安に至ります。最後は、この大安を子刻として辰刻まで数えると、子(大安)丑(留連)寅(速喜)卯(赤口)辰(将吉)となり、結果は、小吉に至ります。この小吉で物事の吉凶を占います。大安(たいあん)水に属し、青龍が事を主る。数字は、一五七、体では手足、方位は西南が良く、東方は凶事態はますます盛んになる。財を求めるなら坤(西南)の方にある。失せ物は、遠くないところにある。住居は安泰。待ち人は、まだ動いていない。病人は病状に変化はない。事は、ひと段落して次の獲物を求めるときである。留連(りゅうれん)水に属し、玄武が事を主る。数字は、二八十、体では、腎臓と胃腸、方位は南が良く、北方は凶ぐずぐずすれば事は成り難い。計画は挫折しがちである。希望にはまだ到達できていない。謀を求めるには、日が明けない内に行うのが良い。役所関係のことは、穏やかに進めるのがよい(先に延ばすと良い)。待ち人は、まだ帰ってこない。失せ物は、巽(東南)の方にある。急いで攻めればまさに心に叶う。口の災いに注意。他人との争いに注意。健康は良好。病人の病状は良好。速喜(そっき)火に属し、朱雀が事を主る。数字は、三六九、体では、心臓と脳方位は西南が良く、南方は凶急に喜び事がやってくる。財を求めるなら南方に行くこと。失せ物は方角は午未の方で、路上で出会った人に尋ねるとよい。役所関係のことは良い。病人は病状に変わりがない。家庭は平和で待ち人から連絡がくる。田畑や家畜は良い。赤口(しゃっこう)金に属し、白虎が事を主る。数字は、四七十、体では、肺と胃腸方位は東方が良く、西方は凶争い事が多い。役所関係のトラブルに気をつける。失せ物はかなり探さないとでてこない。待ち人は災難にあっている。家畜・ペットトラブルあり。西に病人あり。他人からの恨み、伝染病に注意。小吉(しょうきち)木に属し、六合が事を主る。数字は、一五七、体では、肝臓と腸方位は西南が良く、東方は凶大いに吉の状態。商売で利益が上がる。女性からの喜び事がある。失せ物は坤(西南)の方にある。待ち人から手紙が届く。交渉事が強気でいける。ほとんどのことは円満に進む。空亡(くうぼう)土に属し、勾陳が事を主る。数字は、三六九、体では、脾臓と脳方位は北方が良い、葬儀場は凶(沖犯厝地 厝:柩を停めること、未だ葬らないで、葬期を待っている状態)煩わしいことが多い。女性が権威を押し出す。財を求めても利益が上がらない。待ち人に災いあり。失せ物は土の中に隠れている。(出ない)。法的トラブルがある。病気が悪化する。願解きをすれば、安康を保つ。おとなしく時期が過ぎるのを待つ。
香草社も無くなって、教える人もいないので概要だけを記述します。興味のある人は、佐藤六龍先生の古本を入手してください。この方法は、奇門遁甲を勉強している人にとっては、目からうろこの秘伝ですが、西洋手相術しか知らない人では、その価値は理解できないかもしれません。1.乙線 乙奇は遁甲では安定をあらまします。 ・起点が丙線と同じになるほど安定を図る才能が高い。 起点が丙線と離れる程安定を図る才能が弱い。 ・末端が親指方向へ向くほど安定を図る才能がある。 末端が小指へ向くほど安定を図る才能がない。 ・起点と末端が矛盾する場合は両方の面があり、臆病なくせに 時々びっくりするようなことをする。 ・末端が一直線なら、住居の変更が少ない。 末端が二股なら少なくとも3回の住所変更がある。 ・乙線が大きく母指丘を囲むほど家庭が安定する。 囲みが小さいほど家庭に不安が多い。 ・乙線の長さが長いほど、安全で自発的事故が少ない。 短いほど不安定で自発的事故が多い。2.丙線 遁甲では丙奇は財を表す。手相では収入を得る才能と支出を コントロールする才能を示す。 ・起点が上から出る(人差し指に近い)程金銭に関して大まか で投機的である。下から出るほど金銭に関して細かく臆病で小心。 ・起伏が多い(波状・鎖状)ほど金銭に対する執着心が弱く、金銭 で争うのが嫌い。直線なほど金銭に対する執着心が強い。 ・長いほど収入につながる能力が高い。短いほど収入の手段が貧弱。 ・末端が上を向くほど蓄財力がある。下向くほど蓄財力がない。 二股に別れるときは中間を見る。3.丁線 丁奇は遁甲では智慧を表す。手相では物事を理解・整理し処理する 才能をしめす。 ・起点に支線が多いほど分析的。少ないほど直観的。 ・起伏が多いほど感情の起伏が多い。起伏が少ないほど感情の起伏 少ない。 ・直線的であるほど押しが強くて丸味に欠ける。カーブがあるほど 押しは弱いが、人との関係がうまくいく。 ・長さが長いほど感情が豊かで感動しやすい。また長いほど計画的 だが、実行力に欠ける。 短いほど感情に乏しい。また無計画で妄信的に動く。 ・末端が上向くほど穏やかで寛大。下向くほど感情的で拘り易い。4.戊線 戊は遁甲では要領・信用を表す。手相では交際の才、外交を表す。 ・下から出るほど要領が良い。 ・太さが太いほど人に信用される。細いと信用されない。 ・本数が多いほど社交的で、少ないほど非社交的。 1本を標準とする。5.己線 己は遁甲では求情。手相では表現・発表の才 ・下から出るほど人気がある。 ・末端が上にいくほど異性にもてる。 ・直線であるほど異性関係に浮沈がない。曲線ほど異性関係が不安定。 ・太いほど才能が認められる。細いほど他から認められない。多労少功。 ・本数が多いほど異性との接触の機会が多い。6.庚線 庚は手相では活力を表す。責任感・努力。 出ていないほうが福徳的には苦労が少ない。 ・下から出る方が活力がある。 ・末端が上に伸びるほど苦労が多い。 ・直線なほど浮沈が少ない。曲がりくねりがあると浮沈が多い。 ・太いほど、その人の努力の程度を表す。 ・本数が多ければ、運勢・社会環境に移り気が多い。少ないと1つ事に 専念する。7.辛線 信仰力、技芸的才能、根気を表す。 ・太いほど精神面に興味を持ち、根気がある。 ・本数が多いほど、技芸才能に成功する。8.壬線 子線(結婚線)と丑線(金星帯)がある。 子線は競争力、執着力。丑線は競争力を表す。 ・子線が太いほど競争力が強い。 ・子線の本数が多いほど知能で競争に勝つ。少ないほど力で競争に勝つ。 ・末端が上向き程夫婦関係が良い。下向き程夫婦関係が悪い。 二股は夫婦別れがある。 ・丑線は太くて強いほど競争力がある。切れ切れであれば競争に関心がない。9.癸線 趣味と健康を表す。 ・太いほど趣味に凝る。 ・切れが多いと健康に恵まれない。10、どちらの手を見るか。 特徴のある方の手を見る。 (1)乙線に特徴のある方の手を見る。 ①乙と丙が同源でない。 ②乙乙(乙線の下端が二股)、乙丁(上端が二股) ③乙己(波状)、乙癸(末端が房状)、乙丙(複線がある) ④乙線が親指方向に向かわない。 (2)乙線に差がない場合、丙線を見る。 ①乙線と同源でない。 ②丙乙、丙丁 ③丙己、丙癸、丙丙 ④丙線が手首側に伸びない。 (3)上記で結論が出ない場合、丁線を見る。 ①乙が丁に引っ付いている。 ②丁乙、丁丙 ③丁壬(鎖状) ④末端が人差し指の方へ向かない。11. 行運の見方 乙線 21歳から30歳 丙線 31歳から40歳 丁線 41歳から50歳 戊線 51歳から60歳 己線 61歳から70歳 庚線 71歳から80歳 辛線 81歳から90歳 壬線 91歳から100歳 ・20歳までは父母の運に左右されるので見ない。 ・線に傷がない時はその年代は安定しているとみる。 ・より詳細にみるためには、2等分して前半後半としてみる。 ・相術である為、一生の運勢がわかるわけではない。 現在の年齢の1.5倍までが見られる範囲。それを越す範囲は また、その時期が来れば見られる。 この後、人相を併用しながら、十二宮に線を配当してみていく方法 がありますが、今回は基本の説明までとどめておきます。以上
- 子平の財と皆財論 (命)-(季刊「五術」平成13年3月号から抜粋)人間の三大欲望は、「財・禄(官・権)・寿」とされています。これは何人といえども望まない者はなく、しかも希望がなかなか成就できないものなのです。この三大欲望については一般社会の学問も常識もさけているか、ありきたりの修養論まがいに逃げています。努力・修養・学問などは冷静に考えますとこの三大欲望に関してはまったくカラマワリの論にすぎませんし、これで人間の欲望がかなえられるなどとは何人も信じていないはずです。まして、現今のようにきびしい社会現象を呈している時、いかに無役なものかがはっきりしています。努力などで成敗がきまるなら何人もしますし、現に二十代の男女がいっせいに四月に社会に出た時の、涙ぐましい努力、中年の男性の独立願望 ―― などをみても、いかに努力などというバカげた熟語が空虚なものかわかると思います。修養などにいたっては百害あって一利なしの机上の空論にすぎません。学問も、よい学校を出た人のみが成功するものではない事は衆知の事実です。こうした事に対して我が五術は明確に答えを出し、しかもその実行法を説いているからすばらしいのです。五術の中でこの ―― 「財」について具体的に述べているものには、子平推命術と奇門遁甲術の二大占術があります。奇門遁甲ではこの「財」を迫力と競争の二点から財を得る方法を説いています。いかに人間が迫力をつけるか!そして他よりいかに一歩先んずるか!という事です。ここまで書きますと、前の努力修養論と同じではないか、と思われるでしょうが、そうではありません。具体的に、いかに人間に迫力をつけ財にむすびつけるか、という点を十干の中から「丙火・甲木」をとりだして用いる方法を説いているのです。競争も他と競うのではなく、他がだめになるから、自分が勝つ、という道徳を排した実践的占術感に立ったものなのです。具体的方法として遁甲行軍三奇・甲尊丙奇造作法 ――など。子平推命術では、「財」を個人の先天的に所有している財に関する宿命と、それをいかに応用するか、の二点から究明していくのです。生年月日の八字の中で、おのれが剋するものを「財」としています。ここは遁甲と同じく他を制する迫力が財なのだ、という感覚です。子平ではさらにこの迫力の財を個人差でもって究明していきます。喜神財と忌神財です。それは財が迫力だとしても万人に迫力がよいというものでもなければ、迫力のみで財につながるものでもありません。そのため、迫力を喜忌の財としてわけたのです。さらに、この喜忌の財が命中八字に有る命、無い命とわかれます。無い命は行運でいつくるか?来た時に命中に、どう作用するか?有る命はその財(喜忌)がどこにあるか?年柱・月柱・時柱によって非常にちがってきます。その有る財に対して他干がどう作用するか?行運でその有る財にどんな作用をするか?以上、あげだしたらきりがないくらい子平術では「財」に関して究明していく方法があるのです。これを自己の命にあわせますと、何人といえども「身分(宿命)相応の財が得られる」という結論になるわけです。
季刊五術 昭和53年5月五術の中の医の場合は、その診断で患者の主訴が提綱になり、患者の挙動、顔色、目のくぱり方、精神状態などが医における用神にあたります。医師が患者を見てパッと捉えたもの、いわゆる望診による結果が用神です。つまり、医では主訴が提綱にあたり、その患者のポイントをつかむこと、提綱と関連した一番大きな目のつけ所の望診で得られた結果が用神となります。この医における用神は、すべてが吉という事にはなりません。パッと見た時に、癌という望診(つまり用神 )があった場合、この用神 (癌の病的特徴 )は喜神では絶対にありません。また五術の相の人相などの場合初めに見た時に、いろいろと詳しく見るのではなく、見た瞬間に印象に残った点が用神になります。たとえば、破産するな、という印象の人相の場合、この破産しそうだという人相の特徴が用神となりますが、この用神は喜神ではありません。このように用神が喜神という考えは、運命学または五術 (命卜相医山 )に対して文盲としかいえないものです。また、子平推命術でかりに用神が喜神ならば、用神という言葉だけでよいわけで、わざわざ用神という語のほかに喜神という菖葉は必要がないことになります。ですから中国の正統五術においては、用神と喜神とほ全く別のもので混同してはいけないものです。五術では結果的に用神と喜神が同じになる場合があっても、それが用神と喜神が同じという理由にはまったくならないのです。また、子平推命術では用神のとり方が何通りもあるのです。目のつけ所なのですからどこに目をつけてもよいわけで、必ずしも用神が一つだけと決まっていて、誰が見ても同じとは限りません。当会 (東洋五術運命学協会 )の子平推命講習では、初等科で五行推命、高等科で滴天髄・十干推命、専門研究科で体用推命と順をふんで行なっています。五行推命の場合、用神は、内格が月支蔵干であり、外格は外格を構成する干です。滴天飽・十干推命の場合、用神は内格外格ともに特質のある十干がそれにあたります。体用推命の場合は、体神と用神にわけ、作用を与える干を用神とします。このように、五術の中でも用神がいろいろとあり、子平推命術の中でも用神のとり方が数多くあるのです。よく「本によって、講習によって用神がちがうがどちらが正しいか。」という質問をされる方がいますが、理由はこうした点にあるのです。型にはまって割りきってしまうのは ,子平推命術を死物化してしまうことになります。用神のとり方が何通りもあるからこそ、いろいろな見方ができ、キメのこまかい判断ができるのです。ここでそれぞれの用神のとり方による判断の特微を述ペておきま す。月支蔵干の用神は、喜忌吉凶成敗が誰にもとれて判断が的確に行なえる長所があります。特質十干の用神は、吉凶の象意が細かくとれる長所があります。体用の用神は、一生の運勢傾向の吉凶とその大勢が明瞭にわかる長所があります。ただはっきりしておかなければならない事は、いかに用神が違っても、喜忌 (つまり吉凶 )は同じになるという点です。目のつけ所は人によって違っても、大局的な結論は同じにならなければならないのです。甲戌甲戌 (辛 )甲子戊辰この命式の場合に、月支蔵干の辛金を用神にとる方法、日干の甲木を用神にとる方法、日干に作用を与えている月干の甲木 (この場合日干と同じ結果にはなる )を用神にとる方法、命中で一番強くしかも秋月の甲木に対する戊土として時干の戊土を用神にとる方法があります。このとり方はどれも誤りではありませんし、正しいものです。しかし喜忌はどの四柱の干をとっても水木が書神、火金土が忌神にならなければ、それは正しい推命術とはいえません。