2013年10月、1度目の手術を受けました。
先生からの説明は
「これだけ大きな腫瘍だし、お腹を開けてみないことにはどうするか分からない。一切摘出せずに、お腹を閉じることも考えられるのでご理解ください。全部摘出もかなり難しいと思います。頑張って取れるだけ取ってこようと思います。」
こういう説明でした。
それでも良いから、生きるために手術を受けよう。と思いました。
この腫瘍は私を困らせるため、殺すためにできたのではない、と分かっていたのでそんなに酷いことにはならないだろうという気持ちもありました。
先生は厳しいと仰っていたけれど全部取れるんじゃないかなぁ・・・なんて期待なのか直感なのか分からないけど、そんな感覚も持っていました。

手術前日の夜は、何となくそわそわして落ち着かなかったです。
手術は生まれて初めてだったので、どうなるか分からない、分からない故の不安や恐怖がありました。
執刀医の先生の診察の時、私のお腹に先生の手が触れた瞬間、
「この人にお任せしたら大丈夫だ」
と分かった自分の直感を信じようと、大丈夫・・・大丈夫・・・自分に言い聞かせました。
いろんな感情が入り交じる中、彼が教えてくれた「腫瘍の気持ち」をふと思い出しました。
「私のこと守ってくれてたんだね、ありがとうねぇ」と私の心は感謝の気持ちでいっぱいになり、お腹に手を当てながら「ありがとう~ありがとう~」と言っている間にそのまま眠りにつきました。

手術の朝、私はものすごく緊張していました。
両親と彼に笑顔で手を振って手術室へ。
手術台の上で心電図を付けたとたんピッピッピッピッとものすごい早さの電子音が鳴りました(笑)
まるでハムスターのようです(笑)
看護師さんが、雑談してくれて少しずつ心電図は落ち着きました。
麻酔ガスマスクを口に当てているうちにぼんやりしてきて「ちゃんと背中に麻酔の管が入ったよ~」という麻酔科の先生の声を最後に私の記憶は途絶えます。

手術は朝一番から夜の6時頃までかかりました。
その間、彼はずっとお祈りをしてくれていたそうです。
たくさんの存在が彼に力を貸してくれて、彼の意識体が10階建ての病院を丸々包み、さらに大きな巨人になってお祈りをしたそうです。
「多絵さんの手術はとても大事なご神事だったみたい。自分の祈りで大きなエネルギーを降ろして病院や、この辺一体の浄化も兼ねていたみたい」
彼はそう言っていました。

手術が終わって私の麻酔が覚めるまで、両親と彼は主治医の先生に呼ばれ腫瘍と対面しました。
パイプ椅子ぐらいの大きさのバットにこんもりと何かが乗っていて布が掛かっていたそうです。
主治医の先生がバッと布を取ると大きな大きな肉塊がどーーーーん!!
後ろに付いていた2人の看護師さんが思わず「ひゃあっ!」と声を上げたそうです(笑)
「7キロありました」
主治医の先生は私の腫瘍をペチペチしながら話してくれたそうです(笑)
いろんな肉腫の画像をネットで見ていた彼は私の腫瘍を見て
「とても綺麗な色で全然悪そうな感じがしなかった」
と言っていました。
肉腫にも黒っぽい紫色だったり、濁った黄色い色だったり、見るからに悪い色もある中、私の肉腫はとても綺麗なピンク色をしていたらしいです。
彼は心の中で「ありがとう」と手を合わせて見送ってくれました。

目が覚めたときにはベッドの横に心配そうな両親と彼が私の顔をのぞき込んでいました。
「どうだった?取れた?」
声を出そうとしたら息が漏れて上手く声になりません。
聞き取った彼が少し声を詰まらせながら
「全部、取れたよ。」
と教えてくれました。

ああ、良かった。取れたんだ。
でもちょっと寂しいな・・・
私を助けてくれたあの子が天国で幸せになってくれるといいな・・・

心に晴れ晴れとした寂しさを感じました。
大きな手術だったのに1日目2日目はそんなに痛みは感じませんでした。


大きな塊の桜!満開でした✨
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