こんにちは、スンです。
常々疑問に思っていることがあります。
それは「従属項」!!
従属項とは、クレームで、上位の請求項を従属する請求項のことです。
『【請求項2】〇〇を特徴とする、請求項1に記載のエアコン。』の場合、請求項2は請求項1の従属ということになる。
実務では普通に使う「従属項」。これのメリットは何なのか、気になっていました。
そこで、この機会に「従属項」のメリットとデメリットを整理したいと思います。
<従属項のメリット>
〇権利化前
①発明のポイントを明確にする。
⇒発明発掘、明細書作成時に重要。クレーム設計時に従属項の検討をしないと、明細書に下位概念の発明ポイントを記載漏れする可能性がある。また、出願時と中間処理時で知財担当者が変わった場合にも良い手助けになる。
②戦略的な出願に役立つ。
従属項を作ることで、クレームを「ギリギリなライン」、「妥当なライン」、「製品に即するライン」、というように、権利を徐々に狭めながら事業として必要なところと実際の落としどころを考えながら出願検討をしやすくなる。
③従属項の審査も受けることで、権利できる構成がわかる。
「請求項4は拒絶の理由は発見できなかった」とかね。
〇権利化後
④損害賠償額が高額になる。
【請求項1】〇〇と特徴とするスイッチ。
【請求項2】請求項1に記載のスイッチを搭載したエアコン。
上記の場合、他社のエアコンが本発明を実施していたら、請求項1よりも請求項2の方が高額な賠償金を請求できる。
⑤権利範囲が広くなる(人から聞いた話なので真実かは不明)
【請求項1】〇〇の材質は金属であることを特徴とする電池。
【請求項2】金額はステンレス製であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
上記の場合、実施例に「金属はステンレス製である」と記載していたとしても、請求項2を設けることで、請求項1が請求項2を包含するより広い概念として解釈され、例えば、「金属は銅製」も権利範囲に含めることもできる可能性があるらしい。実際どうなんだろうか。。。。
<従属項のデメリット>
①審査請求料が余分にかかる。
これだけ見ると、やはり戦略的かつ多面的に従属項を検討してクレーム設計することは有益だな。
他にもメリット、デメリットがあると思うので、思いついた方はコメントでご教授いただけると幸いです。