こんばんは、児島です。


おとついの夜、気温が下がっていて雲もでていたので、もしかしてと思っていたら、
昨日朝起きたら、雪が降っていた。

降りは非常に弱いが、雪の粒が硬いのか、木の葉に当たってさらさらと音を立てていた。

結局、昨日の日中は、ずっと細かい粒の雪が降っていた。


そして今朝も、また少し積もっていた。

しかしこの程度の降水では、天水域への十分な水の供給には繋がらないのだ。

給水を行っている村々からは、依然として、更なる給水への要望が届いている。

できるだけたくさんの水を配りたいと思っている。



雪の朝12Nov2008

     今朝のオフィスの庭。




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実は、今回アフガニスタンに来て、私は非常に大きな失敗をしてしまった。

ことの次第は以下のとおりだ。


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現在行っている緊急給水事業は、

日本外務省の助成によって必要資金の大部分が支えられている。

いわば、この事業の緊急性や重要性において、

日本政府と我々の意思が一致したことで行っている支援である。


一方、以前から述べてきたとおり、アフガニスタンの治安は悪化傾向にある。

この状況下で、日本大使館の皆さんは、

現地で支援活動を行っている邦人の安全について、非常に神経を使って下さっている。

このため、日本政府から助成を受けている支援事業に携わる邦人は、

現地大使館に対し、緊密な定期連絡を行うことがひとつの重要な任務になっているのである。


その連絡をするのが遅れてしまったのである。


”インターネットの状態が不安定であったため送信したはずの連絡メールが送信されていなかった”、
というのが言い訳だが

(事実、このブログを書いている途中にも、2回停電になり、数回低電圧のために送受信が不可能となった)、

つまりは治安に対する意識が甘かった故の失敗であることは間違いない。


これまで、何度かこのブログで私自身が述べてきたように、
治安対策には、
現地で実際に判断する微視的な局面と、
大局的な判断が必要となる局面の
巨細どちらもが存在する。


前々回のブログでは、前者の重要性を強調したが、
それで後者を忘れていいと思っているわけではない。

今回の私の失敗に関して言えば、後者の重要性を看過していたと言える。


私は、

日本大使館と我々現地で支援活動を展開するNGOは、いわば同じチームのメンバーである、

と考えている。
”NGO”という語感からは、”反政府”という揮発性の強いイメージが浮かびやすいが、

(”反”ではなく”非”なのであり、

この語感には、常に現場に接近していることに起因するニーズへの感度の高さ、アジリティの高さ、

コストパフォーマンスの良さ、などといったイメージこそふさわしい。)

私個人としては、NGOというのは、諸外国の幾つかのNGOのように、

政府の重要なひとつのパートナーとして、

目的や手法が合致すれば、共に支援を支える存在であるべきだ、と思っている。


アフガニスタンでの支援という観点から見れば、
大使館の皆さんは、

アフガニスタン全体を見渡して情報を収集し判断する管制塔としての役目を果たされており、
支援の最前線で活動する我々は、
現地のニーズに接近しつつ状況のディテールに精通するフロントラインである。

大使館の皆さんがカブールに滞在されていることで得られる、大局に関する知見は

フロントラインの我々には手に入れられない重要なものが多い。

一方、現場のディテールには大局観にも影響する重要なトゥルーに満ちている。

だから、両者の連絡が緊密であることは、さまざまな情報交換や意見交換を通して、
よりよい支援への方途へと繋がるはずである。
が、逆にもし、両者の連絡が断絶していれば、日本人や日本国による支援が停滞するであろう。


このように考えていたにも関わらず、私が連絡を怠ってしまったことで、
大使館の皆様にご迷惑をおかけしてしまったこと、この場を借りて再びお詫び申し上げます。

また、個人としては
”大使館の皆さんと我々とはひとつのチームなのだ”
という自分の考えに反することをしてしまったことなのだということに気がつき、
目下、自戒している。