こんにちは。山元です。

サイクロン「ナルギス」が、5月2日から3日にかけて、ミャンマー(ビルマ)の
都市ヤンゴン(ラングーン)を直撃してから1ヶ月が経ちました。

UNOCHA(United Nations Office for the Coordination of Humanitarian
Affairs:国際連合人道問題調整事務所)によると、政府から発表されている
現時点での公式な数字では、亡くなった方の数は約78.000人、行方不明
の方は約56,000人に上るそうです。
(専門家や人道支援関係者の間では、この数字以上の被害者数が推定
されています。国連では、約240,000人の方々が甚大な被害を受けたと
推定しているようです。)

また、5月12日に中国・四川省で発生した地震については、四川省当局
によると、亡くなった方の数は55,000人に上り、近隣省でも、少なくとも
500人の方々が亡くなったと言われています。


どちらも、被害を受けた方々に対し、迅速な支援が求められており、様々な
国や国際機関、NGOなどが支援を申し出、支援活動に取り組んでいます。

行方不明者の方々が、今でもどこかで生きていて欲しい、ということは
言うまでもありませんが、残念なことにすでに命を落とされてしまった方々
も、せめて大切な家族や知人のもとに無事帰れることを祈っています。


その一方で、ここアフガニスタンでも、今年の深刻な干ばつと物価高騰の
影響で、多くの人びとが苦しい生活を強いられています。

自分の村では、生活を続けるのに十分な水が得られないため、自分の村を
離れて、少しでも水が得られる場所へと移動し、テントでの生活を余儀なく
されている人びとも多くいます。
隣国のイランやパキスタンに移動する人びともいます。

食料の価格が、以前より2倍3倍にも高騰したため、十分な食料を買えず、
草を食べ、空腹をしのいでいる人びともいるそうです。

干ばつの影響で、飼っている羊やヤギの飼料となる草が足りず、かといって、
人間の食料もままならないため、やむを得ず、飼っている家畜を売る人びと、
また、その収入で、自分たちの食料を何とか確保しようとしている人びとも
います。

ピースウィンズの現地スタッフからも、物価上昇があまりにも著しく、生活が
厳しくなったので、何とかして欲しい、という陳情があったほどです。


スタッフによると、アフガニスタンでは、家族数の平均は7人で、10人以上の
世帯も珍しくないため、家族を養っていくことも容易ではないようです。

このような生活状況の悪化に伴い、最近は一般犯罪も増加してきている
感があります。

アフガニスタンでも、現行の支援のみならず、今年の干ばつや食糧危機に
対する支援が実施されていますが、まだまだ十分ではありません。

昨日も、干ばつや食糧危機にどう対応すべきか話し合うべく、州レベルでの
ミーティングに出席してきたところです。


しかし、これだけでなく、世界では、まだまだ支援を必要としている人びとが
います。

国際社会にとっても、人的資源にも物的資源にも限りがある中で、どこに
どれだけの支援を行うか、という決断は容易なものではないでしょう。

現場にいても、何らかの支援が必要とされていることを知りながら、様々な
制約や限界から、目の前にある必要を満たすことができない現実に直面
することは、とても悔しく、激しい空虚感にさいなまれることもあります。

世界中で起こっている様々な問題を考えると、それぞれの問題はとても
大きく、自分には何ができるのだろう、と考えさせられます。
自分ひとりの力なんて、微々たるものでしょう。


けれども、今、自分が身を投じているアフガニスタンという国において、
少しでも、今、自分ができることに携わっていけたら、と思います。



なお、ピースウィンズ・ジャパンは、ミャンマー(ビルマ)での支援活動を
開始しました。
詳しくはこちらをご覧下さい。
  →被災1ヵ月後のヤンゴン(ラングーン)の様子

関心のある方はどうぞ。
  →「ReliefWeb 」:UNOCHAによる人道問題に関するウェブサイト